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【台北ゲームショウ2015】ボクセル調のグラフィックが懐かしくも新しい! Qubit Gamesインタビュー

 東京ゲームショウのセンス・オブ・ワンダーナイト2013でボクセル調(立方体のピクセル)のスペースシューティング『Space Qube』をプレゼンし、観客の度肝を抜いたQUBIT GAMES。同社の最新作が同じくボクセル調の引っ張りアクション『キューボット』だ。東京ゲームショウ2014のインディブースにも出展され、開発も順調という同作について、共同設立者でCTOのオーウェン・ユーさんに話を伺った。
QUBIT GAMES

――今日はよろしくお願いします。まるで秘密基地みたいで、いかにもインディーズといった趣の開発スタジオですね。

オーウェン ありがとうございます。実は両親の持ちビルに間借りしているんですよ。今は地下室だけですが、近く人員を追加して1Fにも広げるつもりです。


▲QUBIT GAMESのCTO、オーウェン・ユーさん

――それはすごいですね。スタッフは何人ですか?

オーウェン 自分と共同設立者のルイスと、ゲームデザイナーが一人と、アーティストが3人です。ルイスはサーバインフラ周り全般で、自分はクライアント側のプログラムを書いています。

――『Space Qube』のプレゼンは衝撃的でした。ボクセル調のグラフィックもさることながら、エディタがで自機のエディットができたり、サーバにアップロードしてシェアできたり、3Dプリンターで立体物にプリントアウトできたり……。

『Space Qube』ダウンロードリンク:Appstore

オーウェン もともとルイスと2人で始めたプロジェクトでした。自分はAMD、ルイスはSCEサンタモニカスタジオで働いていましたが、その頃から余暇を費やして開発していました。そのうちに、台湾に戻って自分たちのゲームを作りたくなったのです。ルイスの母親が病気になって、自分も子育てを考えると故郷の方が良いだろうと思いました。

――なるほど、そうだったんですね。

オーウェン それで二人して就職口を探したんですが、あまり良い条件の会社がなかったんです。そのうちに、起業したほうが自分たちの実力を活かせる、おもしろいゲームが作れると考えるようになりまして……。

――センス・オブ・ワンダーナイトでも「お子さんのために作った」と言われていましたね。

オーウェン 半分は自分の為でもありますけどね。もともと子供がレゴが好きで、自分もレゴみたいなゲームが作りたかったんです。3Dプリンターへの出力機能はその一つです。おかげさまで『Space Qube』をリリース後、アップルにフィーチャーされて、台湾のベンチャーキャピタリストから投資を受けられました。今もマネジメントは任せていて、自分は開発に専念しています。

――それはいい話ですね。ちなみに最新作『キューボット』はいつ頃リリースされそうでしょうか?

オーウェン 少し開発が遅れていて、今年の夏にはリリースできると思います。もっとも、はじめは台湾・マカオ・香港で、少し遅れて日本でリリースする予定です。

――音楽を『ロックマン』シリーズなどを手がけられた、松前真奈美さんが作曲されているとか?

オーウェン はい、セールスポイントの一つです。2014年のビットサミットに出展した時、松前さんにお会いして、「何か一緒にゲームを作りたい」とお願いしました。ちょうど『Mighty No.9』のサウンドを発表されていて『キューボット』にもぜひお願いしたいと思ったのです。ピクセル(ボクセル)アート調のゲームではありますが、レトロではなくて、もっと現代的なサウンドをお願いしました。

――松前サウンドはどれくらい入っていますか?

オーウェン リリース時は3曲だけですが、追加アップデートでどんどん楽曲も増やしていきたいと思います。当時はいろんな意味で大変だったのですが、投資が受けられたことで安定しました。

――ゲームの中身について改めて教えて下さい。基本はターン制のアクションゲームですよね。

オーウェン そうですね。一度に4体のロボットを表示して、敵キャラクターを弾き飛ばしていきます。ロボットが頭部・胴体・腕・足とカスタマイズできて、パーツの組み合わせで全体の能力が変わる点が最大の特徴です。エディターを使って自分だけのパーツやロボットを作ることもできますよ。もちろんウェブサイトでシェアすることもできます。将来的にはコンテストなどを行って、入賞作は公式パーツに組み入れたりしたいですね。

――当然3Dプリンターへの出力も……?

オーウェン はい、可能です。好きなロボットをエディットして立体物にしてください。

――おお、それは燃えますね。ちなみに東京ゲームショウ2014でも出展されていましたが、反響はどうでしたか?

『キューボット』東京ゲームショウ2014トレーラームービー

オーウェン さまざまなアイディアやコメントをいただきました。そこから追加されたのが「合体」です。やっぱりロボットは合体できないとダメですよね。他にペイントシステムなども導入を検討しています。

――なるほど、さすがですね。ちなみにビジネスモデルはどうなりますか?

オーウェン F2Pを予定しています。ただゲーム的に有料アプリに向いた内容でもありますので、本作がヒットしたら、PS4などコンソールへの移植も検討したいと思います。

――『Space Qube』は有料アプリでしたが、やはり厳しいですか?

オーウェン 厳しいですね。ちなみに、いちばんダウンロードが多いのがアメリカです。日本も含めてアジア圏では数字が低いです。それもあって『キューボット』はF2Pにしました。

――マルチプレイの要素はありますか?

オーウェン 最初はシングルプレイのみですが、アップデートでオンラインプレイに対応予定です。CO-OPと対戦の両モードを検討しています。

――公式サイトでも日本向けのローカライズがしっかりしていて、おどろきました。

『キューボット』公式サイトhttp://www.qubitent.com/

オーウェン もともと小さな街での出来事にしたくて、意識したのは『妖怪ウォッチ』でした。「日本らしさ」については、自分も日本のコンテンツが好きだし、マーケティングのことも考えました。日本風のゲームは、グローバルでも受け入れられると思うんです。もちろん日本でのリリースも最初から予定していました。

――公式サイトではキャラクターの名前が日本人風ですよね。

オーウェン 台湾・マカオ・香港でも日本風の名前で通すつもりです。日本のアニメ文化が浸透していますからね。必殺技も日本語にしています。ヒットしたら、いつか日本の声優にボイスをアテてほしいんです。そういえばひとつ心配事があるんですが・・・?

――なんでしょうか?

オーウェン 日本ではガンダム以外にロボット物は成功しないと言われまして、実際はどうなんでしょうか?

――さすがに、それは大げさですよ。『キューボット』も十分に可能性があると思います。

オーウェン それを聞いて安心しました。

――ちなみにゲームエンジンは何を使っていますか?

オーウェン 『Space Qube』と同じく内製エンジンです。UnityやUnreal Engineではボクセルの表示がうまくできないんですよ。マルチプラットフォーム対応で、今はiOS、Android、Windowsに対応しています。他のプラットフォームにも移植が容易です。

――それはユニークですね。ちなみにオーウェンさんは子供の頃、どんなゲームが好きでしたか?

オーウェン 自分は1970年生まれで、『ゼルダ』シリーズが好きでした。本作でも中ボスなどのデザインに影響を受けています。もし会社が成功すれば、いつか『ゼルダ』みたいなゲームも作ってみたいですね。

――最後に日本のゲームユーザーにメッセージをお願いします。

オーウェン 『Space Qube』では日本のプレイヤーも、たくさんパーツを作ってくれました。『キューポット』が日本でリリースされたら、ぜひ日本らしいロボットを作ってシェアして欲しいですね。

――ありがとうございました。

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