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【Ingress情報局・TAPPLI支部】とみさわ昭仁の珍ポータル紀行・第15回 飛行機→クルマ→船を乗り継ぎ鹿児島ブックオフ巡り(後編)

 夏休みを利用しての娘とパパの鹿児島旅行、今回はその後編である。

 初日と2日目は、鹿児島の親友トモちゃん(仮名)の家で娘を預かってもらい、オヤジはひとりでブックオフ巡りと酒場巡りを堪能した。まわったブックオフは主に鹿児島の北側と、熊本の支店がひとつだけ。そこで、3日目となるこの日は、鹿児島の南側を攻めることにする。

 親友との再会を堪能した娘も、昨夜のうちに戻ってきている。今日はコブ付きでのブックオフ巡りとなる。

 パパと一緒に本屋さんへ行くと、1店につき1冊どれでも好きな本が買ってもらえるので、娘はブックオフ巡りが大好きなのだ。パパは、「108円の本じゃなくてもいいんだよ?」と言ってるのに、遠慮して108円の本しか欲しがらない奥ゆかしい娘が大好きである。

◆どこまでいってもブックオフ

 旅の前半に宿泊していたのは「ドーミーイン鹿児島」というビジネスホテルなのだが、じつはここは「ブックオフ鹿児島天文館店」のすぐ隣にある。だからなんだというわけではないが、ホテルを選んだときになんとなく引き寄せられてしまったのも事実だ。


▲この建物、元はラブホか、おもちゃ屋か……。

 さて、この日まわる予定のブックオフは全部で5軒。1日にまわる数としては少ないほうだが、それにはわけがある。この旅における「珍ポータル探し」の主目的ともいうべき場所があるからだ。ブックオフ巡り的には無駄な遠回りをすることになるが、珍ポのためならそれも仕方ない。

 鹿児島は、大雑把にいうとクワガタのハサミのような形をしている(最初、洋式トイレの便座に例えようとしたが、失礼すぎるのでやめました)。西側にあるのが薩摩半島、東側にあるのが大隈半島だ。

 天文館をレンタカーで出発した我々父娘は、「ブックオフ鹿児島荒田店」→「鹿児島唐湊店」→「鹿児島ジョイプラザ店」→「鹿児島中山バイパス店」とたどりながら、薩摩半島を南下してゆく。スケジュールが押しているので、景色や名所旧跡などには一切目もくれず、だ。親として娘の教育をいちじるしく間違っている気もするが、こんなオヤジのもとに生まれたことを呪っていただくしかない。


▲こちらは「ブックオフ鹿児島唐湊店」。これだっていい景色じゃないか!

 よく、人から「地方のブックオフにはやっぱりその土地の色があるんですか?」ときかれるが、はっきりいってそんなもんはナイ。そりゃま、グルメガイド本のコーナーには「鹿児島のうまいラーメン店100!」とかそういった本が並んでたりはするが、それを個性とは呼ばないもんね。ブックオフはどこまでいってもブックオフですよ。


▲ケイブンシャの大百科は見つけるとつい買ってしまうな。

◆ないと思っていた大好き珍麺と遭遇

 ブックオフ巡りをしているときは、食事にもあまり時間をかけられない。この日の朝食なんてコンビニでおにぎりとお茶を買って、1軒目の「ブックオフ鹿児島荒田店」が開店するの待ちながら駐車場に停めたクルマの中で食べたほどである。娘よ、旅情もへったくれもない旅ですまない!

 餃子で有名な「王将」には、本家ともいうべき「餃子の王将(京都)」と「大阪王将」があるが、じつはもうひとつ「鹿児島王将」があるのをご存知か? ぼくはそのことを事前にB級グルメ友達から教えてもらっていたので、時間があればぜひとも寄ってみたいと思っていた。しかし、残念ながらそのチャンスがなかった。


▲信号待ち中にパチリ。涙を飲んで通り過ぎる……。

 時間がないわけじゃないんだな。ブックオフの巡回ルートと、腹が減るタイミングと、飲食店のある座標がうまく一致しないとその店に行くことができないわけだ。なかなか難しいものだよ。というか、ぼくが気難しいだけだという説もあるが。


▲そして4軒目の「ブックオフ児島中山バイパス店」に到着。

 走行距離はたいしたことないが、走って、車を止めて、写真を撮って、古本を物色して、カーナビに目的地を入力して、また走って……というのを4回繰り返しているので、これはこれで疲れるもんだ。

 ここからは、次なる目的地までひた走ることになる。その前に食事をとるつもりでいて、ブックオフの隣にファミレスでもあればいいなと思っていたのだが(実際そういう例は多い)、あいにく何もなかった。

 何かないかな~と、国道217号へ向かって中山バイパスを走っていると、前方に「辛麺屋 桝元 中山バイパス店」の看板があるのを発見したっっっ!!

 なぜこんなに驚いているかというと、ここは宮崎県にある大好きなラーメン屋チェーンで、いくつか支店を出しているのは知ってたけど、なぜか鹿児島にはないと思い込んでいたのだ。それを不意に見つけてしまったから驚いているわけ。


▲「ニュータンタンメン本舗」にも似た、いわゆる川崎系の味。

 鶏がらスープ(こちらは豚骨かもしれない)にニンニクと韓国唐辛子をたっぷり。そこへ溶き玉子をドバーッと入れたのが川崎系タンタンメン。このビジュアルに娘は驚いていたけど、辛さが調節できるので中学生でも安心して食べられる。

◆この旅で本当に見たかったもの

 予想外に大好物の珍麺を食べることができて、後半戦への活力も満たされた。たいへんいい気分でクルマを走らせ、およそ1時間半ほど走って到着したのは、薩摩半島の南端にある池田湖だ。

 べつに湖を見に来たわけじゃない。ブックオフの支店があるわけでもない。

 わざわざ訪ねて来たのは……こいつのためだ!


▲イッシー、つ~かま~えた~。

 珍ポータル、珍本、珍麺ときたら、次は「珍獣」である。かつて池田湖で目撃されたといわれるイッシー見たさにここまでやってきたのだ。

 もちろん、本物がいるなんて思っちゃいない。でも、石像ぐらいあるはず。いまはGoogleマップのストリートビューで確認できるので、ちゃんとあるのは事前に知っていた。当然、記念写真を押さえておくわけだが、もうひとつ大事なミッションがある。

 そう、こいつの珍ポータルをハックすることだ。


▲やった~。「イッシーくん」ゲット~。

 この連載でも何度か書いているように、ぼくはIngressの陣取り遊びにはまったく興味がない。だから「イッシー」「クッシー」「ネッシー」で巨大なコントロールフィールドを張ろうとも思わない。ただ、スクリーンショットが撮れればそれでいい。ぼくはエージェントというより、ただのコレクターだからね。


▲湖畔を少し南下したところにはこんな像も。

 というわけで、3日目の旅もそろそろ終わりが近づいてきた。

 本当は、このあと薩摩半島の突端にある山川港からフェリーに乗り、鹿児島湾を横断して大隈半島に上陸。そこから北上して「ブックオフ鹿屋寿店」を訪ね、鹿児島県内のブックオフ全12軒を踏破してから帰京したのだが、とくに珍ポータルを見つけたわけでもないので、レポートはここまでにしておく。

 最後に、山川港でフェリーを待っているあいだに見つけた珍ポータルをご覧に入れてお別れしよう。さらば、鹿児島!


▲公衆トイレの屋根にカツオ。よく見りゃ建物も漁船。
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