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【映画プロデューサー千葉善紀の“コレやってます!”】千葉Pが選ぶ“2016年注目のゲーム”はコレだ!

映画『冷たい熱帯魚』『ヤッターマン』『片腕マシンガール』『凶悪』『極道大戦争』など、プロデューサーとして数々の話題作を手がけた鬼才・千葉善紀は、実は日本映画界有数のゲームファンだった!
家庭用ゲームを中心にプレイする千葉Pと、ゲーム雑談をしてみよう、というこのコーナー。あくまでもひとりのゲームファンとして、千葉Pが言いたい放題!
今回は千葉Pが“2016年注目のゲーム”をセレクト! 今年はこんなゲームで千葉Pと会えるかも!?

千葉善紀
 日活株式会社 プロデューサー

(敬称略)

◆2016年の一発目は『ジャストコーズ3』!

――今日は、今年、千葉さんが注目している新タイトルを挙げてみよう!ということで、注目作特集です!

千葉 今年もいろんなゲームが出る中で、僕の注目作を並べてみたいなと。で、実際にそれがどうだったのか、一年に渡って検証するのを一度やってみたいと思います(笑)。

――発売前のゲームにもアンテナを立ててるんですね。

千葉 ゲームには命かけてますから! 映画よりも外せない(笑)。

――命かけるところが違いますよ(笑)。

千葉 年のアタマに、どんなゲームを買おうかな、と考えるのが楽しみなんですよ。ネットでも、アメリカ人が注目するモストなんとかゲーム、みたいなのをチェックしてますからね。
 で、さっそく一本目なんですけど、まずは『ジャストコーズ3』(PS4/Xbox One/PC用、スクウェア・エニックス)です。

――おお、冒険アクションゲーム、“ジャスコ”こと『ジャストコーズ』シリーズの最新作ですね。

千葉 実は前作まではやってないんですけど(笑)、今回のは非常に面白そうだなと思って。ヒーローがウイングスーツでムササビみたいにビュンビュン飛んだり、空中でロケット撃ったりと、オモシロ要素がかなりありそうなんです。サイトで見られる予告編も、なかなかいいんですよ。

――公式サイトにトレーラーがありますね。発売日は1月21日(木)です。

千葉 スーパーカーにもバイクにも乗れるし、キャラも立ってて、良さそうなんですよね。ストーリーを追いかけながらそのままアクションを味わえる、映画的なアプローチのゲームかと思います。こういう派手な破壊は、ゲームだから体感できるんですよ。
 制作はアバランチスタジオ、ゲーム版『MAD MAX』(PS4用ほか、ワーナー・エンターテインメント・ジャパン)の会社です。

――トレーラーの感じは、ほとんど『エクスペンダブルズ』(2010年の映画)ですね(笑)。

千葉 この感じ、バカでしょ(笑)。アメコミのスーパーヒーローがやってたら「ふーん」って感じでしょうけど、生身の人間がウイングスーツで空飛んでトラックに着地しちゃうんだから、バカさ加減がいかにも最高だなと。こういう洋ゲーの突き抜けかたが好きなんですよね。

――確かに、千葉さんの映画にも通じる突き抜け感がありますね。『TOKYO TRIBE』(2014年の映画)とか『極道大戦争』(2015年の映画)に近いものがあります。

千葉 『ジャストコーズ3』だと、ヘリコプターに逆さに吊り下がって撃てたりするわけですからね。で、これを実写にしようとか言い出すヤツが出てくるところまでが予想できていいですね(笑)。

――ウーヴェ・ボル監督(編注:ゲームの映画化を数多く手掛けるも、評価がついてこないことで有名な映画監督)みたいな人が(笑)。

千葉 だから実写ではやめたほうがいい(笑)。それかバカ安のアホ映画にしちゃうかですね。もう、トレーラーを見てるとホントにスゴいので、だいぶ楽しみです。1月~2月はこれで楽しめそうですね。

 

◆死にゲーの大本命『DARK SOULS III』

千葉 これの次、春くらいに出る中で期待しているのが、『DARK SOULS III(ダークソウル III)』(PS4/Xbox One/PC用、フロム・ソフトウェア)です。『Bloodborne(ブラッドボーン)』(PS4用、SCE)を作ったフロム・ソフトウェアの本命ですね。僕は『DARK SOULS II(ダークソウル II)』(PS3/Xbox 360/PC用、フロム・ソフトウェア)はやってなくて、いきなり『ブラッドボーン』から入ったので、こっちのシリーズとしては初めてになります。

