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東映、「シン・エヴァ」などがヒットするもコロナ禍で大きく収益減 営業利益129億円 2021年3月期決算

東映

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「樹海村」「仮面ライダー」シリーズなどが業績に寄与。映画館の営業縮小、催事関連事業が収益に大きな打撃。

東映株式会社(以下、東映)は、2021年3月期決算短信(連結)を5月14日(金)に発表した。当連結会計年度の連結経営成績は、売上高1076億4800万円(前期比23.9%減)、営業利益129億9700万円(同40.9%減)、経常利益187億1600万円(同26.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益72億8400万円(同35.9%減)だった。

経営成績に関する説明

映像関連事業
映画事業は、提携製作作品など25本を配給し、このうち「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が大ヒット、「樹海村」がヒットとなったほか、「映画プリキュアミラクルリープ~みんなとの不思議な1日~」「サイレント・トーキョー」「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本/劇場版 仮面ライダーゼロワンREAL×TIME」などが堅調に稼働した。

ビデオ事業は、セル市場とレンタル市場がともに厳しい状況が続いているが、東映グループの連携を密にして、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品を主力として販売促進につとめ、当期はDVDとブルーレイディスクをあわせて320作品を発売した。その結果、劇場用映画「犬鳴村」に加え、「仮面ライダージオウ NEXT TIME」をはじめとした「仮面ライダー」シリーズのDVD・ブルーレイディスク販売が売上に寄与した。

テレビ事業は、各局間の激しい視聴率競争により番組編成の多様化が進むなか、受注市場は厳しい状況にあったが、作品内容の充実と受注本数の確保につとめ、当期は60分モノの「相棒」「科捜研の女」など59本、30分モノの「仮面ライダーゼロワン」「ヒーリングっどプリキュア」など290本、ワイド・スペシャルモノ「日曜プライム 西村京太郎トラベルミステリー」など27本の計376本を製作してシェアを維持し、また「魔進戦隊キラメイジャー」「仮面ライダーゼロワン」「仮面ライダーセイバー」など、キャラクターの商品化権営業も堅調だった。

コンテンツ事業は、劇場用映画・テレビ映画等の地上波・BS・CS放映権、ビデオ化権の販売に加え、スマートフォンやタブレット端末向け配信サービスに映像ソフトの供給を行なった結果、旧作テレビ時代劇の放映権販売、テレビ映画「相棒」シリーズ等やAmazonプライム・ビデオをはじめとしたVOD事業者向けのコンテンツ販売が好調だった。また、「東映特撮ファンクラブ」における会員数の増加が売上に寄与したそうだ。アニメ関連では、北米向け劇場上映権、北米・アジア向け映像配信権の販売が好調だった。

そのほか、国際営業は、劇場用映画やテレビ映画、キャラクターショーなどの海外販売、「騎士竜戦隊リュウソウジャー」などテレビ映画の海外向け商品化権販売とともに、「アンストッパブル」など外国映画のテレビ放映権の輸入販売を行ない、順調に推移した。

教育映像事業は、教育映像の製作配給・受注製作等を行ない、映文連アワード2020において人権啓発作品「サラーマット ~あなたの言葉で~」が部門優秀賞を受賞した。

撮影所関連営業及びデジタルセンターは、劇場用映画・テレビ映画等の受注製作、部分請負等を行なった。

上記の結果、売上高は811億6900万円(前期比13.5%減)、営業利益は159億6200万円(同17.1%減)となった。

興行関連事業
映画興行業では、自治体による休業要請や政府が発出した緊急事態宣言を受け、4月から5月にかけ東映直営館と株式会社ティ・ジョイ運営のシネコンの営業を全国的に休止した

営業再開後は新型コロナウイルス感染症対策の一環で座席制限を行なうなか、映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」や他社配給作品が好稼働した。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大による損失は大きく、さらに収束の兆しもみえないことから、業績回復には相応の時間が必要だと想定している。

2020年6月24日にティ・ジョイ運営のシネコン「T・ジョイ横浜」が開業し、214スクリーン体制(東映直営館4スクリーン含む)で展開中だ。

上記の結果、売上高は116億2700万円(前期比46.0%減)、営業損失は12億7100万円(前年同期は営業利益18億100万円)だった。

催事関連事業
催事事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、キャラクターショーや文化催事、舞台演劇などが中止になるなど、大変厳しい状況にあった。

この中で、「古代エジプト展」「ムーミンコミックス展」をはじめ、様々なジャンルの展示型イベント、ライブイベントや舞台演劇、人気キャラクターショーなど、各種イベントの提供を行なうとともに、映画関連商品の販売など積極的な営業活動を展開した。

東映太秦映画村は、前期の3月から引き続き、6月中旬にかけて新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休業を行なった。10月3日には、「エヴァンゲリオン京都基地」をグランドオープンしたが、入場制限を行なわざるを得ず、引き続き厳しい状況だと予想している。

上記の結果、売上高は35億2500万円(前期比56.9%減)、営業損失は7億7200万円(前期は営業利益10億5700万円)となった。

観光不動産事業
不動産賃貸業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一部テナントの家賃減免、賃料改定等の対応を余儀なくされ、全体的に大変厳しい状況が続いたという。特に緊急事態宣言発出後は「渋谷東映プラザ」「オズ スタジオ シティ」「新宿三丁目イーストビル」などの賃貸施設は非常に厳しい情勢下にあったそうだ。一方で、住宅、オフィス用途の賃貸物件は堅調に推移した。

ホテル業では、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響で、インバウンド需要が低迷する等、業界環境は非常に厳しい状況だという。当期は、客室を「ワーキングスペース」「サービスアパートメント」などとして販売、また、テイクアウトやデリバリーといった新たな需要の開拓に挑戦するなど、収益の確保に向けて積極的な営業活動を展開した。

上記の結果、売上高は49億8300万円(前期比23.1%減)、営業利益は14億700万円(同48.4%減)となった。

建築内装事業
建築内装事業では、景気見通しが不透明ななか、公共投資は底堅く推移した。

民間設備投資は投資計画の見直しなどがあり、厳しい事業環境が続いている。この状況のなか、従来の顧客の確保および受注拡大を目指して積極的な営業活動を行ない、シネコン関係の工事などを手掛けた。

上記の結果、売上高は63億4200万円(前期比44.0%減)、営業利益は2億8700万円(同131.2%増)となった。

関連サイト

東映株式会社公式サイト
2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

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