【発掘! インディーズ】『ゾンビ。』本格的ホラーサバイバルアクションを、ドット絵でここまで表現! 誰か、血清を……。(naoya kobayashi 、NKobaのアプリ)

発掘! インディーズ
ゾンビ。

 今回ご紹介するnaoya kobayashiさんの『ゾンビ。』は、ゾンビだらけの街から脱出するサバイバルホラーアクションです。
 ゾンビのサバイバルホラーと言えば3Dのものを連想する人も少なくないと思います。でも本作は、インディーズゲームらしいドット絵で勝負。ドット絵だと、ゾンビの世界はどのように表現されるのでしょうか?

ゾンビ。
▲ゾンビがうろつく中、銃を握りしめて脱出を目指します。

 基本操作は、十字キーで移動、Aボタンで攻撃、Bボタンで装備中の消耗アイテム使用です。
 最初は画面上の十字キーが使いづらいかもしれませんが、プレイしているうちに慣れると思います。また、上方向+右方向などボタンを2つ押せば斜め移動もできます。

 シンプルな2Dのドット絵で描かれた街中は、建物内も道路もゾンビだらけ。見つかると追いかけられるので、攻撃して倒したり避けたりしながら進みます。
 攻撃手段は主に銃撃ですが、弾が切れると現地調達しなくてはいけませんアイテムを節約しながら戦うのは、サバイバルホラーらしい緊張感です!

ゾンビ。
▲銃を火炎放射器に改造。

 銃は何度でも改造することができ、種類はハンドガン風のノーマル銃、連射型の銃、散弾銃、火炎放射器の4種類があります。強化パーツを見つければ、威力を強化することもできます。
 また、一回使いきりのアイテムとして、手榴弾、目くらまし用の発煙手榴弾、麻痺ナイフなどもあります。自動車やドラム缶を撃って爆発させれば、敵を一網打尽にすることも。この攻撃手段の多さには驚きました!

ゾンビ。
▲下水道は暗くて危険! マップはバラエティに富んでいます。

 マップもただの迷路やミニゲームのような狭いものではありません。墓地や下水道、工場のような場所がシンプルながら丁寧に描かれています。なかには謎を解いたり、鍵を使ったりしないと行けない所も。探索、謎解きの楽しさがあります。

ゾンビ。
▲ヘドロのようなものを投げつけてくる中ボス。つ、強い……。

 敵の種類も豊富。ノーマルなゾンビ、追跡速度の早い獣、有毒物質を吐く植物など。
 途中で手強いボスも現れ、プレイに緩急がついています。

 主人公が攻撃を受けると徐々に「感染率」が上昇し、100%になるとゲームオーバー。アイテム「血清」を使用しなければいつまでも上がり続けるため、ザコ敵の攻撃でも油断できません。ジワジワと追いつめられていくので、「自分もゾンビになってしまうのか……血清……血清をくれ……!」という不安感をリアルに味わえます。
 動画でその焦燥感をご覧ください(約1分15秒)。

 ゾンビの登場するサバイバルホラーアクションゲームはいくつかありますが、本作の一番の特徴は、やはりドットで描かれているところ。ドットのスマートフォンゲームにはミニゲームのようなカジュアルゲームも多いですが、本作は意外なほど本格的。攻撃手段やマップ、敵がバラエティに富んでいて、「ドットだから簡素でいいや」という思惑は見えません。散弾銃を至近距離で撃つと威力が高くなったり、パトカーから弾丸を入手できたりするところなど、ちゃんとディテールも追求されています。
 特に感動したのは、道端の消火栓に流れ弾が当たると、壊れて水が噴き出すところ。細やかな演出に制作者のこだわり、情熱を感じます。

 naoya kobayashiさんの『ゾンビ。』。「ゾンビのサバイバルアクションが大好き」という人も「3Dのゾンビはグロテスクすぎて……」という人も楽しめそうな作品です。