――一応『ブラッドボーン』は、『ダークソウル』シリーズではない、外伝的な作品ですね。とはいえ、激ムズアクションのテイストはまさに直系です。

千葉 この“死にゲー”はホントにとっつきづらいので(笑)、いったん慣れているかどうかで相当違いそうではありますね。だから『ブラッドボーン』で入ってちょうど良かったのかも。『ダークソウルII』から入ってたら、すぐにやめてたかもしれないですね。

――やっぱり『ブラッドボーン』に比べると、『ダークソウル』のほうが非常にシブいですからね。

千葉 公式サイトにあるトレーラーを見ても、プレイヤーがメチャクチャにされてて、これどうなってんの?って感じですよ(笑)。すげーなー。

――動画でも、死ねと言わんばかりの攻撃がガンガン襲ってきますね(笑)。

千葉 この辺りは、やっぱり『ブラッドボーン』と同じ感じですね。これで“死にゲー”信者は、また眠れない夜が来るんですよ、僕も含めて(笑)。厳しすぎて、見てるだけで涙が出そうです。ひとりでクリアできる気がしない(笑)。

――千葉さん、トレーラー動画を食い入るように見てて、完全に信者の目です(笑)。

千葉 相変わらず世界観の作り込みがハンパないですね。これが3月24日(木)に発売。春はやっぱりコレ。楽しみですねぇ。

 

◆「PS4持ってるのに『アンチャーテッド』買わないの?」

千葉 春にはもうひとつ楽しみがあって、ずっと待っている『アンチャーテッド』の新作が遂に出るんです。

――『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』(PS4用、SCE)ですね。

千葉 これはもう、PS4を持っているなら、全員が買うべき。これを買わないのになぜPS4持ってるの?ってくらいのゲームですよ。

――『アンチャーテッド』シリーズは、もはや「シネマ的ゲーム」の代名詞ですからね。

千葉 僕はずーっとXbox派だったので、なかなか出会えてなかったんですけど(笑)。『ゴッド・オブ・ウォー』(PS2用、SCE)をやるためにPS3を買って、その後で『アンチャーテッド』をプレイしたんです。で、まあビックリしました。動きの滑らかさ、壁を伝っていく動き、ムービーからゲームに入るシームレスな感じ、すべて最高峰ですよ。

――人間の動きについては、非の打ち所がないくらいですね。

千葉 主人公のネイサンは前作で引退したんですけど、もう一度呼び戻されて、今回が最終章、というストーリーだったと思います。
 確か発売日が延びちゃったんですけど、まったく問題ない、これを完璧に作ってくれるなら全然ガマンします(笑)。こんなの作ってたら延びますよ(笑)。

――今回は、マルチプレイも充実していると喧伝していますね。

千葉 どういうマルチになっているのか、そこも楽しみです。同じ会社が作った『The Last of US』(PS3/PS4用、SCE)も、僕はずっとひとりでプレイしてたので、マルチをやってないんですよ。

――開発会社のノーティドッグは、『アンチャーテッド』で世界的に名前を売って、『The Last of US』で最高峰に達したと言われていますね。

千葉 探検している感じ、映画のストーリーをゲームで体験していく感じは、『アンチャーテッド』が最高峰です。その新作が出るんだから、もう、たまりまへん(笑)。

――現時点での、PS4のゲームにおける答えを見せてくれそうな感じすらありますね。

千葉 PS4は、最初は正直言って微妙なゲームしかなかったんだけど、開発が追いついてきて、今年、ついに本物が出てくる感じがします。去年あたりまでは「PS3でもできます」というのが多かったけど、そろそろフルスイングで行くよと。だから、とことんやって『アンチャーテッド』の発売が延びてもいいです! そういう本気の作業をしてくれていると思うだけで身震いしますよ。

――プレイする方も、本気でやりたいところですね。

千葉 そりゃもう、本気でやります(笑)。春あたりまでは、この辺りをプレイしていればお腹いっぱいです。浮気のしようもない。

 

◆FPSの歴史的名作『DOOM』復活!

