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KADOKAWA、出版事業で返品率の大幅良化などが業績に貢献 営業利益132億円 2021年3月期第3四半期決算

KADOKAWA

出版事業やアニメの権利許諾ビジネスが好調に推移したことに加えて、主要4セグメントの利益率が改善。

株式会社KADOKAWA(以下、KADOKAWA)は、2021年3月期第3四半期決算短信(連結)を2月4日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1527億7700万円(前年同期比1.7%増)、営業利益132億400万円(同56.1%増)、経常利益134億4700万円(同46.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益89億8700万円(同14.0%増)だった。

経営成績に関する説明

出版事業
当第3四半期連結累計期間は、書籍市場全体の需要が高まっていることに加え、KADOKAWAでは『ダンジョン飯(9)』といったコミックスをはじめ、『あやかし草紙 三島屋変調00物語伍之続』『青くて痛くて脆い』などの一般文庫、『あつまれ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド』『世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ』などの一般書の販売が好調に推移した。

また、新型コロナウイルス感染症拡大による環境においても、新刊点数を前年同期並みに維持したことや、返品率が大幅に良化したことが収益に貢献した。

電子書籍や電子雑誌については、市場全体が伸長していることに加えて、積極的なマーケティング施策により引き続き好調に推移し、第2四半期に続いて、第3四半期も四半期ベースで過去最高の売上高を更新した。

上記の結果、売上高は942億5300万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は94億2800万円(同86.2%増)だった。

映像事業
当第3四半期連結累計期間は、北米や中国に向けたアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「デカダンス」「天晴爛漫!」「くまクマ熊ベアー」などの海外権利許諾や国内配信の収入に加えて、「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」など、KADOKAWAのアニメIPを活用して、他社が販売するゲームとのコラボレーションなどの権利許諾が収益に貢献した。

一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、映画館の営業自粛や席数の制限による映画配給やデジタル映画鑑賞券「ムビチケ」などへの影響があった。

映像・音響制作を手掛けるスタジオ事業については、第1四半期に新型コロナウイルス感染症による減収影響を受けたが、第2四半期以降は前年同期の水準まで回復した。

上記の結果、売上高は224億3900万円(前年同期比9.5%減)、セグメント利益は23億1600万円(同4.0%減)だった。

ゲーム事業
当第3四半期連結累計期間は、12月発売の新作『サイバーパンク2077』の売上貢献に加え、「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」や「DARK SOULS」シリーズなどのリピート販売が、引き続き好調に推移した。

上記の結果、売上高は123億7500万円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益は29億4600万円(同99.0%増)だった。


Webサービス事業

動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)は、12月末には157万人となり、3月末の163万人から減少となっているが、減少ペースが低下したことに加え、都度課金収益の拡大につとめるなど、収益の多様化に取り組んでいる。

動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数は、12月末には121万人となり、3月末の117万人から増加した。

イベントに関しては、4月開催の「ニコニコ超会議」と8月開催の世界最大級のアニソンライブ「Animelo Summer Live」は、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえリアルイベントとしての開催を見送ったが、インターネット上に特化した「ニコニコネット超会議2020」「ニコニコネット超会議2020夏」「Animelo Summer Night in Billboard Live」「The VOCALOID Collection」を開催し、好評を博した。

リアルイベントを中止したことにより、前年比で売上は減少したが、ネットによる開催としたことで費用も減少し、Webサービス事業全体の収益性は維持した。

上記の結果、売上高は164億2200万円(前年同期比14.2%減)、セグメント利益は20億8500万円(同14.5%減)だった。

その他事業
MD事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、発売タイミングの延期などにより減収となった。

教育事業では、インターネットによる通信制高校であるN高等学校で生徒数が順調に増加しており、教育コンテンツの提供を行なう株式会社ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移した。

また、アニメホテルやイベント運営、飲食事業などの商業施設を展開するところざわサクラタウンが11月6日にグランドオープンした。

上記の結果、売上高は127億3400万円(前年同期比7.5%減)、セグメント損失は29億9400万円(前年同期は営業損失17億2800万円)だった。

関連サイト

株式会社KADOKAWA公式サイト
2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期第3四半期決算説明資料

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