韓国で主力タイトルが伸び悩み当第2四半期累計期間は減収減益。北米及び欧州エリアでは黒字転換を達成。
株式会社ネクソン(以下、ネクソン)は、2021年12月期第2四半期決算短信(連結)を8月11日に発表した。当第2四半期連結累計期間は、売上収益は1443億2200万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は587億3000万円(同14.0%減)、税引前四半期利益は774億7000万円(同10.6%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は549億9100万円(同21.1%減)となっている。
経営成績に関する説明
ネクソンの当第2四半期累計期間は、引き続きPCオンライン事業及びモバイル事業を展開し、ユーザーに楽しんでもらえる高品質なゲームの開発、コンテンツの獲得、新規ゲームタイトルの配信につとめるとともに、既存ゲームタイトルのアップデートを推し進めてきた。具体的には、(ⅰ)大規模マルチプレイヤーオンラインゲームへの注力、(ⅱ)PC、コンソール及びモバイル等、あらゆるプラットフォームでのサービス提供、(ⅲ)自社IPの活用、(ⅳ)特別に価値のある新規IPへの投資、を集中戦略として設定し、グローバル事業の成長に取り組んできた。
当第2四半期連結会計期間においては、高い比較対象である前第2四半期連結会計期間との比較により、売上収益が前年同期比で減少した。
韓国においては、『EA SPORTS FIFA ONLINE 4』及び『サドンアタック(Sudden Attack)』が前年同期比で成長したが、『メイプルストーリー(MapleStory)』及び『アラド戦記(Dungeon&Fighter)』の売上収益が前年同期比で減少したことから、PCオンラインゲームの売上収益は前年同期比で減少した。
『メイプルストーリー』については、2月後半に発生した確率型アイテムに関するユーザーからの指摘に対応し、補償の提供や有料確率型アイテムの確率公開、ユーザーとの対話など、あらゆる対応を迅速に進めてきた。その結果、2月から減少していたアクティブユーザー数は、4月後半以降安定化しはじめ、6月17日に実施した夏季アップデートにより、6月後半には一定の回復がみられた。現在も信頼回復に向けた取り組みの途上であり、アイテム獲得率のモニタリングシステムの導入や、ユーザーフィードバックをもとにしたゲームエクスペリエンスや利便性の向上など、これからもユーザーの信頼回復及びより良いゲーム作りに注力していく。
モバイルゲームでは、『V4』及び『KartRider Rush+』の売上収益が減少したものの、『風の王国:Yeon(The Kingdom of the Winds:Yeon)』による増収寄与や、『EA SPORTS FIFA ONLINE 4M』の成長により、売上収益が前年同期比で増加した。その結果、韓国全体では、売上収益が前年同期比で横ばいとなった。
中国においては、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。『アラド戦記』については、ユーザー指標の減少が続くなか、6月17日に実施した13周年アップデートによりユーザー指標が反発したが、当第2四半期連結会計期間全体としては、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数が前年同期比で減少した結果、売上収益は減少した。
日本においては、前連結会計年度に配信を開始した『V4』及び『EA SPORTS FIFA MOBILE』に加えて、第1四半期連結会計期間に配信を開始した『ブルーアーカイブ(BlueArchive)』の増収寄与があったものの、『TRAHA』や『メイプルストーリーM』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。
北米及び欧州においては、主に『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』が増収したものの、『Choices: Stories You Play』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。
その他の地域においても、『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』が増収したものの、『KartRider Rush+』や『V4』の減収により、売上収益が前年同期比で減少した。
費用面では、主に韓国における新報酬制度の導入による人件費の増加や、『風の王国:Yeon』と『EA SPORTS FIFA ONLINE 4』に係るロイヤリティ費用の増加により、売上原価が前年同期比で増加した。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費やモバイルゲームによるプラットフォーム手数料が減少した一方、韓国における新報酬制度の導入やストック・オプション費用の増加による人件費の増加及び研究開発費の増加により、前年同期比で増加した。
また、当第2四半期連結会計期間において外貨建ての現金預金等について為替差損が発生したが、前第2四半期連結会計期間にこれを上回る為替差損が発生していたことから、前年同期比で金融費用は減少した。
加えて、当第2四半期連結会計期間に投資した暗号資産について、暗号資産の市場価格の変動により、再評価による損失45億円を計上している。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間の売上収益は560億900万円(前年同期比13.1%減)、営業利益は154億900万円(同42.3%減)、税引前四半期利益は138億9500万円(同43.7%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は89億5700万円(同54.7%減)となった。
報告セグメントの当第2四半期連結累計期間の業績は、次のとおり。
日本
当第2四半期連結累計期間の売上収益は23億6500万円(前年同期比20.4%増)、セグメント損失は47億3400万円(前年同期は12億7900万円の損失)となった。
韓国
当第2四半期連結累計期間の売上収益は1316億700万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益は638億7200万円(同15.6%減)となった。韓国セグメントの売上収益には、子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLE INC.の中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれている。
中国
当第2四半期連結累計期間の売上収益は17億2300万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益は10億3400万円(同9.0%増)となった。
北米
当第2四半期連結累計期間の売上収益は80億5000万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は7億8100万円(前年同期は5億6300万円の損失)となりました。
その他
当第2四半期連結累計期間の売上収益は5億7700万円(前年同期比55.4%減)、セグメント損失は22億8100万円(前年同期は10億2800万円の損失)となりました。