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東宝、映画館や劇場を再開するも新型コロナウイルスの影響で大幅利益減 営業利益71億円 2021年2月期第2四半期決算

東宝キャッチ

新型コロナウイルスの影響で発生した映画や舞台の延期・中止で収益減。営業利益は前年同期比で78%減。

東宝株式会社(以下、東宝)は、2021年2月期第2四半期決算短信(連結)を10月13日(火)に発表した。2021年2月期第2四半期の連結業績は、営業収入739億9100万円(前年同期比48.6%減)、営業利益70億9800万円(同78.8%減)、経常利益78億9700万円(同77.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益37億9500万円(同83.4%減)だった。

経営成績に関する説明

2021年2月期第2四半期は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、映画の配給作品の公開延期や演劇公演の中止を余儀なくされたほか、緊急事態宣言の発令に伴い全国の劇場、商業施設で営業を休止した。

緊急事態宣言の解除後は、政府、自治体、関係団体からのガイドラインにもとづいて、適切な感染予防の取り組みを行なったうえで順次営業を開始しており、延期になっていた配給作品の公開、演劇公演も再開している。

また、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費などを、中止した演劇公演にかかわる製作費用などの臨時休業による損失として特別損失に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金等を助成金収入として特別利益に計上した。

セグメント毎の業績は以下。

映画事業
映画営業事業では、予定していた配給作品が相次いで公開延期になったが、東宝株式会社(以下、当方)において、緊急事態宣言の解除後に公開した「今日から俺は!!劇場版」「コンフィデンスマンJP プリンセス編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」がヒットを記録し、スタジオジブリの長編アニメーション4作品のリバイバル上映が好評だった。

また、東宝では、劇場用映画「ブレイブ -群青戦記-」などを制作。東宝東和株式会社などでは、映画「ドクター・ドリトル」などを配給した。これらの結果、映画営業事業の営業収入は120億3200万円(前年同期比61.5%減)、営業利益は29億3500万円(同64.8%減)となった。

映画興行事業では、TOHOシネマズ株式会社などで政府からの緊急事態宣言を受け、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館していたが、緊急事態宣言解除後の6月5日より全劇場の営業を再開した。しかしながら、邦洋画の話題作が軒並み公開延期となったことや、劇場再開にあたっては感染予防措置の一環として間隔を確保した座席販売の措置を行なったこともあり、当第2四半期連結累計期間における映画館入場者数は、707万人(前年同期比75.6%減)となった。これらの結果、映画興行事業の営業収入は122億6900万円(前年同四期比76.5%減)、営業損失38億円(前年同期は営業利益108億7700万円)となった。

映像事業では、東宝のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayで「天気の子」「劇場版おっさんずラブ」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」などを提供したところ、好調な販売となった。出版・商品事業は、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をはじめとする東宝配給作品を中心に稼働したが、邦洋画の話題作が公開延期になったことが影響し、大幅な減収となった。

アニメ製作事業では、テレビアニメ「BNA ビー・エヌ・エー」などに製作出資を行なった。

アニメ製作事業と実写製作事業に関しては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」などの商品化権収入に加え、製作出資した作品の各種配分金収入があった。

ODS事業では、「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」等を提供した。

グループ企業である株式会社東宝映像美術と東宝舞台株式会社では、映画やテレビ、CMなどの舞台製作、美術製作で稼働を再開したが、ライブイベントやテーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事などに関して、開催中止や延期、見直しが相次いだことから減収となった。これらの結果、映像事業の営業収入は136億2300万円(前年同期比10.1%減)、営業利益は18億1300万円(同51.7%減)となった。

上記の結果、映画事業全体の営業収入は379億2400万円(前年同期比61.6%減)、営業利益は9億4700万円(同95.9%減)となった。

演劇事業
東宝において、緊急事態宣言が発出された4月以降、東京公演や全国ツアー公演をすべて中止したが、4月より順次公演を再開した。再開にあたっては、劇場の消毒や換気の強化、間隔を確保した座席販売等の感染予防の取り組みを行なっている。

公演再開後、帝国劇場では、「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」「THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE」を上演、シアタークリエでは「SHOW-ISMS」「メイビー、ハッピーエンディング」を上演した。

また、一部の公演では、有料のライブ映像配信やアーカイブ配信を行うことで、新しい収益源の確保につとめたとのこと。

東宝芸能株式会社では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止などの影響を受けて、減収となった。

上記の結果、演劇事業の営業収入は20億6900万円(前年同期比76.3%減)、営業損失は11億4600万円(前年同期は営業利益24億6200万円)となった。

不動産事業
不動産賃貸事業では、緊急事態宣言を受けて商業施設の臨時休館を実施したことに伴う賃料の免除や、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたことなどから、前年同期比で減収となった。東宝の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業において、映画、テレビ、CMともに制作の延期や中止の影響を受けて減収となった。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は140億8000万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は64億8300万円(同1.8%減)となった。

道路事業では、老朽化によるインフラ整備をはじめとする公共投資が堅調に推移するなか、スバル興業株式会社と東宝の連結子会社が、新型コロナウイルス感染症の防止策を行ないながら安全管理の徹底をはかり、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注につとめた。これらの結果、道路事業の営業収入は140億7400万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は25億6700万円(同5.2%減)となった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理株式会社及び東宝ファシリティーズ株式会社にて、ホテルや劇場等、商業施設の臨時休業を受けて、清掃業務等の受注が減少、緊急事態宣言解除後も特にホテル関連では受注回復のペースが遅く前年同期比で減収となった。また、人手確保のため、出勤調整による待機者へ支払う休業手当などの負担が、営業利益を圧迫したことから大きく利益が減少した。これらの結果、営業収入は47億1900万円(前年同期比11.5%減)、営業利益は2億6400万円(同48.8%減)となった。

上記の結果、不動産事業全体では、営業収入328億7400万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は93億1500万円(同5.2%減)だった。

その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業株式会社の「東宝調布スポーツパーク」、TOHOリテール株式会社の飲食店舗・劇場売店等において政府や自治体からの要請等を踏まえ臨時休業を行なったほか、緊急事態宣言解除後も営業時間の短縮などを実施したことで、減収となった。

上記の結果、その他事業の営業収入は11億2100万円(前年同期比54.1%減)、営業損失1億9400万円(前年同期は営業利益1億300万円)となった。

関連サイト

東宝株式会社公式サイト
2021年2月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年2月期第2四半期決算説明資料

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