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吉本興業、eスポーツ事業に本格参戦。賞金総額25億超のeスポーツ大会で世界一を目指す。

よしもとキャッチ

プロゲーミングチーム運営、ゲーム実況配信、イベント開催、3つの柱で展開。エンターテインメント界の雄がeスポーツを加速させる。

吉本興行株式会社は、3月7日に渋谷よしもと∞オールにて「eスポーツ事業概要発表記者会見」を開催。プロゲーマーチーム「よしもとゲーミング」を発足させ、eスポーツ事業への本格参戦を宣言。吉本興行が持つ、タレントマネジメントをはじめ、エンタテイメントに関わる企画・制作・流通・育成・PRなど、国内外で展開する事業プラットフォームを、eスポーツにおける様々な事業領域に活用することで、eスポーツにおけるビジネスエコシステムを構築し、日本のエンターテインメント界における新たな産業創出に寄与したいとした。

今回の記者会見で発表された「よしもとゲーミング」の活動は、世界一の高額賞金が出ることで知られる『Dota2』への参戦チーム「よしもとデトネーター」を含む4つのチームの運営。各チームをそれぞれ紹介しよう。

eスポーツ事業の概要を説明する、よしもとクリエイティブ・エージェンシー スポーツ事業センター センター長 星久幸氏。

「よしもとデトネーター」
eスポーツで数々のチームを運営している「DeToNator」と協業して外国人選手でチームを編成。eスポーツ市場で成長著しいフィリピンを活動拠点として、海外でプロゲーマーを発掘・育成し、高額賞金で有名な「The International」の『Dota2』部門で世界一を目指す。

「よしもとエンカウント」
チーム「アキハバラ エンカウント」とタッグを組んで、日本人選手を中心としたチームを編成。『Overwatch』部門で台湾リーグに参戦する。

「よしもとリバレント」
日本人選手でチームを編成。国内を主戦場に『Shadowverse』部門に参戦する。今後はゲームの得意な芸人も加入し、プロとしても活躍することを期待している。また、『Shadowverse』以外のゲームに関しても参戦を予定しているとのこと。

「よしもとエクストラクター」
『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』部門を専門とするチームで国内を中心に活動予定。株式会社Extractorとともにゲーミングチームを立ち上げて、配信事業も行なう予定。

また、吉本興業の初となるプロゲーマー3人を紹介。それぞれが現(元)芸人だが、特技がゲームだと知られたことからプロゲーマーとして抜擢されたとのこと。彼らは吉本興行と契約書を交わし、収入は月給+出来高とのこと。

ジョビン
ピン芸人からプロゲーマーに転向。格闘家としても活動していてDEEPフェザー級第4代チャンピオンという経歴を持つ。『ストリートファイター』シリーズを得意とする。

西澤祐太郎
お笑いコンビ「裏切りマンキーコング」として活動するプロゲーマー。『スプラトゥーン』シリーズを得意していて、YouTubeチャンネル「Ch 裏切りマンキーコング」のチャンネル登録者は8万人。総再生数4500万回以上の人気チャンネルとなっている。

小池龍馬
お笑いコンビ「マケレレ」として活動していたが、プロゲーマーに専念するためにコンビを解消した。『コール オブ デューティ』を得意とし、YouTubeチャンネル「マケレレ小池のゲーム実況」も人気。

よしもとゲーミング所属のプロゲーマー、手前左から、ジョビン氏、西澤祐太郎氏、小池龍馬氏。

吉本興行は、プロゲーミングチームの運営のほか、配信事業とイベント事業でも展開する予定だ。

配信事業では、「twitch」「OPENREC.tv」「Extractor.live」「YouTube Gaming」など、配信プラットフォームでのゲーム実況配信や、「ニコニコ動画」「AbemaTV」など、インターネット配信番組でのゲーム番組出演など、配信メディアを中心としたタレント活動を行なうという。また、ゲーム実況に特化したタレントの育成にも注力していき、様々なプラットフォームでの活躍を目指すとのこと。

イベント事業では、よしもとが運営している劇場や大型ショッピングモール・映画館などでeスポーツイベントを行なう予定。

今回発表されたのは、「よしもとGAMING プロ選抜大会」の開催。この大会は、2018年8月にラスベガスで行なわれる世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO2018」への招待選手選考イベントで、上位入賞者に対してはよしもとクリエイティブ・エージェンシーがプロ契約を結び、ラスベガスまでの渡航費や宿泊費をサポートするとのこと。開催日は2018年4月以降とのことなので、詳細は続報を待って欲しい。

大会以外にも、初心者向けの体験イベントから、小規模大会、eスポーツファンに向けた観戦イベントなど、様々な展開を行ない日本国内におけるeスポーツの認知向上と競技人口の拡大に寄与したいとした。

発表会の後半では、実際にプロゲーマーの強さを体験。目隠ししたジョビン氏と次長課長 井上聡の戦いが白熱。なんとか井上氏の勝利となった。

スポーツ選手のマネージング、イベント開催の場所、テレビ&ネット配信と、そのすべてにおいてノウハウがある吉本興行がeスポーツに参戦したことで、日本のeスポーツの拡大を加速させるのは間違いない。日本だけにこだわらず、外国人を使って世界最高額の賞金大会への挑戦も、これまでエンターテインメント界を牽引してきた吉本興行ならではの企画ではないだろうか。
ゲーマー、配信者といった人材に関しても適任者が出てくるのは、6000人のタレントを抱えている吉本興行ならではじゃないだろうか。

今後の動きに注目したい。

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吉本興行サイト

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