プラットフォームセグメントの主力事業の書籍が急成長。「まんが王国」でも過去最高売上高を更新。
株式会社ビーグリー(以下、ビーグリー)は、2021年12月期第3四半期決算短信[日本基準](連結)を11月12日に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は141億793万1000円、営業利益は9億4642万7000円、経常利益は8億4013万8000円、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億3830万2000円となった。
経営成績の説明
当第3四半期連結累計期間、ビーグリーグループは「まんが王国」のブランド構築や規模拡大に注力した。また、ぶんか社グループのコンテンツが順調に成長してきており、蓄積された豊富な作品だけでなく良質な新作を継続的に発行することで、コンテンツプロデュースの源泉となっている。ビーグリーグループ内でもメディアミックス展開の重要な原動力として存在感を強めており、グループ内シナジー発現に向け、引き続き連携を深めている。なお、ビーグリーグループでは昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の情勢に鑑み、お取引先の皆様、従業員並びに関係者の皆様の安全確保と感染予防・拡大防止に向けた対応を進めるとともに、事業成長との両立につとめている。
このような経営環境において、前期第4四半期より連続して過去最高売上を更新した。
セグメントごとの経営成績は、次のとおり。
プラットフォームセグメント
プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンやブランディング活動に注力した。
「まんが王国」サイト内で展開しているポイント購入と消費の両方であわせて毎日最大50%還元されるポイントプログラムの常時実施だけでなく、お得感の訴求や幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行なった。また、ユーザーの興味・関心を促進し、サイトへの流入を促す広告宣伝活動も積極的に実施している。
このように「まんが王国」は、お得感No.1(2020年10月から11月に実施された第三者調査機関による電子コミックサービスに関する調査で最もお得に感じるサービス第1位を獲得。)のコミック配信サービスとしてサイト内外で様々な企画を推進した。
コンテンツの拡充と差別化の一環として、新たにタテヨミ作品の配信や、TOKYO MXほかで放送中のTVアニメ「白い砂のアクアトープ」のコミカライズ連載を開始した。更に、独占先行配信作品をヒットさせたことによって、サービスの活性化と積極的な広告宣伝活動を実行した。
この結果「まんが王国」は2021年9月に会員登録数が550万人を突破し、過去最高速度で50万人増を達成する等継続成長を実現させ、3四半期連続で過去最高売上高を記録した。
小説投稿サービス「ノベルバ」においては、人気声優やアナウンサーが朗読したボイスノベルを配信する等、コンテンツの差別化に向けた新たな試みを行なった。
また、オリジナルレーベルの投稿小説コンテストを定期的に設け、投稿作家から商業作家へのデビューを支援している。加えて、グループ間シナジーの創出にも取り組んでおり、第1回「ノベルバノベルズ登竜門」(投稿小説コンテスト)ではグループ会社である株式会社ぶんか社のBKコミックスにてコミカライズを行なうことが確約された「BKコミックス特別賞」を選出した。
IPプロデュースにおいては、配信中のスマートフォンゲーム「無職転生~ゲームになっても本気だす~」にて、2021年9月に大人気アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」とのコラボイベントを実施する等、ゲーム内コンテンツの充実を進めるとともに、収益改善に向け運営体制の見直しを行ない、同年10月に開発・運営会社の移管を完了した。
これらの結果、当セグメントの売上高は94億338万3000円、営業損失は1368万4000円となった。
コンテンツセグメント
コンテンツセグメントにおいては、ぶんか社グループである海王社において毎年7月の海の日に実施する「海王社の日」フェア等の各種キャンペーンが効果的だったため、引き続き好調に推移いたしました。デジタルシフトも順調に進捗しており、2021年9月末時点でデジタル比率64%と、好調な業績を牽引している。
また紙出版においても、コミックスで女性向け作品を中心に16タイトルの重版を積み上げ、定期誌も引き続きクルマジャンルを中心に堅調に推移している。
注力分野として新たに立ち上げたライトノベル事業においては編集・制作活動と並行して8月にはコミカライズ5作品の配信を開始する等、精力的に展開した。
これらの結果、当セグメントの売上高は48億3409万8000円、営業利益は9億6000万2000円となった。なお、識別可能資産及び負債の特定が完了し、その結果第1四半期及び第2四半期ののれん償却費及び出版権の償却費の追加分として、6223万2000円が新たに計上されている。