リリース7周年を迎えるIPゲームアプリがイベントなどを追い風に好調に推移。ゲーム事業の収益性が向上。
株式会社ドリコム(以下、ドリコム)が、10月29日に2022年3月期第2四半期決算短信[日本基準](連結)を発表した。ドリコムグループの当第2四半期連結累計期間の売上高は51億8485万円(前年同期比16.2%減)、営業利益は9億6737万円(同8.1%減)、経常利益は9億4128万8000円(同8.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億1206万1000円(同25.9%減)となった。
経営成績の説明
ドリコムグループはスマートフォン向けサービスの提供を主な事業と位置付け、既存サービスの拡充および新規サービスの開発に注力している。
主力事業のゲーム事業では、長年のIPゲームの開発・運用で培ったノウハウを生かし、運用中のIPゲームの収益拡大と新規IPゲームの開発を通じた事業拡大に取り組んでおり、メディア事業では、次世代の主力事業創出を目的とした新規サービスの開発・運用にも取り組んでいる。
当第2四半期連結累計期間においては、リリース7周年目のIPゲームアプリが9月に実施したイベントを追い風に好調に推移した。また、運用中タイトルの多くは第1四半期に引き続き安定的に利益を計上しており、主力のゲーム事業の収益性の向上が継続し、事業の安定性も増している。
売上高は巣ごもり需要の追い風が弱まったこと、複数の運用中タイトルのクローズおよび広告事業からの撤退に伴い、前年同期比で減少したものの、費用については一層のコスト効率化を意識した運用体制を敷いたこと、および開発の進捗により資産計上額が増加したことから、前年同期比で減少した。しかしながら、減収が費用減を上回ったことから、営業損益、経常損益および親会社株主に帰属する四半期純損益のいずれも前年同期比で減少した。
当第2四半期連結累計期間のセグメントごとの状況は次のとおり。
ゲーム事業
当事業セグメントはゲームの開発・運営が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルIPゲームの開発・運営を行なっている。
他社IPゲームにつきましては、当社の主力タイトルの1本であるIPゲームアプリで9月に実施したイベントが好調な推移となり、5月の周年イベントに迫る水準での収益貢献となった。その他のタイトルも、多くのタイトルが堅調な推移を維持したものの、前期にみられた巣ごもり需要の弱化、複数タイトルのクローズに伴う運用タイトル数の減少やリリースからの経年の影響もあり、売上高は前年同期比で減少した。
利益については、引き続き運用費用の効率化に取り組んだほか、新規タイトルの開発が進展したことから資産計上額の増加し、前年同期比で費用は減少した。しかしながら、減収影響を補うに至らず、前年同期比で減益となった。
以上の結果、セグメント売上高は51億1937万8000円(前年同期比16.4%減)、セグメント利益は11億1097万円(同10.1%減)となった。
引き続き主力事業である当セグメントの売上高、営業利益の増伸につとめていく。
メディア事業
メディア事業では、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である『DRIP(Drecom InventionProject)』のもと、ドリコムの有するインターネットサービスの知見をいかした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねた。主力の位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム『AROW』では、事業化と『AROW』を活用した新規タイトルの開発が進んだ他、音楽領域での新たな試みである『AKROGLAM』やtwitterを活用したマーケティングサービス『Rooot』、ドリコムが過去大規模サービスの開発・運用から培ったノウハウをいかした「負荷テストサービス」などのゲーム事業以外の領域での新規サービスの拡大に注力した。『Rooot』については、2021年8月には導入社数が20社を超えるなど、サービスの拡大が着実に進んでいる。
売上高につきましては『Rooot』のサービス拡大の結果、前年同期比で増加した。しかしながら多くのサービスが事業開発段階にあり費用先行が続いていることから、利益につきましては前期同様引き続き損失を計上している。
以上の結果、セグメント売上高は6547万1000円(前年同期比5.8%増)、セグメント損失は1億4359万9000円(前年同期はセグメント損失1億8332万6000円)となった。
今後については、主力のゲーム事業の一層の採算性向上に取り組むほか、下半期に予定している複数の新規タイトルのヒットに向けサービスの作りこみやマーケティングに注力するほか、新規事業開発においてもゲーム以外のエンターテインメント領域での事業開発に注力し、当社グループの中長期の目標であるIPを軸とした総合エンターテインメント企業への成長を目指していく。
なお、今期においても、新型コロナウイルス感染症の流行を引き続き経営上の大きなリスクと認識し、安定的な利益の創出とキャッシュフローの確保を優先事項と位置づけ、将来への投資を積極的に行ないつつ、利益とキャッシュフローを圧迫しないという前提を据えた保守的な姿勢も意識したバランスの取れた経営に取り組んでいく。