韓国WEBマンガ発の映画がアジアを席捲中。映画「神と共に」人気が海外でも拡大。

神と共にアイキャッチ

韓国映画史上、指折りの大ヒット「神と共に - 罪と罰」の快進撃はどこまで続くのか。

韓国のオタクカルチャーについて紹介するこの連載。今回は映画について紹介したい。

神と共に

韓国において映画は非常に身近な娯楽だ。

2016年の映画の市場規模を興行収入でみると、日本が20億ドル(2200億円)に対して韓国は15億ドル(1600億円)だという(参考 米国映画制作者連盟:MPAA)。数字だけみると日本の方が上だが、日本の人口は1.27億人、韓国は5100万人と考えると、半分以下の人口で4分の3の売り上げだ。

また、映画館のスクリーン数も多く、2016年12月時点のデータだと日本全国の総スクリーン数3472(参考 一般社団法人日本映画製作者連盟)に対して、韓国は2575(参考 韓国映画振興委員会 ※韓国語 )で、10万人当たりのスクリーン数を出すと日本は2.73で、韓国は5.04と2倍近い数字となり、韓国にとって映画が身近なエンターテインメントだということがわかる。

これだけ映画が浸透した理由としては、まず映画チケットが1枚1000円前後と安価なことがあげられる。加えて早朝など、通常では集客が難しい時間帯には、割引価格で鑑賞ができるサービスが実施されていて、お手頃な娯楽として若者を取り込むのにも成功しているようだ。

これだけ映画が身近な韓国で、今大ヒットしている映画がある。

それが「神と共に-罪と罰(신과함께 죄와벌)」だ。

「神と共に-罪と罰」予告編

不慮の死を迎えた主人公が、新しい生を受けるために、7つの裁判(殺人、堕落、偽り、不正、背信、暴力、天倫)に挑むという内容で、作家ジュ・ホミン氏が描いた韓国のWEBTOON(縦読みウェブマンガ)「神と共に」が原作。2012年から韓国のWEBサイトNaverで連載されたことで人気が広がり「あの世編」「この世編」「神話編」の3部を経て完結した作品だ。

映画は前後編の2編構成で、主要キャストにはハ・ジョンウ氏、チャ・テヒョン氏、チュ・ジフン氏など人気俳優を揃え、舞台となる地獄の映像はほぼすべてをCGで制作。総制作費は前後編あわせて400億ウォン(約40億円)超といわれている大作だ。

韓国映画史上初の2構成モノということもあり、上映前から話題となった本作は、2017年の12月20日に前編が公開されて以来、瞬く間に観客動員数を伸ばし、韓国映画史上2番目のスピードで観客動員数1000万人に到達。さらに2週間ほどかけて1200万人を突破すると、公開から1か月ほどで1300万人を達成。韓国の人口が5100万なので、計算上は国民の4人に1人以上がみたことになる。歴代の韓国映画でも観客動員数10位にランクインし、メディア中心に毎日この映画のニュースで賑わっている。

この人気ぶりに各地の映画館で「神と共に」の上映を延長。韓国では通常の作品は2~3週間で上映終了となるが、1か月近くになっても多くの映画館で上映しているようだ。そして、この快進撃は海外へと続き、すでに上映がはじまっている台湾や香港では、ともに興行収入で1位を獲得。人気の拡大をアジア圏に広げている。

そして2018年1月初旬。2019年放送を目指したテレビドラマの制作開始と、映画「神と共に2」の制作決定のニュースが流れ、ニュースサイトやユーザーコミュニティが賑わった。

しばらくは勢いが衰えそうにない映画「神と共に」。後編の上映は2018年夏を予定。これだけ人気を博した作品ならば、韓国だけではなく、世界各地で話題となってもおかしくない。

今後も動向に注目したい。

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