新規IP「D4DJ」に関する費用増や劇団公演中止、イベント来場者数の減少などにより利益が大きく減少。
株式会社ブシロード（以下、ブシロード）は、2021年6月期第1四半期決算（連結）を12月15日（火）に発表した。当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高89億7198万円（前年同期比8.0％増）、営業損失8275万円（前年同期は営業利益12億325万円）、経常損失9345万円（前年同期は経常利益12億2407万円）、親会社株主に帰属する四半期純損失1億5462万円（前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益6億4244万円）だった。
経営成績に関する説明
デジタルIP事業
TCG（トレーディングカードゲーム）部門については、販売店舗でのカードゲーム大会が全国的に再開して需要が高まったこと、経済活動の再開に合わせて主力TCG「カードファイト！！ ヴァンガード」と「ヴァイスシュヴァルツ」の新商品の発売を集中させたこと、東アジアと北米を中心とする海外販売も好調に推移したことから、収益が大きく伸びた。特に、自社IPと他社IPの両方で展開するハイブリッド型TCG「Reバース for you」は、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」とのコラボレーション商品が好評だったことから、新規ユーザーの獲得や認知度向上に大きく繋がった。
MOG（モバイルオンラインゲーム）部門は、『ラブライブ！スクールアイドルフェスティバル ALL STARS（他社IP・他社配信）』が1周年のキャンペーンを実施し、10月から放送を開始したテレビアニメ「ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」による盛りあがりも相まって好調に推移した。また、新規アプリゲーム『D4DJ Groovy Mix（自社IP・自社配信）』を10月25日にリリースした。一方で、巣ごもり需要が一段落したことから、『バンドリ！ ガールズバンドパーティ！（自社IP・他社配信）』をはじめとする既存アプリゲームの売上はやや軟調だった。
MD（マーチャンダイジング）部門は、コロナ禍のなか販売店舗が在庫量を抑制したことで卸商品の受注数が減少した、また、リアルイベントが再開したものの、来場数が限られていることから売上の大きな改善には及ばず、売上は低調に推移した。こうしたなか、オリジナルカプセルトイブランド「TAMA-KYU（たまきゅう）」が1周年を迎え、「事務的なはんこ」や「自己主張バッジ」など複数のヒット商品を展開したことで、コロナ禍においてもカプセルトイの売上が堅調に推移した。
メディア部門は、ブシロードムーブの広告代理店事業におけるグループ外部案件の増加により、売上が大きく伸びたとのこと。10月より放送中のテレビアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」と「D4DJ First Mix」に係る償却費が発生したことに加え、新規IP「D4DJ」のプロモーション展開に係る広報宣伝費が大きく発生した。
上記の結果、売上高66億5131万円（前年同期比11.1％増）、セグメント利益310万円（同99.5％減）となった。
ライブIP事業
音楽部門の音楽ソフトについてはRAISE A SUILENの1st Album「ERA」がオリコンデイリーアルバムランキング1位を獲得するなど、堅調に推移した。
ライブ・舞台に関しては、リアルイベントを本格的に再開し、音楽ライブ「『BanG Dream! 8th☆LIVE』夏の野外3DAYS」や舞台「アサルトリリィ The Fateful Gift」、東京ガーデンシアターでの5日間連続の音楽ライブイベントなどを開催した。これにより、各IPの展開が活発化し、売上が大きく伸びたが、観客動員の制限による影響で、利益の確保には至らなかったそうだ。また、劇団飛行船に関しては、ミュージカル公演の規模縮小や中止が重なったことで、大きく利益が減少した。
スポーツ部門は、新日本プロレスで年間最大級の大会「G1 CLIMAX 30」を含む国内41回の興行開催、海外興行の配信、女子プロレスブランドのスターダムの横浜武道館におけるプロレスこけら落とし興行「STARDOM YOKOHAMA CINDERELLA 2020」を含む17回の興行を開催し、堅調に売上を伸ばした。音楽部門のライブや舞台と同様に、観客動員に制限があるものの、興行はより低コストで開催できることから、スポーツ部門全体としては黒字化した。
上記の結果、売上高23億2067万円（前年同期比0.0％増）、セグメント損失9129万円（前年同期はセグメント利益4億5075万円）だった。
関連サイト
株式会社ブシロード公式サイト
2021年6月期第1四半期決算短信〔日本基準〕（連結）
2021年6月期第1四半期決算説明資料