アニメのCG制作費の高騰や制作期間の長期化で損失が拡大。出版事業では、コミックスの書店流通向けの売上低調で減収減益。
株式会社IGポート(以下、IGポート)は、平成31年5月期第3四半期決算を4月12日(金)に発表した。当期の連結経営成績に関しては、売上高は66億9600万円(前年同期比4.4%増)、営業損失5億1700万円、経常損失は5億1800万円、親会社に帰属する四半期純損失は5億700万円だった。
経営成績に関する説明
IGポートグループは、アニメーション作品の企画や制作を行なう映像制作事業、コミック雑誌などの企画から販売、電子コミックスの配信を担当する出版事業、作品の二次利用による印税や収益分配金などを得る版権事業に取り組んでいる。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は66億9643万円(前年同期比4.4%増)、経常損失は5億1863万円(前年同期は5億9673万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は5億789万円(前年同期は2億4219万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)だった。
セグメント毎の業績は以下。
映像制作事業
劇場用アニメーション「バースデー・ワンダーランド」、配信用アニメーション「ULTRAMAN」、テレビ用アニメーション「フューチャーカード 神バディファイト」「風が強く吹いている」などのアニメや、ゲーム用のアニメを制作。
新規受注の映像制作では、現況にあった確度の高い映像制作予算の策定による受注額の交渉を始めているが、前連結会計年度から続いている映像制作については、引き続きCG制作費や外注費の高騰、制作期間の長期化により厳しい状況が続いている。
上記の結果、売上高は46億9197万円(前年同期比30.1%増)、営業損失は5億3100万円(前年同期は3億9947万円の営業損失)だった。
出版事業
新刊の月刊誌「コミックガーデン」、コミックス『魔法使いの嫁 10巻』『あまんちゅ! 13巻』『リィンカーネーションの花弁 9巻』など、定期月刊誌9点、新刊コミックス・書籍61点を刊行した。
既刊コミックスの「リィンカーネーションの花弁」シリーズは、特に販売好調であったが、前年度にメディア化された「魔法使いの嫁」や「曇天に笑う」などの既刊コミックスの需要が一巡したこともあり、書店流通向けの売上が低調に推移した。
上記の結果、売上高は7億7895万円(前年同期比39.8%減)、営業利益は5439万円(同84.5%減)だった。
版権事業
「魔法使いの嫁」「進撃の巨人」「銀河英雄伝説 Die Neue These」「B: The
Beginning」などのシリーズを中心に、二次利用による収益分配を計上。
「魔法使いの嫁」の海外販売が落ち着いたことや、前年同期に比べて映像マスターやコンテンツ資産などの減価償却費が2億6532万円増加したことで、減収減益となった。
上記の結果、売上高は10億5362万円(前年同期比20.1%減)、営業利益は3610万円(同94.7%減)となった。
その他
雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品化、スマートフォン向けアプリなどを展開。
上記の結果、売上高は1億7188万円(前年同期比10.9%減)、営業損失は366万円(前年同期は2084万円の営業損失)となった。