千葉 そんなことを言いつつも、他にも注目しているゲームがあって。アメリカ人が楽しみにしているゲームとしてよく名前が挙がる『DOOM』(PS4/Xbox One/PC用、ベセスダ・ソフトワークス)なんですよ。

――あの『DOOM』ですか! FPSの歴史的名作。

千葉 FPSの始祖とも言える『DOOM』(1993年発売、PC用、id Software)が、新しく出るんですよ! 『DOOM』もアメリカではものすごく有名で、映画にもなったゲームなんです。ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)が主演だったんだけど、全く話題にならなかったヤツ(笑)。この『DOOM』も、僕は前作をやってなくて。

――前作となると、かなり前(『Doom 3』2004年発売、PS3/Xbox 360/PC用ほか、サイバーフロント)ですね。

千葉 これも全部を新しくして、リブートする形での新作発売ですね。

――今回の制作元はベセスダ・ソフトワークスで、『Fallout』シリーズをはじめ、古いIPタイトルでも本気で作り直す人たちなんですよね。

千葉 本気でイマドキらしく作り直している感じなので、楽しみです。公式サイトを見ても、いきなりバリバリの血だらけ(笑)。相手はエイリアンなんで何やってもいいんです! でも日本版で血を緑色にするのだけはやめてください!

――『ダイイングライト』(PS4/Xbox One用、ワーナー・エンターテインメント・ジャパン)日本版の初期バージョンの話じゃないですか(笑)。編注:『ダイイングライト』については過去の回を参照

千葉 元Xbox 360派の僕としては、新しい『DOOM』を見るとどうしても『ギアーズ・オブ・ウォー』(Xbox 360/PC用、マイクロソフト)を思い出しますね。アサルトライフルにチェーンソーがついてて、モンスターを「ギューン」と切り刻みまくってました(笑)。PS4ではそのテのゲームがないのが不満だなーと思ってたところに、ようやく出ました、しかも『DOOM』復活ですよ。これは相当バカなはずなんで、非常に楽しみです。
 昔、『デューク ニューケム フォーエバー』(PS3/Xbox 360用、テイクツー・インタラクティブ・ジャパン)という、日本ではほとんど売れてないゲームがあったんですけど、あれも相当バカで好きだったんですよ(笑)。

――バカなほうのFPSにおける金字塔ですね(笑)。

千葉 よくこんなのリリースしたな、ってくらいバカなゲームでした(笑)。洋ゲーには確実に「バカゲー」と呼ばれる、紙一重だけど愛おしいゲームたちがいて、今回の『DOOM』もそういう雰囲気がありますね(笑)。ひと昔前なら日本版出ない可能性も高かったですけど、今回はちゃんと出るようです。でもこれは輸入盤でフルスイングするゲームかなぁ……。

――『DOOM』も、千葉さんの映画に通じるところがあるゲームですね(笑)。いまのところ、2016年春発売予定です。

 

◆“勧められたゲームは全部やる”宣言!

千葉 あとは、『DEAD ISLAND』の新作とか、『Left 4 Dead』の新作が出るというウワサもちょっと聞きましたけど、ゾンビと聞くととりあえず全部やりたくなりますね(笑)。何しろ『ウォーキング・デッド』のアクションゲーム(『The Walking Dead: Survival Instinct』PS3/PC用、Activision Blizzard、日本未発売)まで輸入してやってましたから。ペラッペラに薄いゲームだったけど(笑)。

――『Zombie Army Trilogy』(PS4/Xbox One/PC用、Sold Out、日本未発売)まで輸入してますしね(笑)。(編注:『Zombie Army Trilogy』については過去の回を参照)

千葉 という感じで、今年の前半はこんなところですね。

――これだけあったら、普通の人は一年以上遊べますよ(笑)。

千葉 次から次へと新しいのをやりたくなっちゃう、これはもう病気ですね。常に腱鞘炎との戦いです(笑)。
 もちろんノーマークのゲームに突然出会ったりもしますから、それも楽しみです。

――千葉さんの去年のベストゲーム『Bloodborne』だって、12月に入って初めてやってみたゲームですしね(笑)。

千葉 それと、僕は今年、人に勧められたゲームは全部やってみよう、という目標を立てたので、友人の小口さんに勧められた『実況パワフルプロ野球2016』(PS4/PS3/Vita用、KONAMI)をやることになっています(笑)。食わず嫌いはダメですからね。

――ここまでの話とあまりにもテイストが違いますけど、千葉さん、野球好きなんですか?

千葉 実は日本ハムファンなんですよ。それが『パワプロ』にどう影響するのかは、全然分かりません(笑)。ゲーム内でキャバクラ嬢と結婚できると聞いているので、楽しみにしてます(笑)。
 なので、春はもう大変ですよ。『アンチャーテッド』から『DOOM』、しまいには『パワプロ』までやり始めたら、とめどないですね(笑)。

――その辺の中学生よりゲームやってますよ(笑)。

千葉 そんなに仕事もヒマじゃないんですけど(笑)。一体どうするんだろう(笑)。

『ライチ☆光クラブ』
絶賛公開中
http://litchi-movie.com/

(c)2016「ライチ☆光クラブ」製作委員会

(2016年1月収録)

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