ゲーム性ありきの海外のゲームだと、わりとキャラクター設定や世界観は大雑把なものもある。しかしアニメやゲームがサブカルチャーの中核を担う日本では、ユーザーが”馴染みやすい”キャラクターや世界観が重視されてきた。加えて、どこかシャイなお国柄もあって、ソーシャルゲームなのに、”他人に干渉されたくない”パーソナル・スペースも用意されて――まあ、国外のコンサルタントからすれば、日本のゲームマーケティングは意外とややこしいようだ。
さて、今回する紹介する『遊撃のミラモラ騎士団』は、そんなややこしい日本人が安心して遊べる箱庭ストラテジーゲームだ。同ジャンルには人気海外ゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』があるので、ほんの少しだけグローバルな視点も意識しながら、本作をプレイしてみる。
◆「リアルストラテジー」×「箱庭ゲーム」×「キャラクター育成」
「箱庭ストラテジー」とは、”大局視点”で眺める「戦略シミュレーション」と、街や村などを発展させていく「箱庭ゲーム」が融合したゲームジャンル。おもに、プレイヤーが作った街や拠点に攻めこむ(遊びにいく)マルチプレイがメインだが、本作『遊撃のミラモラ騎士団』では、日本のアプリゲーでは定番のキャラクター育成要素を取り入れて、シングルプレイも楽しみやすくなっているのが特徴だ。
さまざまな職業のユニット(以下「ミラモラ」)を集めてオリジナル「騎士団」を結成し、バトルや生産で「ゴールド」や「エーテル」を入手しながら、自分のベースキャンプを強固にしていく――というのが基本的なゲームの流れだ。
資源を集めるには、ほかのプレイヤーのベースキャンプを攻めるのが一番てっとり早いのだが、ミラモラのおもな入手手段がシングルプレイの報酬なので(ガチャもあるが、回す度に必要なエリクサーが増える)、マルチプレイばかりというわけにはいかない。適度にシングルプレイを挟み、ミラモラを育てていく時間が必要なぶん、キャラクターへの愛着も強くなっていき、”自分の騎士団で”作戦を考えて攻め込む楽しさが増していく。そういうゲームだ。
◆ミラモラの長所を活かして防衛ラインを突破しよう!
ユニークなトラップがたくさん登場する本作品だが、ミラモラにも職業や種族に応じて得意なトラップがある。たとえばリザードなら「爆弾」を優先的に踏み潰していくし、パイレーツなら「大砲」を真っ先に狙う。また、リーダーやフレンドのミラモラは特殊なスキルを使えるので、パーティ編成や戦術も多種多様だ。
攻略戦では、オブジェクトを破壊するたびにコストが少し回復するので、バトル中に増員を出すことも可能。全滅しそうになったら低コストのミラモラを画面のすみっこに出して持久戦に切り替えるなど、戦況に応じて配置を考えていくのも楽しい。
偵察や囮としてリザードを先行させたり、防御力の高いナイトと壁越しに攻撃できるアーチャーで一点突破を狙ったり、壁の破壊が得意なバーバリアンで多方面から同時に攻めたりと、攻略するベースキャンプによって、臨機応変に戦術を変えていくわけだ。
◆思い入れが生み出す自分だけのシナリオを楽しめ!
キャラクターへの思い入れが強くなると、バトル中の細かいアクシデントや攻防がすべてドラマになるし、一連のストーリーになる。この感覚はどことなく、クォータービューの「ファンタジーシミュレーションRPG」に通じるところがあって、すごく懐かしいし、心地いい。
個人的には攻略に失敗しそうなときの”ハラハラ感”が、このゲームの醍醐味に感じるので、守りの堅そうなベースキャンプにどんどん挑戦してほしい。強固なベースキャンプには、資源がたくさん貯まっているし、攻略戦に敗北しても、奪った「ゴールド」や「エリクサー」はそのまま持ち帰ることができるので、チャレンジするメリットは大いにある。
ユニットに感情移入できるストラテジーゲームがやりたい。かわいいキャラクターや世界観が大好き。いろいろなシミュレーションゲームの要素を手軽に楽しみたい。そう思う人は、ぜひとも『遊撃のミラモラ騎士団』をプレイしてみてほしい!