ゲーム事業で多くの既存タイトルが堅調に推移。スポーツ事業はコロナ禍の影響で減収減益。
株式会社ディー・エヌ・エー（以下、DeNA）は、2021年3月期第3四半期決算短信（連結）を2月9日（火）に発表した。当第3四半期連結累計期間のグループの業績は、売上収益1029億2400万円（前年同期比12.9％増）、営業利益253億2000万円（前年同期は営業損失441億6100万円）、税引前四半期利益305億1300万円（前年同期は税引前四半期損失392億1200万円）、親会社の所有者に帰属する四半期利益219億3700万円（前年同期は親会社の所有者に帰属する四半期損失501億7900万円）だった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間におけるDeNAグループは、中長期で企業価値を向上させるため、ゲーム事業においては健全な収益性の確保や新規ヒットタイトルの創出、一層強い事業ポートフォリオ実現に向けた新規事業領域での最適な成長投資に取り組んできた。
売上収益は前年同期比で増収となった。スポーツ事業に関しては新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、前年同期比で減収となったが、ライブストリーミング事業やゲーム事業は増収だった。
売上原価と販売費、一般管理費は前年同期比で減少した。ゲーム事業やライブストリーミング事業の推移に応じて売上原価の支払手数料などの費用が増加した一方で、前連結会計年度中の無形資産の減少に伴い、減価償却費が減少した。また、スポーツ事業や旧オートモーティブ事業に関する費用が減少した。
その他の収益や費用（純額）は100億円だった。前年同期には、その他の費用に減損損失を計507億5500万円計上したが、当第3四半期連結累計期間においては、その他の収益に、タクシー配車アプリなどに関する事業の吸収分割に起因する移転損益20億4500万円、SHOWROOM株式会社の保有株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益78億8900万円などを計上した。
セグメント毎の業績は以下。
ゲーム事業
当第3四半期連結累計期間は、多くの既存のタイトルが堅調に推移すると共に、前連結会計年度以降に国内外で配信を開始したタイトルの貢献、ユーザー消費額の増加もあったことで、前年同期比で増収増益となった。
上記の結果、売上収益は683億5000万円（前年同期比13.7％増）、セグメント利益は145億4900万円（同63.5％増）だった。
スポーツ事業
例年3月下旬から開幕していたプロ野球の公式戦について、2020年シーズンは6月19日からの開幕となり、11月までの間に行なった。開幕当初は、無観客での試合開催となり、その後観客数の上限は段階的に緩和されたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けた。
上記の結果、売上収益は108億6100万円（前年同期比42.4％減）、セグメント損失は14億9500万円（前年同期はセグメント利益37億800万円）だった。
ライブストリーミング事業
前連結会計年度以前より、ライブストリーミングの領域では、成長に向けた投資を積極的に行ない、「Pococha（ポコチャ）」を中心に好調に推移している。
2020年6月30日を期日としたSHOWROOM株式会社（以下、SHOWROOM）のDeNA保有株式の一部譲渡により、SHOWROOMはDeNAの持分法適用関連会社となり、第2四半期連結会計期間より業績はセグメント別の業績に含んでいない。
上記の結果、売上収益は174億9900万円（前年同期比174.1％増）、セグメント利益は38億3300万円（前年同期はセグメント損失11億7700万円）だった。
ヘルスケア事業
「MYCODE（マイコード）」「kencom（ケンコム）」「歩いておトク」をはじめ、ヘルスケアサービスの分野における既存サービスや関連事業が堅調に推移した。それに加え、R＆D分野中心に先行投資を行なった。
上記の結果、売上収益は15億1000万円（前年同期比25.9％増）、セグメント損失は9億4300万円（前年同期はセグメント損失12億3000万円）だった
新規事業・その他
中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組み、EC事業におけるサービスが含まれている。
前連結会計年度には、旧オートモーティブ事業における積極的な投資が含まれていた。
上記の結果、売上収益は49億5400万円（前年同期比2.7％増）、セグメント損失は1億8700万円（前年同期はセグメント損失59億9200万円）だった。
関連サイト
株式会社ディー・エヌ・エー公式サイト
2021年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕（連結）
2021年3月期第3四半期決算説明会資料