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【レビュー】アクションでも、アドベンチャーでも単体として通用しそうな骨太なRPG『消滅都市』

◆死の街と化した都市に導かれる2人の男女を待ち受けるのは……?

 3年前に突如消滅(ロスト)した街の生き残りであるという少女ユキ。彼女の依頼を受けた運び屋のタクヤは、ともに《消滅都市》を目指すがその行く手には大きな陰謀が待ち構えていた――。これが本作『消滅都市』のメインストーリーだ。この秋、集中的にオンエアされたCMで本作の名を知った方も多いだろう。タイトルやCMから、サバイバル要素のあるアドベンチャーゲームを想像した方もいるだろうが、このゲームは「ドラマアクションRPG」というジャンルになっている。

タイトル

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▲ さまざまな人間の思惑が飛び交うドラマパートでは、新たな登場人物が軽快なカットイン演出で紹介される。杉田智和、花澤香菜らのボイスアクターの熱演も大きな見どころだ。

◆スフィアを集めてタマシイとのバトルを制せ

 メインとなるアクションパートは、ユキを乗せたタクヤのバイクが右へ進む横スクロール方式。各ステージ3~5回あるバトルの相手は恐ろしい怪物たち……ではなく、小学生や女子高生、サラリーマンといった人間の姿をした浮遊物である。これが《タマシイ》で、ロストした都市の残留思念とも言える存在。自分の分身としてバトルで戦ってくれるのもこのタマシイである。


▲タマシイは“らしい”セリフをしゃべる。成仏できない霊みたいなもんだよなあ……と思うと切なくなる。

 ステージには、属性の色のついた玉《スフィア》が並んでおり、これらをジャンプ(タップ)もしくは段差降り(下スライド)しながら集めていく。光のスフィアを取れば光のメーターが、火のスフィアを取れば火のメーターが上がり、メーターが満タンになることでその属性のタマシイが攻撃を行うことができる。逆に言えば、どんなに強いタマシイでも、その属性のスフィアを集めないと攻撃が一切できないのだ。


▲けっこうスピード感のある強制スクロール。焦って操作すると、下段へ降りるハズがジャンプして障害物と正面衝突……なんてこともあるから冷静に。


▲敵にもメーターがあり一定時間で満タンになる。ターン制ではないので、フルボッコにするチャンスもあるし、スフィアを何度も取り逃して相手のターンが延々続くなんてことも。

◆バトルのイニシアティブを左右する3つの重要な要素

 ひとつ目は言うまでもなく、属性だ。タマシイはそれぞれ属性を持ち、火>木>水>火という3すくみの関係にある。本作では属性が非常に重要で、その相性次第で与えるダメージも受けるダメージも全然違ってくる。極端な話、木属性の敵しか出てこないステージなら、普段の構成よりも多少劣るメンバーでも全員火で臨んだほうがいいのだ。


▲火、木、水のほかにも「光」「闇」の属性が。光と闇は相反する相性だが、火、木、水どれにでも対応ができる。敵の属性が混在するステージでは、光or闇中心のチームで挑むのも得策だ。

 ふたつ目は、スキル。スキルはいつでも出せるものではなく、タマシイごとに設定された回数攻撃をすることで開放される。大ダメージを与える攻撃スキルはもちろん、「障害物のダメージを受けない」「周りのスフィアを引き寄せる」など補助的なものもあるが、強烈なスキルはそれだけ発動させにくいという共通点を気にかけておこう。


▲通常スキルに加え、チームのリーダーとなるタマシイは「リーダースキル」も発動できる。「光属性の攻撃力2倍」等、属性に絡んだスキルが多いので、ステージに合わせて柔軟にリーダーを変更していこう。 

 そして最後は《チェイン》だ。チェインはスフィアのひと固まりのことを言い、この固まりすべてを取ると1チェイン得たことになる。これを障害物に当たったり、穴に落ちたりしないで10個集めるとボーナスエリアへ突入できるのだ。障害物がなくなり、各属性のスフィアや回復スフィア、全属性アップの虹色スフィアが取り放題という天国のようなボーナスエリア。必然的に全属性のメーターは満タンとなり、フィーバー開けの一気呵成が約束されたことになる。ボス戦に合わせてチェインをコントロールしたいが、そればかりに気を取られると障害物に当たってチェイン半減!という無惨な結果にも。この絶望感、けっこう頻繁に訪れます(笑)。


▲豆の木登ってコイン取り放題! そんなマリオ気分が味わえるボーナスエリア。チェインは10連続、20連続、30連続……とどんどん条件がキツくなってくる。

◆上達する楽しさがベースにあるので飽きません!

 チームは最大5人+助っ人1名。タマシイは合成、進化することができ、各話クリア時などに手に入る「フクザワ」(そのまんま!w)5枚を使うレアガチャや、助っ人に行った/来てもらったで手に入る「チップ」30枚を使うノーマルガチャでタマシイを増やしていく。


▲☆は最大6。☆4を引いても☆5、☆6へ進化できるタマシイもあるのでじっくり育てよう。

 システム周りはある意味スマホゲームのスタンダードで、目新しいところはさほどないかもしれない。では、この『消滅都市』のなにが楽しいのか?というと、やはり「アクションゲームとしての完成度が高い」点になるだろう。ガチャやドロップなど運頼みの要素はあるが、メインのアクションパートはプレイヤーの真剣度が如実に表れる。属性、スキル、チェインを戦略的に使い、的確なアクションを行うことができれば強くないチームにもクリアの光明が差すのだ。


▲スタミナは「燃料」で表されるが、本作では燃料がなくなりかける→1話クリアで燃料満タンというループが比較的多い。さほどスタミナを気にしないで進めることができる。


▲他ジャンルとのコラボも積極的。本原稿執筆時には漫画『NARUTO』とコラボしており、ナルトやサクラ、サスケらのタマシイをマイキャラに迎え入れることができた。これからも様々なコラボ企画が期待できそうだ。

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