巣ごもり需要などによる電子コミック市場の急拡大で、電子書籍の売上が好調に推移。
株式会社IGポートが、2021年5月期 決算短信（連結）を7月9日に発表した。当連結会計年度の売上高は、出版事業、版権事業が好調に推移したことにより、99億3408万1000円（前期比9.6％増）、営業利益は6億9089万5000円（前期比144.1％増）、経常利益は7億4238万9000円（前期比233.1％増）、映像制作事業と出版事業による固定資産の減損損失の特別損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5億8236万6000円（前期は2281万1000円の親会社株主に帰属する当期純損失）となった。
経営成績に関する説明
映像制作事業
映像制作事業においては、劇場用アニメーション「Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編・後編」「鹿の王」、テレビ用(配信用)アニメーション「NOBLESSE-ノブレス-」「憂国のモリアーティ」「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」「B: The Beginning Succession」等、その他、ビデオ用アニメーション、プロモーションビデオ・CM・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作した。
新規受注の映像制作では、現況にあった確度の高い映像制作予算の策定による受注額の交渉を行なっている。納品しました一部の作品について改善もみられたが、一方、クオリティーを重視した作品については、制作期間が長くなったことや外注費の高騰により、制作赤字や受注損失引当金を計上している。
以上により、当事業の売上高は53億4984万6000円（前期比2.7％減）、営業損失は1億2728万5000円（前期は3533万9000円の営業利益）となりました。
出版事業
出版事業においては、コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」（12点）を刊行した。書籍（コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む）は「魔法使いの嫁」「リィンカーネーションの花弁」「転生貴族の異世界冒険録」の最新刊等、116点を刊行した。書店向け出版売上はメディア化作品を中心に前年を若干上回る結果となったほか、巣ごもり需要を反映した電子コミック市場の急拡大もあり、電子書籍売上は前年対比172％増と好調に推移した。
以上により、当事業の売上高は21億6071万8000円（前期比36.6％増）、営業利益は4億1049万9000円（前期比219.9％増）となりました。
版権事業
版権事業においては、「GREAT PRETENDER」「B: The Beginning」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」「ハイキュー!!」「ヴィンランド・サガ」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。映像マスターとコンテンツ資産の減価償却費は、前期に比べ4582万9000円減少した。
以上により、当事業の売上高は21億3155万9000円（前期比22.1％増）、営業利益は4億9527万2000円（前期比81.8％増）となりました。
その他事業
その他事業においては、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、当事業の売上高は2億9195万6000円（前期比23.2％増）となり、営業利益は3572万5000円（前期は4312万8000円の営業損失）となった。