◆9月下旬の『Ingress』ニュース
★日本ゲーム大賞にてゲームデザイナーズ大賞をIngressが受賞
9月17日より開催された東京ゲームショウ2015のタイミングで発表される「日本ゲーム大賞」で、『Ingress』が「ゲームデザイナーズ大賞」を受賞しました。審査委員長のコメントに「厳密にサービスインの時期を踏まえると選考対象外になります」とありますが、昨年のDarsana以降に国内では爆発的にプレイ人口が増えたことは間違いなく、納得の受賞です。
★『Ingress』と同じAPIを使用した「Pokemon GO」発表
『Ingress』の開発元であるNiantic,Inc.が任天堂、株式会社ポケモンと協業し、スマホアプリ『Pokemon GO』のリリースを発表しました。
ベースは『Ingress』とほぼ同じのようです。システムの大部分もNianticが担当するようです。なのでお父さんは『Ingress』、お子さんは『Pokemon GO』といったシチュエーションが生まれるかもしれません。
★NianticのJoe Philleyが亡くなる
世界中のIngressファンアートを愛して集めていたSWAGおじさんことJoe Philley氏が亡くなりました。8月下旬に有志一同で日本のResistanceグッズを送り、その写真がJoeのGoogle+に上がって喜んでいた矢先の、突然の訃報でした。
彼は正確にはNianticの社員ではなく、オブザーバーのような立場だったそうですが、彼の『Ingress』愛はそのPostを見れば一目瞭然です。
https://plus.google.com/+JoePhilley/posts
9/20に行われた追悼式の様子
https://plus.google.com/events/cnbgin7vjhkka9mmcpdr6ce5tlo
日本のエージェントが主催となって世界中のエージェントが自己紹介カードを使ったアートワークが作られました。
https://plus.google.com/+TetsuyaAoyama/posts/eMkPax4aQmx
ご遺族の手で印刷されたそうです。
ご冥福をお祈りします。
◆各種作戦はどうやって実行される?(1)
毎週毎週様々なイベント、作戦が実施されて『Ingress』界を賑わせています。
公式イベントは、Google+などを通じてイベントページが立ち上がります。過去のXMアノマリーであるShoninやPersepolis、MISSION DAYなどはGoogle+のイベントページから申し込みボタンを押すことで、イベントへの参加が成立します。
これに対してエージェントが独自に企画して行われる巨大CFや多重CF、スーパーノヴァやクロスファクションアートといった作戦はどうやって行なわれているのか。このあたりを紹介していきます。
★きっかけの大半は雑談から
各種作戦の多数はハングアウトやGoogle+などのコミュニティ内で「誰かがこういうことをやってみたい」と発言したことがきっかけになります。たとえば、
・大きめのコントロールフィールド(CF)を組みたいな。
・誰々の誕生日だから花火(スーパーノヴァ)打ち上げようぜ
といったちょっとしたことです。
ここから「やってみる?」という声を上げる人がでて、ある程度動き出します。
22日夜に行われた東京・日比谷公園での大規模フラッシュファーム。公園内のポータルすべてをレベル8ポータルにしてみるという、やってみたらおもしろそうだからとりあえずみんなでやってみようよ、という流れがこうしたことを可能にします。
▲荒川沿いがかなりクリアになっていたので狙って作ったタケノコ型多重CF。現地4名、パソコンのIntel Map担当者が1名。計5名ではじめた突発作戦で、そこそこ大きなCFを完成させました。
タイミングよくできることならそのまま実行へ移りますが、ちょっと人数が必要そうな作戦になると、別途専用のハングアウトやコミュニティを用意して人を集めることになります。どうしても秘密裏に行なうことになるので、身近なエージェントを通じての声がけが主になります。……なので、各地のコミュニティには積極的に参加した方が色々なことを体験できるチャンスになります。
★まずは作戦概要をまとめる
巨大CFであってもスーパーノヴァであっても、まずはIntel Mapで場所の検討をします。地元で実施するにしても、基点をどこにするのか、どれくらいのポータルキーが必要なのかなどを確認します。それを元に誰が何を準備するのかという話が進んでいきます。
▲スーパーノヴァの設計は基点を選んでどこまで伸ばしていくか、それによってどれだけのポータルキーが必要で、リンクを切るには何処のポータルをどうしないといけないのかを確認していきます。
場所の検討がおわったら、次に考えるのは実施時間です。だいたいの作戦が休日前の深夜から休日の早朝に行われます。これにはいくつかの理由があります。
・深夜早朝はエージェントの活動が少なく、相手陣営だけでは、同じ陣営の他のエージェントの活動による計画への妨害の可能性が低くなる。
・サーバー側の処理が比較的軽く、処理待ち時間があまり発生しない。
・一般の交通量や人出もほとんどないため、予定時間が読みやすい。
・休みの日の家族サービスに影響を出さない(徹夜してる時点でどうなんだ、と思いますが……)
などなど。
平日の夜などに意表をつくこともありますが、そうなると動員できる人数が限られてくるので、必然的に休日前の夜になることが多いわけです。
★情報の共有はGoogleドライブ
ハングアウトなどのチャットソフトだけでは必要なアイテムの量や集合場所、作戦の概要など共有しづらいので、『Ingress』と親和性の高いGoogleドライブを使ってドキュメントを共有します。
▲GoogleドライブとGoogleドキュメントはGmailを元に共有させやすく、またGoogleのサービスであるので特定のアプリケーションに依存しない形なので、大体の参加者がみることができます。
これらを使って足りないものや懸念事項などを洗い出し、情報を共有していきます。ひとりやふたりではなかなか集まらないもの、たとえばポータルキーならひとりでレアヒートシンク入れて、レアマルチハックを入れてがんがんポータルキーを集めても、1時間に10本もでれば万々歳ということになります。これが10人、20人といると、あっという間に集まります。突発プチノヴァなんかはこの方法でキー集めたりします。本当に大規模なときはマルチハックやヒートシンクを入れるとポータルキーを集めているのが相手陣営に悟られてしまうので、慎重に時間をかけて集めたりもします。XMPバースターや各種シールドなどはフラッシュファームを開催するなどして準備していくのです。
次回は実行段階でのさまざまな対処についてお話できればと思います。