「RPG+パズル=パズドラ」というように、異なる2つの要素を融合させるのは企画の基本中の基本。台北ゲームショウでも「擬人化萌え+タワーディフェンス」という挑戦的なゲームが出展された。それが戦艦の艦長となって機械娘達を指揮していく『艦隊新姫(カンタイ シンキ)』(Finger Volt Co.,Ltd)だ。
ゲームプレイはシンプルで、新姫(シンキ)と呼ばれる機械娘を戦艦の武器スロットにドラッグして装着すれば、あとは敵を自動で撃破してくれる。ゲームを始めると会話形式でストーリーが進んでいき、ある程度進むと画面右から敵が出現して攻撃してくるので、敵を撃破していこう。神姫にはそれぞれ必殺技ゲージがあり、満タン時にタッチすると固有の必殺技が発動される。神姫は攻撃方法で8種類の属性があり、レーザーをはなったり、多弾頭ミサイルを繰り出したりとさまざま。中には戦艦のヒットポイントを回復してくれるものもいる。逆に敵の攻撃によって戦艦が撃破されればゲームオーバーだ。
もっとも、神姫はバッテリーで動くという設定で、ずっとスロットに入れておくとバッテリーがどんどん消耗してしまう。ゼロになると自動的に格納庫に戻り、充電される。当然ながら戦力がダウンするので、バッテリーのゲージを見ながらサブの神姫とローテーションを組むのが重要だ。このほか攻撃を当てていくと戦艦の主要にエネルギーが充填されていき、満タン時にタップすると、これまたド派手な主砲(マグネティック・キャノン)をぶっ放せる。このように神姫のローテーションと固有の必殺技、そして主砲の発射をいかに効率よく操作していけるかが、本作のゲームプレイのキモだ。
CEOのパディ・リン氏によると、開発チームは6人で半年間で開発したとのこと。開発プラットフォームはAdobe AIRで、ブラウザゲームの開発になれたスタッフがいたからだという。開発進捗度は90%で、iOSとAndroid向けにリリース予定。すでに日本のパブリッシャーとの契約も詰めている最中とのことだ。また、このユニークすぎるアート・デザインについては、スタッフに「萌娘とロボが好きな者がいて、みな日本のアニメファンだったので、抵抗がなかった」とのこと。なお、台湾版ではフルボイスでしゃべりまくるゲームになるとのことで、日本版でもできれば実現したいと語っていた。
もっとも、チームの名誉のために補足しておくと、最初は純粋にタワーディフェンスを開発する予定だったという。コンセプトは爽快感で、とにかくド派手なゲームにしたかったとのこと。その後、いくつかのプロトタイプを経て、現在のように戦艦に武装を施す形に落ち着いた。その上で「これ、武器を萌娘にしたらおもしろいんじゃね!?」というアイディアが生まれたのだという。たしかに画面の半分近くにもなる戦艦同士の打ち合いは、巨大怪獣同士の激突のようで迫力たっぷりだ。
神姫には4つのアビリティスロットがあり、アビリティを装着して戦闘能力を上げたり、出撃によって神姫自体も成長させることが可能。プレイヤーの役割は戦艦の艦長として神姫たちを指揮することだ。おもしろいのは主砲を発射するとき、カットインでわざわざ日本語で「援護しなさい!」と表示が入ること。これは、あえて日本語にこだわったのだという。もちろん日本で話題になることも計算に入れたと語っていた。ストーリーの詳細はわからなかったが、ミッション系シナリオ全5章、100話から構成されるとのこと。意外と神姫たちにキリキリ舞いさせられる「艦長は辛いよ」ゲームなのかもしれない(それはそれで一部のファンが喜びそうだが)
ともあれゲーム的なケレン味と、キャラクターの可愛らしさ、ゲームとしての面白さは十分で、たぶん日本でリリースされたら話題になること間違いなし。期待したい一作だ。