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松竹、コロナ禍による映画や舞台の延期・中止で営業損失54億円 2021年2月期決算

松竹

新型コロナウイルス感染症防止対策で、営業時間や劇場の座席数を制限。不動産事業が業績に貢献も、他の事業の苦戦で減収減益。

松竹株式会社は、2021年2月期決算短信(連結)を4月14日(水)に発表した。当連結会計年度は、売上高524億3400万円(前期比46.2%減)、営業損失54億8300万円(前年同期は営業利益46億400万円)、経常損失56億1000万円(前年同期は経常利益44億6200万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は114億700万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益24億2000万円)だった。

経営成績に関する説明

映像関連事業
映像関連事業は、配給で邦画9作品、洋画4作品、アニメ5作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマなどの作品を公開した。

全国の映画館が4月から営業を休止したことで大きな影響を受けたが、8月公開の「事故物件 恐い間取り」が若年層を中心に支持されたほか、9月公開の京都アニメーション最新作「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も非常に高い評価を受けてロングラン上映となり、12月公開の「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」が舞台と映画をあわせた新しいエンタテインメント作品として好評を博すなど、この3作品が、映画業界の興行収入が大きく減少するなか、特に収益に貢献した。

興行に関しては、株式会社松竹マルチプレックスシアターズでは、感染症拡大防止のための各都道府県からの要請や緊急事態宣言の発令により、3月以降に順次、営業時間の短縮や臨時休業を行なった。6月以降の営業再開後は感染拡大予防ガイドラインにしたがって、空調設備を適切に稼働させ、利用者の体表面温度の非接触測定やアルコール消毒液の設置など、感染拡大防止対策を行なった。自社配給作品「事故物件 恐い間取り」などの夏休み興行が盛況だったほか、秋には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットにより好調な稼働だった。

テレビ制作は、地上波で連続ドラマ「恐怖新聞」、2時間ドラマ「再雇用警察官」「刑事アフター5」、時代劇スペシャル「必殺仕事人2020」「桶狭間~織田信長 覇王の誕生~」、BS放送にて時代劇スペシャル「無用庵隠居修行4」「上意討ち」を、万全の感染症対策をとった上で制作し、収益に貢献した。

番組販売では、CS局に「京都殺人案内」や「科学捜査官」をハイビジョン化して販売し、BS局に「必殺仕事人」などを販売した。

映像ソフトは、「男はつらいよ お帰り 寅さん」や「事故物件 恐い間取り」など、話題になった作品を販売したところ、収益に貢献した。

上記の結果、売上高は318億2700万円(前年同期比42.3%減)、セグメント損失は27億6100万円(前年同期はセグメント利益22億3700万円)となった。

演劇事業
松竹直営劇場の演劇公演では、収容率を抑え、感染症拡大防止の対策を徹底し、来場者の安全と安心に配慮した興行を行なってきた。

歌舞伎座では、3~7月の公演をすべて中止し、5~7月に予定していた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行」を延期した。8月には興行を再開し、12月までは各部幕間無しの一演目とする、初の四部制興行を行なった。2021年1月「壽 初春大歌舞伎」からは、各部二演目の三部制興行を行ない、2月は興行で劇場単月黒字を出せるまで回復した。

新橋演舞場は、3月~9月の公演と12月公演は中止または延期となった。7月8月に公演予定だった「滝沢歌舞伎 ZERO 2020」に関しては、休演中の劇場を利用して舞台を撮影し、映画化。全国公開に先駆けて特別上映を10月に行ない、興行を再開した。

シネマ歌舞伎は、4月5月の「月イチ歌舞伎2020」が上映中止となったが、緊急事態宣言の解除後に上映を再開した。10月には新作の「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」を上映し、新たな観客層を取り込んだところ好評だった。

METライブビューイングに関しては、新シーズン2020~21は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で全公演がキャンセルとなり、代替上映として過去シーズンの人気作6作品を「プレミアム・コレクション2021」として、2月から上映し、多くのオペラ・ファンを魅了した。

配信は、感染症のため中止となった、歌舞伎座「三月大歌舞伎」、南座スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」の無料配信を行なった。また、「歌舞伎家話」「紀尾井町家話」、史上初のオンライン歌舞伎である図夢歌舞伎「忠臣蔵」などの動画配信が新しい試みとして、大きな話題となった。

上記の結果、売上高は73億1700万円(前年同期比74.4%減)、セグメント損失は42億6800万円(前年同期はセグメント利益7億4200万円)となった。

不動産事業
不動産賃貸では、歌舞伎座タワーや築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)、東劇ビル、新宿松竹会館(新宿ピカデリー)、有楽町センタービル(マリオン)、松竹倶楽部ビルなどの満席が続き、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献したとのこと。4月には浅草六区松竹ビルが竣工し、5月より賃貸を開始した。

また、各テナント企業との賃料交渉にも誠実に対応し、感染症の影響による賃料減額は最小限にとどめ、ほぼ計画どおりの利益を確保した。

上記の結果、売上高は119億3100万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は53億7900万円(同6.6%増)となった。

その他
コロナ禍における社会状況を見据え、各事業におけるオンライン販売を強化しつつ、人気キャラクターとのコラボレーションやコア層向けの商品開発、販売を主軸に展開した。

劇場プログラムとキャラクター商品は、映画館の営業再開以降に公開された「銀魂 THE FINAL」や「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」などにおいて、コアなファンにも支えられ収益に貢献した。

イベント事業は、テレビアニメ「鬼滅の刃」と歌舞伎とのコラボ展示イベント『「鬼滅の刃」×「京都南座 歌舞伎ノ舘」』を京都南座で行ない、会場限定キャラクター商品も販売したことで、好評だった。

配信コンテンツは、感染症の影響により新規コンテンツとして多ジャンルの配信を開始した。8月に無観客ライブ配信を行なった超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜」では23万人を超す視聴数を記録した。2月には、体験型推理ゲーム「マーダーミステリーシアター 演技の代償」を全く新しい没入型コンテンツとして映像化し、無観客ライブ配信した。

上記の結果、売上高は13億5900万円(前年同期比34.3%減)、セグメント損失は8億8600万円(前年同期はセグメント損失1億4800万円)となった。

関連サイト

松竹株式会社公式サイト
2021年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)

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