上記は新型コロナウイルス感染症の拡大によるイベントや劇場公開の延期で苦戦するも、下期はライブ配信やスポーツの再開などで業績改善。
株式会社IMAGICA GROUP(以下、IMAGICA GROUP)は、2021年3月期決算短信(連結)を5月13日(木)に発表した。当連結会計年度におけるIMAGICAグループの業績は、売上高867億2700万円(前期比7.8%減)、営業損失10億8400万円(前年同期は営業利益13億5100万円)、経常損失13億4300万円(前年同期は経常利益4億1600万円)、親会社株主に帰属する当期純利益34億5400万円(同420.2%増)だった。
経営成績に関する説明
映像コンテンツ事業
上期は、緊急事態宣言下によって劇場公開作品で複数の上映延期や、テレビCMの撮影業務や音楽ライブなどで収録中止、テレビアニメシリーズの制作本数減少など、事業環境が大変厳しい状況にあったことから大幅な減収減益となった。下期は延期になっていた劇場公開作品が複数公開され、映画やドラマなどの撮影活動も再開、テレビCMなどの広告受注も増加傾向となっている。
音楽ライブなどの収録業務に関しては、オンラインライブの市場が急成長していることで「映像」を活用する新しいビジネスチャンスも拡大している。
上記の結果、売上は下期より回復基調となったが、上期の業績影響が大きく、通期では事業全体で減収減益となり、売上高は198億900万円(前期比24.4%減)、営業損失は4億4000万円(前年同期は営業損失3億5900万円)という結果になった。
映像制作サービス事業
国内の映像技術サービス分野において、上期は複数の劇場公開作品が延期、撮影業務や音楽ライブなどの収録が中止になったことで苦戦したが、下期はテレビ番組やCM、アニメのポストプロダクションサービス、動画配信事業者向けのエンコードなどの受注増加、撮影、配信、アーカイブサービスが、オンライン配信による音楽ライブやスポーツイベントの再開などで収益が改善した。
また、映像制作サービス事業の収益力向上を目的に、2021年1月22日付けで映像制作サービス事業の構造改革(グループ事業再編と希望退職)を決定した。この構造改革を経て、2022年3月期からは強固な経営体質での事業を運営する。
海外の映像技術サービス分野において、SDI Media Group,Inc.(以下、SDI Media Group)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるダビングスタジオの閉鎖や新作案件の制作停止等の発生により、年間を通じて厳しい状況が継続した。
第3四半期より連結子会社になったPixelogic Holdings, LLCは、動画配信事業者向けのE2Eサービスの受注が順調に推移した。
なお、SDI Media Groupは、2021年3月26日付けで全株式譲渡が完了し、2021年3月末で連結の範囲から除外した。
人材サービス分野では、企業における採用活動の見直しや抑制傾向が続き、人材派遣と紹介事業については需要が前年を下回った。
一方、デジタルコンテンツ分野では、ゲームの3DCG制作について、拠点の増設やリモートでの制作体制を整えたことにより好調に推移した。
上記の結果、売上高は482億8600万円(前期比1.6%減)、営業損失は22億2200万円(前年同期は営業損失3億4800万円)となった。
映像システム事業
映像システム分野では、CMオンライン送稿がマーケットニーズの拡大により販売が好調に推移したが、放送局向け案件では各放送局の投資抑制などにより一部案件減や縮小などがあった。
イメージング分野においては、ハイスピードカメラの国内や欧米での販売苦戦が続いたが、アジア地域は回復基調になった。
また、台湾・中国向け映像・画像処理LSIの販売は堅調に推移し、モバイルソリューション分野では、年間を通じてモバイルデータ通信の需要が拡大した。
上記の結果、売上高は196億6900万円(前期比4.3%減)、営業利益は20億4500万円(同24.6%減)だった。
関連サイト
株式会社IMAGICA GROUP公式サイト
2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期決算説明資料