モバイルゲーム事業は、『転スラゲーム』などの堅調な推移やコスト削減施策で黒字転換。
株式会社モブキャストホールディングス(以下、モブキャストHD)が2021年12月期第2四半期決算短信(連結)を8月12日を発表した。当第2四半期連結累計期間のモブキャストHDグループの売上高は、23億7668万円(前年同四半期比37.6%減)、営業損失は1億5447万9000円(前年同四半期は営業損失3億2818万6000円)、経常損失は1億8673万8000円(前年同四半期は経常損失4億860万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億5497万9000円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益5億9408万円)となった。
なお、営業外費用として「支払利息」1343万6000円、「持分法による投資損失」として1097万1000円、さらにトムス株式を売却したことにより、特別利益として「投資有価証券売却益」6480万円、特別損失として「情報セキュリティ対策費」2819万7000円を計上している。
経営成績の説明
当第2四半期連結累計期間においてモブキャストHDは、前連結会計年度に引き続き、各社ごとにおける戦略に沿って、売上、利益の拡大をはかるとともに、エンターテインメント分野における新たな事業領域への拡大を目指し新規の投資案件を継続して探している。なお、モブキャストHDが保有していたトムス株式については、2020年6月26日に80%を譲渡し、2021年2月12日に残数すべてを譲渡した。
モバイルゲーム事業
モバイルゲーム事業については、前連結会計年度において、子会社であるモブキャストゲームスを存続会社として株式会社ゲームゲートを吸収合併した。それに伴い、ゲームゲートの得意分野であるアニメ等のIPを使用するゲームを中心としたデジタルコンテンツのプロデュースを戦略の軸として進めている。
売上については、『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記(ロードオブテンペスト)~(転スラゲーム)』は、TVアニメ第2期第1部(2021年1月~3月)の放送に伴う連動施策を実施した事による好影響が当期も継続し、堅調に推移した。また、2021年6月2日に日本国内で配信を開始した『sin 七つの大罪 X-TASY』は、App StoreとGoogle Playにて無料ゲームランキング1位を記録し、幸先の良いスタートをきった。加えて、プロ野球最強オーダー編成バトル『モバプロ』及び2021年2月に日本国内で配信を開始した『盾の勇者の成り上がり~RERISE~』についても引き続き堅調に推移している。その結果、売上高は10億2796万9000円(前年同四半期比33.2%減)となった。
さらに、前連結会計年度においてゲーム事業の体質改善を行ない、当期も引き続きコスト削減を推し進めた事もあり、営業利益は6780万1000円(前年同四半期は営業損失869万8000円)となった。
キッチン雑貨事業
キッチン雑貨事業を営む株式会社ゆとりの空間は、雑誌やテレビなどのメディアでなじみ深い料理家の栗原はるみ氏が暮らしを楽しむコツやライフスタイルを提案する生活雑貨ブランド「share with Kurihara harumi」とレストラン&カフェ「ゆとりの空間」をプロデュースし、オリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、インテリア小物、エプロン、ウェアなどを全国の百貨店、アウトレットなどで販売している。また同じく料理家である栗原心平氏が出演するYou Tube公式チャンネル「ごちそうさまチャンネル」を開設、動画内で使用したキッチンアイテムやこだわりの商品、厳選した産地直送の食品を販売する「ごちそうさまチャンネル Officialオンラインショップ」を展開し、新たな顧客獲得を進めている。
全国の百貨店などに出店している小売店舗については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による度重なる緊急事態宣言・まん延防止等重点措置によって、外出自粛や出店している一部の百貨店からの要請による臨時休業・営業時間の短縮を行なうなど、依然として厳しい状況が続いている。
そのような状況下において、5月に「初夏のファッションフェア」、6月には「サマ―セール」を開催したことに加え、6月20日には3回目の緊急事態宣言が解除され一時的に客足が回復したことによって、売上は堅調に推移した。また、モブキャストグループ参画後より強化しているEコマースは、6月の「サマ―セール」にて売上を伸ばしたものの、オンラインショップへの不正アクセスが発覚し(2021年3月31日付開示「当社子会社が運営するオンラインショップへの不正アクセスによる個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」)、クレジットカード決済を一時休止したこともあり前四半期比10.4%の減収となった。しかしながらロイヤリティ収入などが下支えとなり、売上高は13億3036万8000円(前年同四半期比12.6%増)、営業損失は1970万2000円(前年同四半期は営業損失797万6000円)となった。また、前年同四半期については、新型コロナウイルス感染症による休業に関わるコストを特別損失として計上している。