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【レビュー】ふたつの名作がひとつになった!『Wizrogue(ウィズローグ)』はダンジョン攻略の魅力満載 !

◆『ウィザードリィ』と『ローグ』が融合!? あの恐怖、そしてワクワクが止まらない!!

 君は覚えているか。蘇生費用を稼ぐため、酒場で大量のキャラクターを作って所持金だけ剥いでいたあのころを。加齢させたくないばかりにずっと馬小屋ばかりに泊まらせて、「なんかお前たちゴメンな」と思っていたあの気持ちを。理想のボーナスポイントが出るまでひたすらキャラクターメイキングを繰り返したあの苦労を。

 そして君は覚えているか。巻物1枚ケチったばかりに生き残れたはずの戦いに敗れたときの自己嫌悪を。素振り(※)1回怠ったばかりに罠と射撃モンスターのコンボで全てが水泡に帰した喪失感を。モンスターハウスから命からがら逃げ出して、階段を下りたらやっぱりモンスターハウスだったあの絶望を!

※素振り……攻撃を空振りして自分のターンをパスすること。

 あの思い出が帰ってくる。コンピュータRPG黎明期の名作『ウィザードリィ』と、独特のシステムでヒリつく緊張感を味わわせてくれた傑作ダンジョンRPGの元祖『ローグ』。このふたつが融合した。それが『Wizrogue ~Labyrinth of Wizardry~(ウィズローグ―ラビリンスオブウィザードリー―)』(以下、『ウィズローグ』)である。嫌な予感しかしなくてワクワクが止まらない!


◆基本は『ウィザードリィ』、ダンジョン探索は『ローグ』風

『ウィズローグ』の基本的なシステムは、『ウィザードリィ』に準じている。キャラクター6人でパーティを組み、ダンジョンを少しずつ探索していくのだ。ダンジョン内での探索は『ローグ』風で、6人合わせてひとつのユニットとして動く。パーティが1ターン行動すれば、モンスターたちもそれぞれ1ターン行動する仕組みだ。

▲敵もパーティを組んで襲ってくる。その点を除けば、プレイ感覚は『ローグ』そのものだ。


 その魅力は、なんといってもダンジョン探索によって少しずつキャラクターを強化していく成長要素にある。序盤は使える魔法もアイテムも乏しく、味方の戦士たちも弱いのでかなり厳しい戦いを強いられる。だが、無理せずコツコツとレベルを上げていけば、とても攻略できないと思えたダンジョンを、驚くほどすんなり踏破できるようになる。

 序盤の辛いゲームバランスがあればこその、中盤以降の楽しさ。この感覚も、初めて『ウィザードリィ』の第1作をプレイしたときにかなり近い。

▲ダンジョンから帰還すると経験値が手に入る。無理せず稼ぐのがコツ。


◆新たに盛り込まれた『ウィズローグ』ならではのシステム

『ウィズローグ』のキャラクターは、過去作品のように種族や職業を選択して作る形ではなく、ドロップやガチャで入手する仕組みとなっている。キャラクターにはレアリティがあり、高レアリティのキャラクターほどレベル上限が高い。ダンジョン探索でも、1回につき平均して2~3個程度のキャラクタードロップがあるので、レベルアップのついでにいいキャラクターを探せる。

 また、高レアリティでも種族と職業が合っていないキャラクターは使いづらいが、転職も可能なので、頑張って育てれば気に入ったキャラクターはある程度は“使える”ようになっている。

▲ドロップアイテムが棺桶!? 驚くなかれ。持ち帰れば新たなキャラクターが手に入る。


◆『ウィザードリィ』と『ローグ』それぞれの定番を抑えた作り

 もちろん、歴史ある両作品の定番はしっかり引き継がれている。『ウィザードリィ』ファンにはおなじみのボッタクル……もとい「ボルタック商店」や、死者の蘇生にがめつく金を取る寺院など、忘れられない街の施設は健在である。

『ウィズローグ』では、死者を蘇生すると1歳加齢する。年齢が60歳を超えたキャラクターはステータスが下がり始めるので、なるべくなら加齢は避けたいところ。とはいえ、本作品の寺院はゲーム内通貨さえ払えば100%蘇生を成功させてくれるうえ、年齢を下げる要素もある。従来作に比べれば良心的だ。

▲「念じろ!」とは言われるが、100%蘇生成功するので、念じなくても大丈夫。


 また、キャラクターがロスト(死者の蘇生に失敗し続けるなどの原因で、キャラクターの存在が消滅すること。こうなると二度とそのキャラクターは戻ってこない)した場合は「WJ(ウィズジュエル)」を使用してロストを回避できる。無茶をしないかぎりロストまで追い込まれる危険はまずないが、万が一の時にはありがたい。

『ローグ』からは、「敵に囲まれる前に通路に逃げ込む」、「素振りして罠を見つける」、「聖水(従来の食料にあたる)を切らさないよう無駄な動きを避ける」など、おもにダンジョン探索面での伝統的テクニックがそのまま受け継がれている。ダンジョン内で拾ったアイテムを使うべきか否か、所持枠が満杯になったときにどのアイテムを残すか、いつものように楽しく悩ませてくれる。

▲戦闘は部屋の入り口で。基本を粛々とこなしてこそ『ローグ』!


◆アップデートで生まれ変わった『ウィズローグ』。両作品のファンは是非!

 Andoroid版のリリース当初は、辛口評価が多かった『ウィズローグ』。しかしiOS版配信に伴う大型アップデートでユーザーの不満点は軒並み解消されている。現在の『ウィズローグ』は、『ウィザードリィ』と『ローグ』どちらのファンにも新たな楽しみを提供できる作品に仕上がっている。もちろん、筆者のように両方のプレイ経験があれば、いっそう楽しめるだろう。ぜひもう一度、困難を乗り越えてダンジョンを切り拓いていくあの快感を味わってみてほしい。

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