マンガに特化することでAI翻訳エンジンの精度を向上。制作時の生産性の向上を目指す。
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、AI翻訳サービスを展開するMantra株式会社(以下、Mantra社)と共同で、マンガを多言語で制作するDNP独自のシステム「DNPマンガオンラインエディトリアルシステム MOES(モエス)」に搭載する、独自のAI翻訳エンジンを開発したことを発表した。
これにより翻訳者がすべて手作業で行なってきたマンガの翻訳を、AIが高いレベルでサポートすることが可能になったという。DNPは、このシステムを2021年度中の実用化を目指していくとのこと。
近年、Webサイトやアプリでマンガを楽しむ読者が世界的に増加しており、国内では電子と紙を合わせたマンガ全体の市場規模が、2020年に約6000億円をこえて最大となったほか、海外の読者の開拓に向けて、日本のマンガを多言語に翻訳してグローバルに展開していくための制作・製造・流通体制の整備が進められている。
その中でも特に、マンガの翻訳については、はなし言葉が多く、吹き出しごとに文章が途切れるため翻訳にAIを用いることが難しく、人の手で制作するコストと負荷が大きいものになっており、コストや負荷の面から翻訳タイトル数を抑える出版社も多い状況となっていたそうだ。
こうした課題を解決するため、DNPとMantra社は、マンガに特化することで精度を高めたAI翻訳エンジンを開発し、MOESに搭載して制作時の生産性の向上の実現を目指していくとのこと。