人気シリーズの続巻や電子書籍のレンタルサービス拡大などが売上増加に寄与したことで、過去最高の売上高、利益を達成。
株式会社アルファポリス（以下、アルファポリス）は、2019年3月期決算を5月10日（金）に発表した。当期経営成績については、売上高49億7700万円（前期比18.1％増）、営業利益13億5800万円（同79.3％増）、経常利益13億5700万円（同79.2％増）、当期純利益8億4200万円（同64.1％増）だった。
経営成績に関する説明
アルファポリスは、「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションのもと、インターネット時代の新しいエンターテインメントを創造することを目的も、インターネット上で話題となっている小説やマンガなどのコンテンツを書籍化する事業に取り組んできた。
ライトノベル
当事業年度の刊行点数は、前期を下回る208点（前期比17点減）となった。
各書籍の売行きについては、「ゲート SEASON2」や「とあるおっさんのVRMMO活動記」などの人気シリーズの続巻が堅調に推移したことに加え、Webサイトへの投稿作品「追い出された万能職に新しい人生が始まりました」などの新シリーズが好調なスタートを切り、売上を大きく伸長した。
電子書籍においても、親和性の高い女性向け小説を中心に好調を維持するとともに、Webサイトで展開中のレンタルサービスの拡大などが売上の増加に寄与した。
それにより、ライトノベルの売上高は前期を上回るとともに、当第4四半期会計期間における売上が四半期単位での過去最高を更新した。
マンガ
刊行点数は前期を大幅に上回る91点（前期比16点増）となった。
各書籍の売行きについては、「Re:Monster」や「THE NEW GATE」などの既存の人気シリーズの続巻が引続き順調であった。それに加え、「いずれ最強の錬金術師？」などのライトノベルヒット作の新規コミカライズが、好調に推移した。
また、積極的な刊行を計画、実施するなど、戦略的に注力してきたことで、出荷タイトル数と発行部数が大幅に増加。それに比例し、本ジャンルと親和性の高い電子書籍販売についても、大きく売上を伸ばす結果となった。
以上の結果、売上高が前期を大きく上回り、当第4四半期会計期間における四半期単位での売上高は、ライトノベルと同様に過去最高を更新した。
文庫
刊行点数は、前期を上回る147点（前期比18点増）となった。
人気シリーズの「居酒屋ぼったくり」や「自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。」の文庫版の販売が好調となり、業績を牽引した。
また、キャラ文芸小説の「あやかし蔵の管理人」の続巻や時代小説の「居残り方治、憂き世笛」など、取扱いジャンルの拡大を企図した幅広い分野にわたって、刊行を積極的に行なってきた。
それにより、文庫の売上高は前期を上回る金額を記録した。
その他
刊行点数は前期を下回る23点（前期比1点減）となった。
シリーズ発行部数累計92万部を突破した「居酒屋ぼったくり」の単行本を刊行し、当該タイトルが売上を大きく牽引した。
一方、その他の刊行書籍の発行部数は前期には及ばず、売上高が前期を下回る結果となった。
以上の結果、当事業年度の売上高は49億7758万円（前期比18.1％増）、営業利益は13億5822万円（同79.3％増）、経常利益は13億5717万円（同79.2％増）、当期純利益は8億4234万円（同64.1％増）となり、売上高、利益ともに過去最高を更新した。