【ゲームアプリCMウォッチャーズ】キャラクターへの愛情を表現するTVCM『バトルガール ハイスクール』


  ゲーム好きなTAPPLIの読者であれば、こんな経験はないでしょうか? RPGでの戦闘中、パーティを全滅寸前で救ってくれた一撃。野球ゲームでの代打サヨナラヒット。シミュレーションゲームで味方キャラクターが命中率90%以上の攻撃を避けての反撃。まさに歓喜の瞬間! 手塩にかけて育てたキャラクターが大活躍してくれた時、思わず「よしっ!」、「よくやった!」と声を上げてしまったこともあるのではないでしょうか。なかには興奮のあまり勢い余って画面のキャラクターをなでてあげたり、手を合わせてしまったり。ゲームの中のデータに過ぎないとはいえ、苦楽をともにして成長してきたキャラクターに情が湧くのはゲームプレイヤーとして自然なことですよね。

 キャラクターを疑似恋愛の対象として楽しむゲームもありますが、想いを通わせるという意味では近いものがあるかもしれません。そしてそれは、タッチスクリーンというインターフェースの出現によって、キャラクターに直接(インターフェースを介している時点で間接的ですが)触れることによって伝えられるようになりました。

◆手塩にかけて育てた生徒たちに、愛情を注ぎたくなる!


 スマホゲームはタッチ(タップ)操作が基本なので、キャラクターとの触れ合いは今まで以上に当たり前の行為になってきました。そんななか、2015年に登場したのが『バトルガール ハイスクール』です。TVCMもプレイヤーが受け持つ生徒に対する愛情表現(なでなで)を全面に押し出した作りになっていて、ひと目でどんなゲームなのかが伝わってきます。

バトルガール ハイスクールTVCM「なでなで」編

▲BGMは「お誕生日のうた」の替え歌


 頭をなでなでされて恍惚の表情を浮かべながら、先生(プレイヤー)に投げかける甘えたセリフ……内容としては『バトルガール ハイスクール』の目的のひとつである、生徒達との親密度をアップさせる「なでなで」することをフィーチャーしているわけですが、生徒(キャラクター)に注いだ愛情がリアクションとして返ってくる様子は、今までにない感覚! 技術の進歩ってすばらしいですね!

 そもそも「壁ドン」、「頭ぽんぽん」、「なでなで」という、今どきの女子がされてうれしい3大行為(※ただしイケメンに略)のひとつをゲームシステムに採用しているわけですし、そこをアピールしないのであれば、それはそれでTVCMとして役割を担ってないというもの。実写で制作されていたらまた違った趣になったかもしれませんが、ゲームキャラクターをそのまま用いることで、うまくゲーム内容が伝わっているのではないでしょうか。

 そしてこの『バトルガール ハイスクール』のTVCMは「なでて」、「学んで」、「爽快バトル!」とナレーションにもあるように、先に紹介した「なでなで編」に「学んで編」、「バトル編」を加えた3部作になっています。

バトルガール ハイスクールTVCM「学んで」編

▲BGMはヘルマン・ネッケの「クシコス・ポスト」にオリジナル歌詞をつけたもの

「学んで編」では生徒たちを成長させる学園シーン(特訓シーン)中心の構成になっていて、特訓に励む生徒が苦悶の表情を浮かべています。「なでなで編」と比べるとゲームシステムより特訓の奇抜さを見せる内容で、最後はご褒美としてなでなでするシーンになっています。


バトルガール ハイスクールTVCM「バトル」編

▲BGMはリヒャルト・ワーグナーの「ワルキューレの騎行」にオリジナル歌詞をつけたもの


 そして最後は「バトル編」。生徒たち(キャラクター)の戦いにかける意気込みと、戦闘シーンを交互に見せるという構成ですが、最後の「ほめてほめて〜」というセリフが、プレイヤーの教師心(?)に強く訴えかけますね。手塩にかけて育てた生徒たち(キャラクター)に、愛情を注ぎたい気持ちが芽生えてきませんか?

 ここまで観て頂ければわかると思いますが、『バトルガール ハイスクール』のCMは三部作をすべて経ることで、より彼女たちを愛情を持って育てたいという意欲が生まれるような作りになっているのです。「なでなで編」でキャッチーに訴え、「学んで編」、「バトル編」でどんなゲームか見せて、最終的にはゲームをプレイしたくなる……見事な連作CMだと思います。

 さらにこの記事を作成している間に新作CMも登場しました。今度は一転して、キャラクター紹介重視の内容になっているのですが、紹介されるどうでもいいようなプロフィール内容が逆に興味をそそります。

バトルガール ハイスクール CM 生徒紹介篇 A

▲冷静なプロフィール紹介が笑いを誘います


この記事を書いた人

真平(まっぴら)
TVCMを見続けて約30年。特にゲームのCMが大好物のCMウォッチャーであり、ゲームそのものよりもCMに興味があるダメゲーマー。最近はスマートフォンアプリのCMが賑やかになってきていることに、時代の動きを感じている。