バンダイナムコエンターテイメントは、和太鼓リズムゲーム『太鼓の達人』シリーズが2016年2月に15周年を迎えることを記念し、記念プロジェクトを発足。その2月までの期間を『太鼓の達人』15周年イヤーとして、大掛かりに“お祭り”をしかけていく、と発表した。
今回は、『太鼓の達人 ドドンと15周年!』と題されたメディア向け発表会の様子を中心に、15周年イヤーの“お祭り”の内容をレポートしよう。
発表会は、まずバンダイナムコエンターテイメントの浅沼誠常務が登壇し、15周年の謝辞を述べるところからスタート。続いて『太鼓の達人』総合プロデューサーの中舘賢氏が登壇し、シリーズのこれまでの歴史とこれからの展開が紹介された。
▲バンダイナムコエンターテイメント、浅沼誠常務。
▲『太鼓の達人』総合プロデューサー、中舘賢氏。
2001年のアーケードでのデビュー以来、アーケードで4000台以上(事実上、ほとんどのロケーションに1台はある計算!)、家庭用で800万本以上、スマートフォンで1600万ダウンロードと、『太鼓の達人』のこれまでの華々しい歴史が紹介された後、中舘プロデューサーは、これからの展開として“3つのお祭り”を仕掛けていくと発表。
そのテーマとして「楽しんだら、誰もが太鼓の達人だ」というスローガンも紹介した。
「お祭り その1」として紹介されたのが、スタジオジブリ鈴木敏夫氏プロデュースによる15周年記念ショートアニメーションの制作。この発表とともに、スペシャルゲストとしてスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、アニメコンソーシアムジャパン代表取締役社長兼バンダイナムコホールディングス執行役員の鵜之澤伸氏が登壇した。
▲スタジオジブリ、鈴木敏夫プロデューサー。
▲アニメコンソーシアムジャパン、鵜之澤伸代表取締役社長。
登壇した鈴木プロデューサーは「仕事ってのは人との関係、クサレ縁。鵜之澤さんとは35年の付き合いで、そんなに世話になったかな、とも思うんだけど(笑)。『太鼓の達人』に『となりのトトロ』の曲を収録してからまた付き合うようになった」と、鵜之澤氏との関係を振り返った。
さらに「ジブリの中に土地と家を買ったヤツがいて、稼がなきゃならんから、鵜之澤さんとドッキングした(笑)」と、今回のプロジェクトの経緯をざっくばらんに語った。
鵜之澤氏も「敏夫さんとは、エモーションレーベル(編注:鵜之澤氏が在籍した旧バンダイビジュアルのビデオレーベル)と徳間書店(編注:鈴木敏夫氏がジブリ以前に在籍)からの付き合い。ピピン(編注:ピピンアットマーク。バンダイ・デジタル・エンタテイメントがアップルコンピュータと共同開発したマルチメディア機)をやったときにも来てくれた」と、旧交を振り返った。
鈴木氏もこれを受けて「そう、ピピンをタダでもらっちゃたのがどっかにあって(笑)」と、今回のプロジェクトを引き受けた理由を冗談で返した。鵜之澤氏も「ジブリといえば、ゲームが大嫌い(笑)」と、仲が良いからこそ言えるコメントを鈴木プロデューサーにぶつけてみせるなど、ふたりの関係が伺えるやりとりに。
壇上では、その後も鈴木敏夫氏と鵜之澤伸氏のオープンなトークが展開。司会者も困り果てるほどの自由な展開を見せた。
▲ざっくばらんな中にも和気あいあいのふたり。
そして壇上では、15周年を記念してスタジオジブリで制作されたショートアニメーションが実際に上映された。このアニメは、7月9日発売のPS Vita用『太鼓の達人 Vバージョン』に収録されるほか、アーケードやスマートフォンアプリへの収録も決定。『太鼓の達人』シリーズ公式サイトではすでに視聴でき、テレビCMでも公開される予定だ。
ドンだーページ 太鼓の達人シリーズ公式サイト
http://taiko-ch.net/
▲15周年キービジュアルの書き文字は、鈴木敏夫氏の直筆によるもの。
ショートアニメを監督したのは、スタジオジブリの近藤勝也氏。『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』の作画監督を務めるほか、『崖の上のポニョ』では主題歌の作詞も担当。その他にも『天空の城ラピュタ』から『風立ちぬ』まで参加し、ジブリ作品には欠かせないキーパーソンが直接手がけたことになる。
鈴木プロデューサーいわく「彼はすごく上手。別の会社の仕事でも筆アニメをやってとりつかれたようで、またやってみたいというので、ちょうどよかった」と、今回のショートアニメが筆書きタッチになった理由を語った。
鈴木氏は「まさかこんなにたくさんの記者がいるとは思わなかった(笑)。15年やったら、20年、30年と頑張って欲しい」と、『太鼓の達人』シリーズへのエールで出番を締めた。
▲ふたりのサービス精神旺盛なトークは、台本もそっちのけで大展開。
嵐が去った壇上では、「お祭り その2」として、シリーズ初の世界大会「ドンだー!世界一決定戦2016」&小学生以下限定大会の開催を発表。世界大会は2016年春から予選を開始、夏に決勝大会を行ない、『太鼓の達人』世界ナンバーワンを決めることになる。アジアでも広く受け入れられている『太鼓の達人』ならではの大会だ。
小学生限定大会は国内でも初の開催となり、こちらの優勝者も世界大会への切符を用意するという。
また、世界大会の課題曲は、一般から公募すると発表。プレイヤーだけでなく、作曲者も世界へ紹介されることになる。その他、15周年を盛り上げてくれるパートナー企業も募集中とのことだ。
中舘プロデューサーは「国民的音楽ゲームから、世界的音楽ゲームへ。日本の楽曲を紹介していく役割もしたい」と語った。
最後の発表となる「お祭り その3」は、15周年記念のタイアップアーティストとして、EXILEのMAKIDAI氏と関口メンディー氏の就任発表。会場ではふたりからのメッセージビデオが流され、MAKIDAI氏は「もちろんプレイしている」、メンディー氏は「どんちゃんが可愛い」と、それぞれに『太鼓の達人』への思い入れも紹介。
タイアップアーティストのふたりは、今後、テレビCMをはじめ、さまざまなコラボレーション企画に参加していく予定。
▲EXILEのMAKIDAI氏。最近は、パフォーマー卒業とDJ活動への展開などで話題に。
▲関口メンディー氏は、GENERATIONS from EXILE TRIBEでも活動中。
アーケード、家庭用、スマートフォンゲームと、ハードの垣根を超えて展開する『太鼓の達人』15周年企画は、発表会でも分かるように、盛りだくさんの内容になりそうだ。
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