【レビュー】迷わずやれよ、やればわかるさ! 『プロレスラーをつくろう! THE GOLDEN HOUR』はプロレスをじっくり楽しめるアプリだーッ!

 元気ですかッ! 元気が一番、元気があればスマートフォンでプロレスゲームもできる。それが『プロレスラーをつくろう! THE GOLDEN HOUR』だっシャッ(すっかりその気)!

  ……と、このような感じで、本作品はプロレス好きな人にとってビシビシと魂に響いてくるゲームである。プレイヤーはコーチとなり、レスラーのスカウトから育成、試合運びのアシストまでを一手に引き受け、レスラーとともに戦い抜く。ただし、試合においてはレスラーの行動に直接指示を与えていくことが可能。つまり、レスラー育成+プロレスそのものも楽しめるという、一粒で二度おいしい内容になっているのだ。


▲試合中は、自分好みの試合運びができる。己のプロレス哲学に基づいて、美しく勝利を積み重ねていってほしい。


◆目指すは世界チャンピオン! まずは有望な新人を獲得、育成せよ

 最初にプレイヤーが行なうのは、有望な新人レスラーの獲得。初めて獲得するレスラーに関しては、「打(打撃技)」、「投(投げ技)」、「極(関節技)」どれを得意とするタイプにするかを決められるため、自分の好みに合わせてじっくりと選ぶといい。

▲最初に出会うレスラーは、自分の追い求めるプロレスに適したスタイルのレスラーを選択したい。


▲新レスラー獲得には、バーコードを読み取って選手が生成されるユニークなシステム「バーコード」も利用できる。


 新人レスラーの命名も重要だ。自分が好きなレスラーの名前などを使うとがぜんテンションも高まってくるが、なにぶん十分に強化していない序盤においては、その活躍も推して知るべし。いいレスラーを鍛えるためには粘り強く育てていく努力と根性が不可欠だ。

 レスラーを強くするには技を覚えさせ、試合の経験を積ませていくことが一番。試合に勝てば技を強化するためのファイトマネーや技そのものを入手できるほか、レスラーのレベルも上がっていくため、まずは試合を重ねていくことをオススメしたい。

▲「チャンピオンロード」と呼ばれる通常の試合だけでなく、「特別興行」と称されたイベントや、軍団に所属しているレスラーによる「軍団対抗戦」なども用意されている。


 何度も試合に勝てば、それなりにファイトマネーや技も増えているはず。そうなったら技の強化やコスチューム変更などを行ない、より自分好みのレスラーへと仕立て上げられる。これを繰り返して、最強のプロレスラーを目指そう。

▲技にはレアリティが設定されていて、レア度の高い技ほど強力な傾向にある。手っ取り早く強力な技が欲しければ「ガチャ」で狙え!


◆「打」、「投」、「極」を使い分けて勝利をつかめ!

 試合中に使われる各技のカテゴリは、打>投>極>打の3すくみの関係で成り立っている。これは、相手が「打」で攻撃してきたときは自分が「極」を、相手が「極」で攻撃してきたときは自分が「投」を出していれば攻撃できる、という仕組みだ。

 相手が出すカードはあらかじめ複数枚表示されているが、それをどの順番で出してくるかまではわからない。プレイヤー側はそこを読んで相手のカードに勝つためのカードを出していくことになる。このあたりの読み合いが試合の攻防にアクセントを持たせており、非常に楽しい。

▲試合中は、技のコストを消費しながら戦う。最大コストが少ないうちは、コストの低い技を使ってうまく試合を進めていくのがコツ。

▲すべてのカードが相手に勝つと、さらに追加攻撃も行なわれる。大ダメージを与えるチャンス!


◆「プロレスの美学」を楽しめる良作

 プロレスを見た経験がある人はわかると思うが、たとえば「メインイベントで王者が最初から大技で相手を沈めて瞬殺勝利」という展開はまずない。そもそもプロレスには「相手の技を受けて勝つ!」という格闘技としては独特な勝利の美学があり、序盤はお互いの技をひととおり受けきるのが試合の「お約束」となっている。

 この美学は本作にも反映されており、最初から強力な大技を出そうものなら、相手にかわされ、カウンターを受けることがある。そのため、試合序盤は小技で徐々に相手の体力を減らしていき、ここぞというところで大技、という流れで戦うことが推奨される。

▲一定以上の受け身や攻撃を行なったあとに発動できる「フィニッシュムーブ」。問答無用で相手に大ダメージを与えられる!


 ほかのプロレスゲームには最初から大技を連発して相手に何もさせずに勝つことができるものもあるが、本作品は「プロレスの美学」に則り、試合の流れもしっかりと考慮して作られている。コアなプロレスファンほど楽しめる、奥の深いゲームなのだ。
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