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秦佐和子の「ゲームがなくちゃはじまらないっ!」【第9回】『囚われのパルマ』とてもいいな、と私が思ったところはメッセージの返事を選ぶときに、いわゆる「正解」がない所です

 皆さんこんにちは、声優の秦佐和子です。
 少し前まではまだまだ暑い日が続くなと思っていたものですが、9月も中ごろになって急に肌寒い日が増えてきたように思います。
 さすがに半袖一枚で出かけたりはしませんが、長袖一枚なら大丈夫かななんて思って出かけて、帰り道には両肘を抱えて帰ることもしばしば。秋の花粉も飛び始めたりして、季節の変わり目は体調を崩さないように気を付けないといけませんね。

 さて先日、年に一度のゲームの祭典、東京ゲームショウ2016が開催されました。
 最初の1年は友人と参加者として、その後の2年はありがたいことにお仕事で参加させていただいております。
 なかなか移動の都合もあってゆっくり見て回るということはできないのですが、年々人が増えて盛り上がっていっている気がします。見たいブースが多すぎて、うろうろうろとしては迷ってここは今どこ、となりがちなので事前のリサーチが本当に大事だなあと毎年思います。
 皆さんは東京ゲームショウに参加されましたでしょうか。何か気になる出展はありましたか?

 思えば毎年目新しい発表がどんどんされていて、技術の発達というか十何年前には考えられなかったようなことが、できるようになりVRやARはそれに近しいものがありますが、本当にゲームの世界に入ることができる日もそう遠くはないのかもしれません。
 そんな発展を目の当たりにできる時代に生まれたこと、享受できていること奇跡のようなことです。
 なので、ぜひ来月の発売日までになんとしてでも予約戦争に勝利し、PSVRの予約をしたいところです。

◆とてもいいな、と私が思ったところはメッセージの返事を選ぶときに、いわゆる「正解」がない所です

 さて、今回はこれまでと少し毛色の違うアプリをご紹介させていただきたいと思います。メーカーはCAPCOM様。CAPCOM様のアプリとしても少し珍しいタイプのアプリかもしれません。

 タイトルは『囚われのパルマ』。
 リリースと同時にかなりそのゲーム性と合わせて話題となったので、もうプレイしたという方も多いかもしれません。
 私はこういう、いわゆる乙女ゲーム的なアプリは殆どプレイしたことがなかったので、最初はどうかなと思ったのですが、面白いよという評判と周りの勧めでインストールしてみたのです。
 見目麗しい青年を秘密裏に監視できるという怪しげなイメージがかなり広まっているような気もしますが、ゲームを始めてみると世界観がとても美しく、設定などもよく作りこまれていて、まだすべては明かされず謎は多いのですが、とても引き込まれる作りになっています。

 なにやら私は突然、とある収容施設に連れてこられて、件の青年『ハルト』くんの相談者になるように言われます。看守さんがいますが、犯罪者の収容施設ではない様子。ここでさっそくハルトくんと対面するのですが、ハルトくんはまったく心を開いてくれません

 コミュ障な私は相手に拒否感を出されると、只でさえ希薄な「人とコミュニケーションを積極的に取ろうという意思」がいっそう萎え、正直この時点では私のハルトくんへの好感度は非常に低かったです。
 こういう相手と親密になっていくことを目的とするゲームにおいて、プレイヤーもキャラクターも相手と仲良くなりたいと思わないというのはもうどうしようもない、それ以上の発展が全く望めない状況ではあるのですが、何をすればいいのかわからない私はとりあえず、

>>ハルトくんを監視するしかないのです<<

 面会前にSABOTというスマホを受け取るのですが、それを開くと可愛らしいサボテンのキャラクター「サボちゃん」が、非常にポップなテンションで「監視」を勧めてきます。

 こっそりね! なんて言っています。

 なんて背徳的な行為なのでしょうか。
 ハムスターやインコをケージに飼ってその様子を見ているのとは違います。
 相手は人間で、こちらが見ていることも気づかず歯を磨いたり、顔を洗ったり本を読んだりぼんやりと過ごしているのです。相手はゲームの中の人間とはいえ、なんとなく、申し訳ないような居た堪れないような気持ちになります。

 しかしこうして監視をしてハルトくんの様子を見ることで、「話題」というものを手に入れることができるので、仕方がないことなのです。
 この「話題」を通して、ハルトくんとコミュニケーションをはかり、お互いを理解し距離を縮めていかなければならない、致し方のない行為なのです。

 さて、この「話題」の使い方ですが、先ほどのSABOTでメッセージを送ることができるのです。

 するとそっけなくはありますが、ハルトくんから返事が!
 ちなみに、メッセージを送ったあと、監視でこのメッセージを確認している仕草も見ることができるので、「忙しくて見れていなかった」「スマホの電池が切れていた」などという未読、既読スルーはできないのです。怖い

 そして、『囚われのパルマ』のとてもいいな、と私が思ったところはこういったメッセージの返事を選ぶときに、いわゆる「正解」がない所です。

 恋愛ゲームだと、選択肢によって好感度の上昇率が変わったり、ルートが変わったりなんてことがあるので、必ずしも自分だったらこう返すだろうなという選択肢を選べないこともしばしばです。
 しかし『囚われのパルマ』は、どれを選んだとしても、それによってストーリーが分岐することはないので、自分の思うまま素直な気持ちで返事を送ることができるので、そのゲームの主人公としてプレイしているのではなく、私自身がハルトくんと向き合っているかのような没入感があります。

 ハルトくんもそっけなくはありますが、真摯に返事を返してくれるので、こういったあまり親しくない相手にメッセージを送ったりするのが苦手な私でも、送りやすくついついハルトくんの返事を楽しみに待ってしまいます。
 何よりも、現実の人間と違って、深夜3時に送っても(ゲーム内時間ではなく、リアルの時間です)迷惑にならないというのは、寂しく寝付けない夜には有り難いですね!

 1回送るとなくなってしまう「話題」もあるのですが、何気ない話題は何度でも送ることができますし、送る回数に1日の制限があるわけではないので、長々とハルトくんに付き合ってもらうことも。

 一体私は何を目的に『囚われのパルマ』をプレイしているのかわからなくなってきましたが、監視とメッセージだけではない素敵なシステムがまだまだあるので、そちらもまた次回ご紹介させていただければと思います。

 最後までお付き合いありがとうございました。
 また次回もよろしくお願いします。
 秦佐和子

?CAPCOM CO., LTD. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.

この記事を書いた人

秦佐和子
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