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【レビュー】『OPUS 地球計画』広い広い暗黒の宇宙に残されたのは自分だけ。ロボット「エム」の孤独と奮闘を描く、静かな感動の物語

 遥か遠い未来。ロボットのエムは、生みの親である博士とともに、失われた人類の故郷、地球を探していた。ある日、突如として宇宙ステーションにトラブルが発生。エムの意識は暗転し――次に目覚めたとき、かたわらに博士の姿はなく、エムひとりだけが取り残されていたのである。

 Google Playでエディターのオススメアプリに選ばれているアドベンチャーゲーム『OPUS 地球計画』で描かれるのは、切ない探求のドラマだ。寄る辺もない暗黒の宇宙に、たったひとり放り出される孤独なロボット。エムのよりどころとなったのは、かつて博士から託された使命「地球を探しだすこと」だ。大好きな博士の意思を継ぐため、ひたむきに任務に取り組むエムの姿が、あなたに静かな感動を与えてくれるだろう。

タイトル画面

◆宇宙ステーションにひとりきり。エムの孤独な旅が始まる。

 物語は、宇宙ステ―ション「オプス号」で、エムが目覚めるところから動き出す。オプス号とエムは電源を喪失し、かなりの長期間休眠状態だったらしい。人の気配はどこにもなく、残されているのはわずかな生活の痕跡だけ。博士たちは一体どこへ? 眠っている間に何が起きたのか? 疑問を抱えながら、エムは地球探索任務を継続する。


▲これが主人公のエム。少し子供っぽいところもあるが、前向きな強い心を持っている。


▲突如現れた人工知能のリサ。時に衝突しながらも、エムの仕事をサポートしてくれる。博士と同じ姿、同じ名前の彼女に、エムは戸惑いを隠せない。


▲背景設定はかなり練り込まれているようだが、エムたちの口から多くは語られない。想像力を刺激するこの淡白さがなんとも心地よい。

◆望遠鏡で宇宙を探索。はたして地球を見つけられるのだろうか?

 プレイヤーは、宇宙ステーション「オプス号」の望遠鏡を操作して地球を捜索する。とはいえ宇宙には無数の星々が存在しており、闇雲に探しても地球はまず見つからない。オプス号のコンピュータが示す情報をもとに、候補となる宙域を絞り込んでいくのだ。


▲宇宙は、巨大恒星、銀河、ブラックホールと、ところによってさまざまな表情を見せる。この広大な空間の中で、か細い手掛かりから地球を探す。エムの使命は途方もなく大きい。


▲ほとんどの惑星は地球との類似度が10%にも満たない。くじけぬ心だけが唯一の武器だ。


▲これは、似ている! 地球にそっくりだ。しかし類似度はわずかに届かぬ96%。そういえば大陸の形が違う。惜しい……。

◆胸に染み入る寂寥感。エムの旅の果てに待つものとは……

 探索は困難を極める。宇宙はあまりにも広大で、目指す地球はちっとも見つからないのだ。しかしエムはくじけない。つまづき、傷つき、時に倒れながらも、エムは必死に地球を探し続ける。そのひたむきな姿が見る者の胸を打つ。


▲かつて博士と交わした言葉「いつかリサはシャットダウンするわ」。あのころはその意味がわからなかったが……

 エンディングを迎えたとき筆者の胸にあったのは、なんともいえない爽やかな寂寥感だった。この広い広い世界の中で、だれもがみな孤独。しかしその先に希望はあるのだと、この物語は教えてくれる。

 プレイ時間は1~2時間程度。短編小説を読むような楽しみかたが、このゲームにはぴったりだ。冒頭のプロローグに感じるところがあった人なら、きっと最後まで楽しめるだろう。


▲長い長い旅の果て、エムたちが見たものは……この先は、ぜひあなた自身で確かめてほしい。

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