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トーセ、平成29年8月期決算を発表。営業利益は3億700万円。

トーセ

「Nintendo Switch」向けソフトの開発案件が増加。今後の増加傾向にも対応しさらなる成長を目指す。

株式会社トーセ(以下、トーセ)は、平成29年8月期決算を発表した。当期売上高は47億500万円(前連結会計年度比3.5%減)、営業利益は3億700万円(同18.6%増)、経常利益は4億600万円(同102.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億900万円(同125.3%増)となった。

経営成績の概況

「プレイステーション4」の普及拡大が続く中、「Nintendo Switch」が好調な売れ行きを見せるとともに、ゲーム会社各社の有力タイトルがミリオンセラーとなるなど明るい動きがみられた。

一方、スマートフォンゲーム市場は、大手ゲームメーカーによる有力コンテンツの積極的な展開などにより成熟化が進み、ユーザー獲得に向けた競争がより激化。トーセグループは平成28年8月期よりスタートした中期経営計画の2年目を迎え、「サービス業務の拡大」「グローバル化の推進」「サービス分野の拡大」「収益基盤の拡充」の重点施策に取り組み、中長期的な企業価値と資本効率の向上に努めていく。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、スマートフォン向けゲームの開発依頼が増加したことで、モバイルコンテンツ関連の売上が大幅に伸長したものの、前連結会計年度に比べて「プレイステーション4」向けを中心に家庭用ゲームソフトの大型タイトルの開発完了が少なかったことなどにより、売上高は47億500万円(前連結会計年度比3.5%減)となった。

利益面に関しては、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、営業利益3億700万円(同18.6%増)となった。また、円安の進行に伴い保有・運用する外貨建資産の運用益や為替差益を想定以上に計上し、経常利益は4億600万円(同102.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億900万円(同125.3%増)となった。

開発完了タイトルは、家庭用ゲーム機向け10タイトル、パソコン向け6タイトル、パチンコ・パチスロ向け1タイトル、アミューズメント向け2タイトル、携帯端末向け14タイトル、合計33タイトルとのこと。

各セグメントの業績は以下。

デジタルエンタテインメント事業
ゲームを中心とするデジタルコンテンツの企画・開発・運営などの受託を行なっている。

ゲームソフト関連の売上は、「Nintendo Switch」向けソフトの開発案件が増加したが、前連結会計年度に比べて「プレイステーション4」向けを中心に家庭用ゲームソフトの大型タイトルの開発完了が減少した影響で、18億5100万円(前連結会計年度比25.0%減)となった。

モバイルコンテンツ関連では、スマートフォン向けゲームの案件において有力なIP(知的財産)などを活用した大型タイトルの開発を完了したことで開発売上が伸長し、20億3200万円(同30.1%増)となった。

パチンコ・パチスロ関連、規制強化の影響により引き続き厳しい受注環境が続いたものの、4億8500万円(同10.6%増)となった。

以上の結果、当事業の売上高は43億6900万円(同2.2%減)、営業利益は4億8100万円(同2.0%減)となった。

その他事業
東南アジア向けコンテンツ配信事業やSI事業、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズによる家庭用カラオケ楽曲配信事業やパソコン向けアバター制作業務などの新規事業を展開。

前連結会計年度に引き続きSI事業においてスマート家電専用アプリの開発が好調に推移。一方で、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズにおいてパソコン向けアバター制作業務を中心に開発売上が低調に推移。

以上の結果、売上高は3億3600万円(前連結会計年度比17.0%減)となった。また、東南アジア向けコンテンツ配信事業に関しても、事業戦略の見直しに伴い、たな卸資産の費用処理の結果、一時的に費用がかさんだことから、営業損失1億7300万円(前連結会計年度は営業損失2億3100万円)となった。

今後の見通し

「Nintendo Switch」の好調な売れ行きを背景としたゲームソフトメーカー各社による「Nintendo Switch」向けソフトの開発意欲が高まるなど、家庭用ゲーム市場の復調が期待される状況となっている。一方、スマートフォンゲーム市場の成熟化が進む中、ユーザーを獲得するためには、有力なIP(知的財産)を活用した品質の高いコンテンツの供給が求められ、開発費、運営費及びプロモーション費用が増加する傾向にある。この事業環境のもと、試作を含め「Nintendo Switch」向けの開発案件の依頼や引き合いが増加傾向となり、新ハードに対する技術力を強化していく。

また、当連結会計年度に開発を完了した大型のスマートフォン向けゲームに関しては、今後顧客による本格的なプロモーション活動の実施を通じて、ユーザー数を伸ばし、課金売上を増大させるための大事な時期を迎えることになる。

トーセグループとしては、当該プロモーション活動に連動した運営業務を着実に遂行し、売上拡大に取り組んでいく。また、グループの強みである技術力・開発力を活かした企画・提案力の向上に努めるとともにDevOps(開発・運用が一体となったソフトウェア開発体制)を強化することで、開発業務から運営業務をワンストップで行う開発サービスをより柔軟かつ迅速に推進するなど、既存事業の深化を図り、収益性の高い案件の受注拡大を進めていく。

これらを実行するため、成長の源泉である人材の育成や優秀な人材の確保が必要であり、社員教育の充実や採用活動の強化にも取り組む。

この結果、平成30年8月期の連結業績予想に関しては、売上高56億5400万円(当連結会計年度比20.2%増)、営業利益5億1000万円(同65.7%増)、経常利益5億5300万円(同36.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億800万円(同47.1%増)を予定していると発表。

また、平成27年10月22日に公表した中期経営計画に基づき、中長期的な企業価値と資本効率の向上に向けて「サービス業務の拡大」「グローバル化の推進」「サービス分野の拡大」及び「収益基盤の拡充」の重点施策に取り組んできた。

その結果、大型ハイエンド機向けの開発案件に着実に対応できたことや大型のスマートフォン向けゲームの開発・運営体制の構築、非ゲーム分野への対応力強化を推進することができたものの、数値目標である2016年8月期から2018年8月期の3年間累計で、連結経常利益25億円、2018年8月期における連結ROE8%については、家庭用ゲームソフトやスマートフォン向けゲームにおける開発業務の大型化・高度化に伴う開発スケジュールの頻繁な変更及びトーセグループを取り巻く事業環境の急変により、達成困難な状況となった。

中期経営計画で掲げた基本方針には変更がなく、引き続き「サービス業務の拡大」「グローバル化の推進」「サービス分野の拡大」「収益基盤の拡充」の重点施策に取り組み、中長期的な企業価値と資本効率の向上に努めていくと発表した。

関連サイト

株式会社トーセ公式サイト
平成29年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

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