名作MMORPGのモバイル化が加速する韓国。重い課金システムにユーザーが公式コミュニティで反発。
11月28日に韓国でリリースされたNetmarbleの『TERA M(테라M)』が、リリース以来、韓国のGoogle PlayやAppStoreのダウンロードランキング1位を獲得。売上ランキングでも、Google Playで2位、AppStoreで1位と最高のスタートを切っている(2017年11月30日現在)。
『TERA M』は、2011年にリリースされたPC版『TERA』のスマートフォン版。
PC版は2011年にリリースされたMMORPGで、当時斬新だったノンターゲッティングシステムをウリにしたアクション性が戦闘が魅力。全世界で2500万人がプレイし、現在でもサービス継続中の人気タイトルだ。そのPC版『TERA』をスマートフォンに最適化したのが『TERA M』というわけだ。
『TERA M』の制作が発表されると、『TERA』に魅了されていたユーザーたちは歓喜の声をあげ、リリース日を待ち望んできた。そして11月28日にいよいよリリース日を迎え、韓国のユーザーはこぞってダウンロードをはじめ、リリース日からランキング1位を獲得する快挙を成し遂げたのだ。
だが今、この『TERA M』が韓国で物議を醸しだしているという。
キャラクターの装備を獲得するために宝箱を購入して開ける、いわゆる“ガチャ”がきついというのだ。
『TERA M』の装備はグレードが一般、レア、超レア、ヒーロー、伝説、神化と6グレードに分かれていて、上位グレードは“真”がつくアイテムとついてないものに分かれる。
『TERA M』のガチャで獲得できるアイテムの確率は、公式サイトで公開されているので確認してみると、現在ガチャで獲得できる最高レアリティ「真伝説」級のアイテムが出る確率は0.25%(400分の1)で出現する。これだけでもかなり低いと思うが、真伝説級のアイテムすべてが当たりなわけではない。キャラクターの職業によって欲しいものは異なるだろう……。ピンポイントで欲しいと思うアイテムもあるはずだ。
ピンポイントで「真伝説」から欲しいアイテムを引きたいと仮定すると、その確率は0.013%(10万分の13)にまで下がる。こうなると引ける気がしない。
ガチャを引くために必要なブルージェムは、300ブルージェムを3300ウォン(約340円)で購入可能だ。10連ガチャ(11連になる)を引こうと思ったら3000ブルージェム(33000ウォン、約3400円)が必要となる。一応ゲーム内でもクエストをこなすことでブルージェムを入手できるが、まだクエスト整備が足りないのか、1日100ブルージェム稼ぐのもつらい状態だという。これで0.013%の穴を狙うのかと考えるとぞっとしてしまうのも無理はない。
また、課金を続けると会員ランクが上がっていきVIP会員になるとガチャの報酬がランクアップする「VIPシステム」にも新規ユーザーを遠ざけると批判の声が聞こえている。
最高グレードの装備を持っていなくても、ゲームをプレイしつづけることで徐々に装備のグレードを上げることはできるようだ。Netmarbleの副社長は「『TERA M』は無課金でも楽しめるゲームだ」と声明を出していたようだが、実際にプレイをしてみたユーザーは不可能に近いと結論を出しているという(参考:韓国Naverニュース※韓国語)。そして、すでに『TERA M』に見切りをつけて去るユーザーもみられる。
PC版は日本でも人気があったため、2018年に『TERA M』の日本サービス開始も決定している。配信国が変われば、課金バランスなどにも調整は入ると思うが、このままの状態で日本に来ても同様の批判を受けるのはみえるだけに、今から楽しんでプレイするための対応を期待したい。
『TERA M』に関しては、また進展があったらお伝えしよう。