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【Chinajoy2015】開発中のタイトルから注目作、そして最新ハードまで! B2Cエリアをチェック③

  チャイナジョイ2015の特徴の一つが「スマホゲームの躍進」だ。これまでPCオンラインゲームがメインで目立ったなかったスマホゲームが、今年は多くのブースで存在感をアピール。中には開発中のタイトルや専用ハードの展示もみられた。めぼしいタイトルを紹介しよう。

  ◆「NARUTO 火之意志 格斗重燃」(テンセントゲームス)

  中国最大手パブリッシャーのテンセントゲームスは現在、バンダイナムコエンターテインメントとPC版・モバイル版の2つの「NARUTO-ナルト-」ゲームを開発中だ。ブースでは双方の開発バージョンが試遊できたので、概要を紹介しよう。いずれも中国だけでなく、日本でも配信・展開が期待される内容だった。

チャイナジョイ2015

  ゲームは横スクロールのアクションゲームで、筆者は春野サクラを試遊できた。5つのチャプターが選択でき、いずれも雑魚キャラクターを蹴散らしながら進んでいき、ボスキャラクターと対決するというもの。操作系は上下左右の移動と、通常攻撃に加えて巨大化など3種類の特殊攻撃が可能。通常攻撃と特殊攻撃がつながりやすく、雑魚キャラクターに対して何十発もコンボが決められるのが快感だった。画面が少しかくつく感じもあったが、最適化が進めばかなり期待できそうだ。

  PC版は2013年のチャイナジョイでも出展されていたもので、ブラウザ上で遊べるMMORPGだ。2年前はまだα版といった感じだったが、今回はグラフィックが美麗に描き込まれ、完成度がさらに高まっていた。マップ上をポイントクリックで移動でき、段差もジャンプ可能だ。戦闘はシンボルエンカウントによるターン制バトルで、オートでコマンド選択を進めることもできる。リリース予定は未定だが、着実な進捗が確認できた。

  ◆南瓜先生大冒険(CUTTON GAME)

  中国スマホゲームは日本と同じくFP2ゲームが大半だが、そんな中でひときわ目に付いたのが「南瓜先生大冒険」だ。ポイント&クリック型アドベンチャーで、さまざまな謎や仕掛けを解きながらストーリーを進めていく。開発は地元のインディで、PS4のダウンロードソフトとしてローンチでも発売されている実力派。このたび公式サイトでの配信に先駆けて会場で試遊できた。

  ゲームは画面の怪しそうな場所をタッチし、部屋を移動したり、アイテムを入手して活用したり、パズルを解いたりしながら進めていく。床のナイフを拾って、壁のポスターを削ると下から手がかりとおぼしきメモがみつかるので、そのメモにそってテレビのチャンネルをセットすると、テレビがついてさらなる手がかりが見つかる・・・などだ。独特のグラフィックセンスが醸し出す世界観がユニークで、つい先に進めたくなってしまう。

  本作を配信している乐逗游戏(iDREAMSKY)はブースで20本のスマホゲームを出展しており、会場でもっともスマホゲームに力を入れている企業の一つだった。全世界で大ヒットした『モニュメントバレー』もあり、驚かされたほどだ。オンラインゲームだけでなく、こうしたインディゲームの配信も行われている点に、中国スマホゲームの成熟ぶりが感じられた。

  ◆Snail Mobile W3D Gaming Phone(Snail Mobile)

  中国大手パブリッシャーのSnail Gameからモバイル部門が分離して作られたSnail Mobile。同社はソフトウェアだけでなく、ハードウェア事業も展開しており、すでにゲーミングPCの「OBox」を発売している。そんな同社がCES2015で発表し、9月29日に発売を予定している最新ハードが、ゲーム用Android端末の「W3D」だ。ブースで実機を触ることができた。

  全体のフォルムはPS Vitaに似ているが、それよりも薄く軽量化されており、質感もなかなかいい。操作系は左右に1基ずつアナログスティックがあり、左側に8方向のデジタルパッド。右側に4個の物理ボタンだ。アナログスティックはXboxコントローラのように左右で非対称に配置されており、持ちやすく感じた。上側にはLRボタンが左右に2つずつ配置されているが、こちらはボタンが小さくて間違いやすい。このほか下部には3.5インチのマイクロフォン端子がある。カメラはフロントとリアに一つずつ装備されている。

  最大の特徴は立体視表示に対応していることで、画面も5.5インチのフルHD(1920×1080)となっており、非常に見やすい。CPUはMediaTek社製のMT6595 8-Core CPU at 2.0GHzで、連続プレイ時間は6時間程度。メモリは2GB、内蔵ストレージは16GBで、マイクロSDカードをさせば64GBまで拡張できる。ネットワークはCDMAとGSM対応でSIMを2枚装着でき、Wi-fiとBluetoothにも対応している。

  現在出荷に向けてAmazonなどで予約を受付中だ。日本における本機種の需要は小さいと思われるが、中国でのスマホゲームの盛り上がりを感じてもらえれば幸いだ。

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