【PAX AUS 2015】 PAXオーストラリアで注目の現地インディゲームをチェック!

  10月30日から11月1日までオーストラリアのメルボルンで開催されたPAXオーストラリア。PAXはもともとゲームを題材としたウェブコミック「ペニーアーケード」の作者二人が2004年に開始した草の根ゲームイベントが母体で、これまでシアトル・ボストン・サンアントニオで開催されてきたが、2013年からメルボルンが加わった。アメリカ以外で初めて開催されたPAXで、2015年は6万人の集客ににぎわった。

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  PAXオーストラリアは他のPAX会場と同じく、「企業ブース中心のエクスポエリア」「ゲームのフリープレイやトーナメント、ボードゲームの試遊コーナーなどで構成されるパブリックエリア」「ゲーム開発者や業界人のトークセッション」という3つのエリアに分かれている。このうち年々規模を拡大させているのが、エキスポエリアに設置されたインディ(独立系)ゲームコーナーで、今年もユニークなゲームが多数展示されていた。

  オーストラリアのインディゲームの多く(特にベテラン勢)は大手スタジオ(EA、THQ、2Kなど)での開発経験がある。そのため出展されていたゲームもPCゲームやPS4・Xbox Oneなど「リビングで大画面を囲み、コントローラーで遊ぶ」タイプが中心だ。しかしモバイルゲームも少なからず出展されていた。その中でも日本のストアサイトで今、ダウンロードできる秀作ゲームを紹介しよう。

  ◆『Agent A: 偽装のパズル
 App Store https://itunes.apple.com/jp/app/agent-a-wei-zhuangnopazuru/id940006911?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

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  PAXオーストラリアにあわせて、タイミング良くリリースされたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは某国の秘密情報部員Agent Aとなって、敵国の情報部員ルビー・ラ・ルージュのアジトを探索していく。ゲームシステムはいわゆる脱出ゲームで、画面上の怪しそうなポイントをタッチしながらアイテムを収集し、さまざまな仕掛けをクリアして、ストーリーを進めていく。ローカライズも非常に丁寧で、ジョークまできちんと翻訳されている。

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  本作の特徴の一つが、3DCGで表現されたグラフィックとムーディーなサウンドだ。画面が紙芝居的に切り替わるのではなく、きちんとアニメーションをして効果が表示される。水槽の魚がちゃんと泳いでいる、洗面所にはちゃんと水が貯まっていくなど、演出も非常に細かい。ハイセンスなサウンドもあいまって、海外のお洒落なゲームという感じだ。謎の難易度もあまり高くなく、気軽にプレイ出来るだろう。

  ◆『LOCOLOCO』

  App Store https://itunes.apple.com/jp/app/locoloco/id927311656?mt=8
 GooglePlay https://play.google.com/store/apps/details?id=com.garoogamesptyltd.locoloco

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  同じくPAXオーストラリアの直前に公開されたカジュアルゲーム。鉄道がモチーフのアクションパズルで、始発駅から中央駅まで、ステージごとに決められた人数の乗客を乗せながらレールをつないでいく。乗客の近くに列車を走らせると自動的に乗客が乗車してくれるが、列車はレール上しか移動できないのに対して、乗客がしばしばステージ上を移動してしまうのがミソだ。列車が障害物にぶつかるとやり直しとなる。

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  ゲームを進めると作業員が登場し、森林を切り開いたり、川に鉄橋をかけてくれたりする。またフィールド上のコインを集めると作業員を増やしたり、途中で失敗したときの「やり直し」ができるようになる。ゲームは英語版のみだが、シンプルな内容なので直感的に理解できるだろう。2012年に閉鎖されたTHQブリスベンのスタッフが中心となって開発されており、グラフィックが可愛らしく、かつ美しい点も特徴だ。

  ◆『FRAMED』
 App Store https://itunes.apple.com/jp/app/id886565180?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

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  マンガのコマを入れ替えてストーリーを進めていくという、これまでありそうでなかったアドベンチャーゲーム。その斬新さは東京ゲームショウで毎年開催されているデモイベント「センスオブワンダーナイト2013」でファイナリストとなったことでも保証済みだ。2014年秋にリリースされ、満を持してPAXオーストラリア2015でも出展。ブースは常にひとだかりができていた。

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  ゲームを開始すると、アタッシュケースを抱えた主人公が何者かに追われているストーリーが展開される。そのままでは追っ手に捕まってしまうが、コマを入れ替えればイベントの意味を変えられる。階段と追っ手のコマが並ぶ画面では、そのままでは追っ手と鉢合わせしてしまうが、コマを入れ替えると追っ手をさけられる、といった具合だ。テキストを廃したグラフィックとジャズサウンドの組み合わせも非常にハイセンスだ。