EAで数々のヒット作を生み出したパトリック・ソダーランド氏のゲームスタジオ。氏は2019年3月にはネクソンの取締役に就任予定。
株式会社ネクソン(以下、ネクソン)は、は、スウェーデン王国ストックホルム市に拠点を構えるゲーム開発スタジオEmbark Studios AB(以下、Embark)に出資したことを発表した。ネクソンは今回出資したことで、Embarkが今後開発する新規ゲームタイトルのグローバル配信権を獲得した。
Embarkは、Electronic Arts(EA)で数多くの功績をあげてきたPatrick Söderlund(パトリック・ソダーランド)氏が、EAを辞職して新たに立ち上げたゲーム開発スタジオ。
今後は、Embarkが目指すゲームにふさわしい独自のプラットフォームの開発も視野に、Embarkのヒット作を生み出すノウハウと、ネクソンの長期運用の強みを活かし、多人数オンラインゲームの新時代を築いていく計画だ。
また、ネクソンはソダーランド氏を取締役候補としたことも明らかにした。2019年3月に開催される定時株主総会での承認を得る予定だという。
本発表に伴ってEmbark CEOのソダーランド氏と、ネクソン代表取締役社長のオーウェン・マホニー氏がコメントを寄せている。
Embark CEO パトリック・ソダーランド氏
「ゲームは今、最新テクノロジーによって大きな変化を遂げようとしています。プレイヤー同士の繋がり、ビッグデータ、音声認識、クラウドやAI等の技術により、開発者はこれまで以上に多様なゲーム体験を生み出すことができ、プレイヤーも自ら世界を創造し、その一員になることができるのです。Embarkの優秀なクリエイターたちは皆、今日あるゲーム体験をはるかに超えるものを作り上げることを目指しており、ネクソンとの協業は、“現在のゲーム開発における固定観念や慣習を打破しながら、インタラクティブ・エンターテインメントの未来を創造していく”という共通のビジョンのもとに成り立っています。ネクソンのオンライン世界とコミュニティを長期的に成長させる業界トップクラスのノウハウはEmbarkの目標達成に欠かせないものです。」
ネクソン代表取締役社長 オーウェン・マホニー氏
「オンラインゲーム業界は、すでに巨大である一方で、まだ発展途上にあります。AIやクラウドなど、近年格段に発展したコンピューターの処理能力、さらにはサービス提供者の増加や多様化により、今がまさに転換期です。その業界にあって“世界中のプレイヤーに何年にもわたり支持され続けるオンラインゲーム”は、大変稀な存在ですが、このEmbarkの設立は、間違いなくオンラインゲーム業界の発展に大きく寄与することとなるでしょう。」
ソダーランド氏のネクソン取締役への就任予定について、マホニー氏は「ソダーランド氏をネクソンの取締役の一員として迎えることをネクソンの経営陣一同、大変楽しみにしています。オンラインゲームは、今や映画などを抜いてメディア業界の中心に位置しています。素晴らしい能力と思慮深さを兼ね備えた開発者であるソダーランド氏を、当社の経営陣は皆、当社取締役に大変ふさわしいと考えています。」と語った。