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コミック【とりあえず「ゲーム部!」】#12 まずはプロト版制作

監修・原案:「ゲーム部!」実行委員会
まんが:森宮鈴
コラム:イズミサワ

「ゲーム部!」実行委員会公式Twitter: @gamebu_info

■TIPS プロト版とは?

プロトタイプ版の略。ゲーム開発において本格的な開発に入る前に、プレイした感触を確かめるための、基本的なシステムだけを実装して、とりあえず遊べるようにしたバージョンの事を指す。
プロト版で面白くないと判断されれば開発中止となってしまう事も……
プリプロ版、評価版、モックアップなどとも呼ばれる。

■ゲームプログラマが語る
「アイディアをシェイプアップ! ゲーム制作はプロトタイプから」

暖かくなったと思ったら、寒くなり……不安定な気候が続きますが、今から花見が楽しみなゲームプログラマ、イズミサワで御座います。

先週の「かねこ」達は、ブレストによるアイディア出しが大いに盛り上がっていましたね。
時として、広げすぎた風呂敷の畳み方にも注意が必要なゲーム開発ですが、楽しさ勝負のこの業界ですからね。アイディアは、多いにこした事はありません。

とは言ったものの、実際の開発において、溢れてしまったアイディア達をどのように扱っていきましょう?
アイディアいっぱい、夢いっぱい! だけれども、時間も足りない、予算も足りない!
思いついた事を次から次へと組みこんでいくのでは、とてもじゃないけれどゲームは完成しそうにありません。

そんな時、僕たちはまず、「プロトタイプ版」というゴールを決めるんです。
「かねこ」や「雄大」達のように、沢山の面白そうなアイディアを提案し合ったその後は、本当に組み込みたい内容へシェイプアップ。まずは短い時間で、ある程度機能の限定されたバージョンの完成を目指します。
アクションゲームであれば、一ステージだけ、敵キャラは三種類だけ、攻撃方法も三種類だけ、といった形で仕様をゲームの本質に限定します。「かねこ」達の音ゲーならば、短い童謡に簡単な譜面を載せ、演出は最小限、そういった内容になるかもしれませんね。

短くシンプルな内容ですが、そのゲームの持つべき本質的な面白さはきちんと追求します。
「まだまだシンプルだけれども、しっかり面白い」。
そうしたプロトタイプ版を作ることが出来れば、安心して本格的な制作に移行する事が出来るのですね。

 

【今回の登場人物】


◆かねこ:性格は明るく活発で、負けん気が強い。楽しそうな事にノリでとびつくが、飽きっぽい。それで今までもさんざん失敗をしているが、こりてない。口癖は「なにそれ、面白そう!」

◆ゆってぃ:「かねこ」の事を慕っていて、いつもついて回っている。「かねこ」の行き先には必ず「ゆってぃ」あり。どこでもいっしょ、トイレもいっしょ。口癖は「かねこちゃんがやるなら私も~」

◆ぐっちゃん:数学の成績が学年トップの美少女。彼女に憧れる男子学生は多いが、容赦なく手厳しいセリフを浴びせるため、なかなか話しかける男子はいない。口癖は「無能。」

◆かもちゃん先生:新任の先生。担当科目は現国。着任早々「ゲーム部」を立ち上げ、生徒にゲームを作らせようとするなど、かなり強引。今回もその強引さがいかんなく発揮されている。元ゲームプランナー。口癖は「マジで!?」
 
 
◆イズミサワ(コラム担当):幼少時代より幾星霜、三度の飯よりゲームが大好き、紆余曲折を廻り巡って、今ではとうとうゲーム造りが生業となっているゲームプログラマ。ゲーム制作の世界へログインしたまま早数十年、一度もログアウトした事はなし。口癖は「クォリティ高っ!」

(C)森宮鈴/「ゲーム部!」実行委員会

※この物語はフィクションなので、実在の学校・人物とは一切関係ありません。

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