デバッグ・検証事業でゲームソフトメーカー向けアウトソーシングサービスの受注を推進。ノンゲーム市場の第三者検証サービスの受注も増加。
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社(以下、PPHD)は、2022年1月期第3四半期決算短信[日本基準](連結)を12月3日に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は243億3489万4000円(前年同期比26.7%増)、営業利益は24億2261万3000円(同8.6%増)、経常利益は24億2896万8000円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16億2416万円(同5.8%増)となった。
経営成績の説明
PPHDグループの主要事業であるデバッグ・検証事業の関連市場においては、世界的な感染症拡大に伴う外出自粛により、ゲームソフト市場が拡大しているが、ハード市場では半導体不足の影響を受けている。一方、ネットサポート事業の関連市場においては、同様に、非対面型、非接触型サービスであるEコマース、キャッシュレス決済市場が拡大している。また、感染症拡大は、学校における授業のオンライン化を促進させることになり、政府によるGIGAスクール構想の重要性も増している。
PPHDグループにおいては、顧客企業の事業多角化や海外展開、業務プロセスの高度化や複雑化に伴い発生する業務のアウトソーシング事業者として、「人」によるチェック、テスト、モニタリングや審査等のサービスを提供している。
市場において新たなサービスが創出されることにより、デバッグ・検証事業及びネットサポート事業ともにビジネスチャンスにつながっている。
当第3四半期連結累計期間においては、PPHD及び主要子会社の営業・管理部門を同一オフィスへ集約するため、2月に本社移転・増床を行なった。また、PPHDは経営効率化の観点から、3月に中間持株会社であるペイサー株式会社を吸収合併した。
ポールトゥウィン株式会社では、メディア・コンテンツ関連事業の拡大を図ることを目的として、2月に株式会社CREST(以下、CREST)へゲームの難易度等のチューニング、開発サポートに関する事業を譲渡した。また、ゲーム以外のソフトウェアやシステム開発を受託すると同時に第三者検証サービスも受託することを目的として、7月に株式会社MSDホールディングスを子会社化した。
株式会社キュービスト(以下、キュービスト)及びCRESTは、両社のメディア・コンテンツ事業分野におけるシナジーを向上させるために、4月に同一ビルへ本社移転・増床を行なった。キュービストでは、ゲームグラフィック受託開発のシェア向上を目的として、8月にPanda Graphics株式会社を子会社化した。エンタライズ株式会社では、音声収録に関する対応能力向上を目的として、8月に株式会社デルファイサウンドを子会社化した。
ピットクルー株式会社では、今後の受注増加を見据え、7月に新潟サービスセンター開設、仙台サービスセンターを移転・増床した。また、経営資源の集約、効率化を目的としてアイメイド株式会社を吸収合併した。海外では事業拡大を目的として、OneXP LLC(米国現地法人)、OneXP UK Limited(英国現地法人)、1518 Studios Rus LLC(ロシア現地法人)及び SIDE France SAS(フランス現地法人)を設立した。国内拠点と海外12ヵ国21拠点の連携により、デバッグ、ローカライズ、音声収録、ゲーム開発・マーケティング支援、モニタリング、カスタマーサポート等の「ワンストップ・フルサービス」の提供をグローバルで推進した。
セグメントごとの経営成績は、次のとおり。
デバッグ・検証事業
当事業においては、国内外グループ会社の連携をはかることで、国内外ゲームソフトメーカーのグローバル展開サポートに努め、デバッグ、ローカライズ、カスタマーサポート(海外)、音声収録等のゲームソフトメーカー向けアウトソーシングサービスの受注を推進した。
株式会社クアーズでは、ノンゲーム市場における第三者検証サービスの受注が増加した。
キュービスト、株式会社カラフル、Panda Graphics株式会社、CRESTでは、グラフィックやゲーム・アニメ制作に関連するメディア・コンテンツ事業の拡大を推進いたしました。株式会社CRESTでは、7月に『ARIA CHRONICLE -アリアクロニクル-』(ニンテンドースイッチ版)、9月に『METALLIC CHILD』(ニンテンドースイッチ版、Steam版)をリリースした。
また、ポールトゥウィン株式会社では政府のGIGAスクール構想に基づく学校ICT化サポート事業者として、タブレット端末のキッティングサービスを受注した。
この結果、デバッグ・検証事業の売上高は186億4110万8000円(前年同期比29.3%増)となったが、M&Aに関連する一時費用やゲーム・アニメ制作をはじめとしたメディア・コンテンツ事業の拡大に関連する先行費用が増加し、営業利益は18億2166万7000円(同3.9%減)となった。
ネットサポート事業
当事業においては、QRコード決済や仮想通貨等のフィンテック関連サービスにおける不正モニタリング、本人確認手続き、アンチマネーロンダリングや振る舞い検知サービスの受注が増加した。AI関連サービスにおけるデータ認識評価や、デバッグ・検証事業との営業連携によりゲーム市場向けのカスタマーサポートの受注も増加した。また、ピットクルー株式会社では政府のGIGAスクール構想に基づく学校ICT化サポート事業者として、ICT環境整備の設計等のサービスを受注した。
この結果、ネットサポート事業の売上高は54億9849万6000円(前年同期比 18.0%増)、営業利益は6億480万2000円(同 62.7%増)となった。
その他
Palabra株式会社において、今後の映像バリアフリー化時代を見据え、テレビ番組や映画のバリアフリー字幕や音声ガイド制作のサービスを提供している。ピットクルー株式会社では旧アイメイド株式会社の事業を譲受し、医療機関で働く外国人人材のビザ取得や就学等、国内生活手続きをサポートするサービスを提供している。
当事業の売上高は1億9528万9000円(前年同期比 51.6%増)、営業損失は 2450万7000円(前年同期は9753万5000円の損失)となった。
関連リンク
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社
2022年1月期第3四半期決算短信[日本基準](連結)
2022年1月期第3四半期決算補足資料