不採算タイトルの整理も利益率の向上に貢献。アミューズメント部門と音楽映像事業はコロナ禍の影響で苦戦。
株式会社マーベラス(以下、マーベラス)は、2021年3月期決算短信(連結)を5月12日(水)に発表した。当期の業績は、売上高255億2000万円(前期比0.6%増)、営業利益44億1400万円(同80.2%増)、経常利益45億5800万円(同82.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億6500万円(同81.6%増)だった。
経営成績に関する説明
オンライン事業
『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』や『剣と魔法のログレス いにしえの女神』といった長期運営タイトルが堅調に推移し、サービス開始から11年目になる『ブラウザ三国志』についても、前期を上回る利益を達成したという。
2020年5月にリリースしたスマートフォン向けゲームアプリ『一騎当千エクストラバースト』に関しては、低調な推移となり、将来収益の見直しによるソフトウエア資産の評価減を行なったが、前期における不採算タイトルの整理などの効果もあり、利益率が向上した。
上記の結果、売上高は74億9700万円(前期比7.5%減)、セグメント利益は13億5900万円(同399.7%増)だった。
コンシューマ事業
ゲームソフト販売部門においては、2020年11月に発売した和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』が、世界累計出荷本数95万本(2021年3月末時点)を突破した。また、「牧場物語」シリーズ完全新作で、2021年2月に国内とアジア、3月に北米と欧州で発売した『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』についても、世界累計出荷本数70万本(2021年3月末時点)を超える大ヒットとなった。
その他にも、2007年に発売した『ノーモア★ヒーローズ』と、2010年に発売した『ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル』のNintendo Switchダウンロード版を2020年10月に発売し、北米と欧州で好調なセールスを記録するなど、非常に好調に推移した。
しかしながら、アミューズメント部門において、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、2020年9月に稼動開始したポケモンアミューズメントマシンの最新作『ポケモンメザスタ』をはじめ、各タイトルでインカムが低下した。『ポケモンガオーレ』の海外展開に関しては、稼動開始した地域では好調に推移した。
上記の結果、売上高は144億7400万円(前期比27.0%増)、セグメント利益は41億5800万円(同105.2%増)となった。
音楽映像事業
音楽映像制作部門は、プリキュアシリーズのテレビアニメ『ヒーリングっどプリキュア』、『スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭』のパッケージ商品化を行なったほか、テレビアニメ『ミュークルドリーミー』を2020年4月から、マーベラスが主幹事をつとめたテレビアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』を7月より、テレビアニメ『アクダマドライブ』を10月より放送し、それぞれパッケージ商品化を行なった。
ステージ制作部門に関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、第1四半期に予定していた複数の公演を中止した。2020年7月以降は、政府や地方自治体の方針、全国公立文化施設協会のガイドラインなどに沿った形で公演を再開し、人気シリーズの新作公演などを行なったが、緊急事態宣言の影響などにより、観客動員が伸び悩んだという。オリジナルコメディドラマ『ハンサムセンキョ』を、10月から放送するなど、新しい取り組みも行なったが、舞台公演における厳しい事業環境が続き、前期比で大幅な減収減益となった。
上記の結果、売上高は35億5000万円(前期比39.7%減)、セグメント利益は5億4000万円(同65.7%減)だった。