アニメーションの制作支援技術として作画支援AIを研究開発。アニメ制作の中割りや原画トレスの工程でアニメーターをサポート。
株式会社ドワンゴ（以下、ドワンゴ）は、同社の機械学習技術の開発、研究部門「Dwango Media Village」によるディープラーニングを用いたアニメーション制作支援技術が、アニメ映画『フリクリ プログレ（Production I.G制作）』と、大塚製薬「カロリーメイト」のCM『すすめ、カロリーナ。（スタジオコロリド制作）』の制作の一部に使われたことを発表した。
ドワンゴは、アニメーションの制作支援技術の研究開発を目的に、アニメーターの作業をサポートするAI技術の研究開発を行なってきた。その一環として、アニメ制作における原画と原画の間の動作を描き足す「中割り」と、原画の清書を行なう「原画トレス」の工程をアシストする作画支援AIを開発してきた。
作画支援AIの開発については、ドワンゴが中割りに関する技術レポートと実験動画を2017年6月に公開。その後、アニメ制作関係者の協力のもと、原画トレス工程に対応するため研究開発が進行した。
実際の制作現場でAI技術が、2018年から実験的に使用されるようになり、9月28日公開のアニメ映画『フリクリ プログレ』第5話のキャラクター作画の原画トレスの一部と、地面のひび割れ、煙のエフェクトの中割りの一部で使われている。
また、2018年6月に公開された大塚製薬のCM『すすめ、カロリーナ。』では、主人公の作画の原画トレスの一部で採用された。
ドワンゴは、本AI技術をより実用的に使えるよう発展を目指すとのこと。
本技術に関する作品の情報は、本技術の擬人化キャラクター『時季ヶ原姉弟』が公式Twitterで随時報告する。
動画見習いAI『時季ヶ原姉弟』概要
本作画支援AIの中割りと原画トレス機能は、それぞれ動画見習いAI「時季ヶ原 埋」と「時季ヶ原 写」として擬人化されます。彼らはアニメ制作における動画工程を見習うアシスタントという設定で、今後関わった作品の告知などを公式Twitterアカウントで発信し、様々な作品での使用を通して学習し、「一人前」のAIを目指します。
（画像左側）
名前：時季ヶ原 埋 （ときがはら うめる）
担当工程：中割り
（画像右側）
名前：時季ヶ原 写 （ときがはら うつす）
担当工程：原画トレス