【レビュー】『Cthulhu Virtual Pet』クトゥルフちゃんがかわいい! なぜかレトロゲーム風になった恐怖の神を愛であげよう!

 H・P・ラヴクラフトが1926年に発表した小説『クトゥルフの呼び声』を皮切りに、ラブクラフトやその友人たちによって作り上げられていった「クトゥルフ神話」。そのおどろおどろしい物語群は、後発のファンタジー系、ホラー系の創作物に多大な影響を与えています。

 さて、クトゥルフと言えば全身が緑色の鱗に覆われ、タコのような触腕を生やした頭を持ち、コウモリのような羽を背中に生やした、禍々しい生物(旧支配者)です。そのクトゥルフを愛でて育てていこうというのが、今回紹介する『Cthulhu Virtual Pet』です。

クトゥルフ
▲恐怖の存在であるはずのクトゥルフちゃんですが、レトロゲーム風のビジュアルに!

◆愛を持って、こまめにクトゥルフちゃんの世話をするのです!

 本作は世話をする対象がアレですが、システム自体は真っ当なペット育成系のシミュレーションゲーム。クトゥルフちゃんがお腹を空かせたらエサを与え、うんちをしたら掃除をし、体が汚れたら洗ってあげて、エネルギー切れなら明かりを消して寝かせてあげて……と、とにかく愛情を持って世話をしていきましょう!

エサ
▲エサは魚とトカゲみたいなのと人間の3種類。キュートな容貌ですが、もりもり人間を食べます。

召使
▲召使の人たちがいますが、クトゥルフちゃんの満腹度が0になると、召使を食べてしまいます。召使がたくさんいると成長がよくなるみたいなので、食事はこまめに!

 クトゥルフちゃんには体重、幸福度などのパラメータがあります。それらはクトゥルフちゃんにさまざまなアクションをさせることで増減しますが、そのアクションの内容が、街や船などを襲うやら、信者に崇拝させるやらでわりとヒドい(笑)。もちろんこんな絵柄なので、痛ましさや怖さみたいなものは、まったくありません。そういうのが苦手な人もご安心を。

◆コストは“断片”!? ミニゲームで断片を稼ごう!

 エサを与えるにもアクションさせるにもクトゥルフちゃんが食べちゃった召使を復活させるにも、“断片”というコストがかかります。そして断片を手に入れるには、ミニゲームをするのが一番手っ取り早いのです。

 遊べるミニゲームは全部で5種類。単純なアクションからローグライクRPGっぽいものまであり、それぞれに中毒性があるので、なかなか飽きません。むしろこちらの方が本体なんじゃないかと思えるくらい楽しいので、クトゥルフちゃんを育てるためのコストを稼ぐのは、苦には感じません。

障害物
▲画面をタップして、障害物を避けつつクトゥルフちゃんを進めていくゲーム。簡単操作ですが、それなりに歯ごたえもあります。

橋
▲橋をちょうどいい長さに伸ばして向こう岸に渡し、どんどん先に進んでいくゲーム。片手操作で手軽に遊べて中毒性アリ。

「原作を知っていれば、なお楽しめる」みたいなネタもところどころに散見されますが、本作は「クトゥルフちゃんがかわいい!」という動機だけでも十分にプレイを続けられるだけの楽しさがあります。かわいらしく、ところどころブラックな本作のテイストを、みなさんもぜひ味わってみてください!

レベル
▲レベルが上がってクトゥルフちゃんのビジュアルがちょっと変わりました! 最終的にはどんな姿になるのか……楽しみでもあり怖くもあり……(笑)

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