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テレビ東京、アニメ部門全体の収入が過去最高を更新 営業利益52億円 2021年3月期決算

テレビ東京

アニメ部門では海外向けの「BORUTO」のSNSゲームの好調が部門売上をけん引。コロナ禍の影響で特別番組やイベント部門が苦戦。

株式会社テレビ東京ホールディングスは、2021年3月期決算短信(連結)を5月13日に発表した。当連結会計年度の連結経営成績は、売上高1390億8400万円(前期比4.2%減)、営業利益52億2800万円(同2.0%増)、経常利益53億4000万円(同3.5%増)、親会社株主に帰属する純利益25億7500万円(同0.6%減)となった。

経営成績に関する説明

地上波放送事業(テレビ東京単体の事業)
放送事業(地上波放送、番組販売)
通常放送部門(レギュラー部門)は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)、テレビ東京単独の首都圏放送(ローカル部門)の両方で、4月クール、10月クールの番組改編に伴う落ち込みがあった。PTセールス(番組時間内に設定されたCMの枠)で順調に推移したものもあったが、全体を補うには至らなかった。

スポーツやイベントなどの特別番組(特番)部門は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が色濃く、「世界卓球2020韓国」の開催中止や他のイベントでの規模縮小などが響いた。

スポット収入は、10月以降少しずつ回復し、特に12月以降は在宅やテレワーク関連を中心に盛りあがりをみせたが、上期のコロナの影響による落ち込みは大きく売上が減少した。

一方、地方放送局などへの番組販売では、コロナの影響でスポーツ中継が中止になった際に需要が増えたりした局面もあったが、年後半からは各局の番組購入費の削減などの影響があった。番組別では「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」や「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」「家、ついて行ってイイですか?」が好調でしたが、「YOUは何しに日本へ?」「昼めし旅」の売上が減少した。

この結果、放送事業収入(売上高)728億6900万円(前期比10.3%減)、粗利益は216億5200万円(同2.7%減)だった。なお、番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は436億2300万円(同8.6%減)だった。

ライツ事業(アニメ、コンテンツ、イベントなど)
アニメ部門は、劇場映画のタイトル数は前年同期比で減少したが、国内では商品化ビジネスが前年並みを維持した。中国をはじめとした海外では「BORUTO」のSNSゲームが売上を伸ばした。配信も、国内外ともに好調だったことから、アニメ部門全体の収入は228億8700万円(前期比6.3%増)と、過去最高を更新した。

放送番組をインターネット配信の課金プラットフォームなどに販売しているコンテンツ部門は、コロナ禍に伴う新作ドラマの制作中断や延期などにより、上期は振るわなかった。下期にはプライム帯ドラマの新番組スタートなどもあり回復傾向となったが、通期では前期比で減収となった。アメリカ アカデミー賞受賞の「パラサイト 半地下の家族」のヒットにより、映画部門が増益となるなどもあったが、国内プラットフォーム向け配信や中国向け番販などが苦戦したことで、コンテンツ収入は54億8600万円(前期比11.4%減)となった。

イベント部門も計画を相次いで縮小、中止せざるを得なくなり、上期はすべての有観客イベントが中止となり、下期には入場者数を制限して開催したフィギュアスケート「ジャパンオープン2020」「カーニバル・オン・アイス2020」のチケット券売が苦戦した。さらには、「ゴッドタンマジ歌ライブ」などが中止となるなか、池袋のMixalive TOKYOを拠点に新規でオンラインイベント「テレ東文化祭」「あちこちオードリー」などを実施したが、年間売上高は7億4000万円(前期比49.3%減)となった。

この結果、ライツ事業収入(売上高)は304億9200万円(前期比1.1%増)、粗利益は103億1700万円(同4.0%減)だった。

上記の結果、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業の決算は、売上高1033億6100万円(前期比7.2%減)、営業利益45億5500万円(同8.8%減)、経常利益59億1200万円(同7.8%減)、税引前当期純利益53億1600万円(同17.9%減)となった。

放送周辺事業(テレビ通販、EC事業、CS有料放送チャンネル、音楽出版、番組制作・販売や放送運営など)
テレビ通販事業を手掛けるテレビ東京ダイレクトは、コロナ禍の巣ごもり需要が追い風となり、除湿剤「出雲屋炭八」などの生活関連商品が人気を集めた。取り寄せグルメ「虎ノ門市場」についても、おせち料理や海鮮セットを中心に大きく売上を伸ばしたことから、同社の売上高は3期連続の増収増益となった。

音楽出版を手掛けるテレビ東京ミュージックは、年間を通して、印税収入が順調に推移し、アニメ関連楽曲やドラマのテーマ曲に加え、配信の楽曲使用料や、海外からの印税も売上に貢献したことから、売上が増加した。

アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛けるエー・ティー・エックスでは、加入促進キャンペーンや企業プロモーションを通して、加入者数の大幅な落ち込みを食い止めたが、放送売上の増加には至らなかった。広告関連事業についても、新型コロナウイルス感染症の拡大による製作スケジュールの遅れが響き、売上が前年よりも大きく減少した。

上記の結果、放送周辺事業全体の売上高は420億1900万円(前期比0.1%増)、営業利益は30億4700万円(同21.0%増)となった。

BS放送事業(BSテレビ東京が手掛ける事業)
放送事業(BS放送)の放送収入のうち、タイム収入では、コロナの影響を大きく受け、「ゴルフ中継」「世界卓球」などのスポーツコンテンツの放送ができなかったが、そのなかで開局20周年記念特番の「日経スペシャルSDGsが変えるミライ~小谷真生子の地球大調査」をはじめとする特番や、通販番組などで巻き返しをはかったが、前期の実績を下回った。スポット収入に関しては、コロナ禍の中でも通販スポンサーを中心に出稿が増えたことに伴い、前期の実績を上回った。それにより、放送収入全体としては、タイム収入減をスポット収入でカバーしきれず、前期の実績を下回る結果になった。

ライツ事業(コンテンツ、イベント他)では、コロナ禍によりコンテンツ制作に一部影響があったが、BSオリジナルの新作の制作を継続、アーカイブ作品とともに配信、ビデオ化、海外販売などを積極的に行なった。イベント事業は大幅規模縮小や延期を行なったが、部門全体では当初の想定を上回る収益を確保することができた。

上記の結果、売上高は160億6500万円(前期比2.0%減)、営業利益は13億6100万円(同5.6%増)となった。

コミュニケーション事業
テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業で構成されている。

当期はコロナ禍による影響があったが、巣ごもり需要を捉えたスヌーピーなどのキャラクターEC事業が一年を通して好調に推移した。

動画配信事業においては再生回数が上昇し、連動する広告売上が大幅に伸びた。

また、新しい取り組みとして、複数のオンラインイベントを開催するなど、新規事業構築にも積極的に取り組んだ。

上記の結果、売上高は60億5700万円(前期比25.9%増)、営業利益は3億1200万円(同2.9%増)となった。

関連サイト

株式会社テレビ東京ホールディングス公式サイト
2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期(2020年度)通期決算補足資料

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