ユーザー消費額の減少により、ゲーム事業が減収。費用面では販売促進費や広告宣伝費、業務委託費などを中心に強化。
株式会社ディー・エヌ・エー（以下、DeNA）は、2019年3月期決算を5月10日（金）に発表した。当期連結経営成績については、売上収益は1241億1600万円（前期比11％減）、営業利益は135億1200万円（同50.9％減）、税引前当期利益は180億6900万円（同40.5％減）、親会社の所有者に帰属する当期利益は127億900万円（同44.7％減）だった。
経営成績に関する説明
DeNAグループは、中長期で企業価値を向上させるため、ゲーム事業において健全な収益性の確保や新規ヒットタイトルの創出、長期的に複数の収益の柱を育てることを見据えた成長に向けて、事業ポートフォリオの強化に取り組んでいる。
売上収益は、ゲーム事業の減収や、株式会社DeNAトラベル（以下、DeNAトラベル）の全株式譲渡による連結範囲外になったことなどから、前連結会計年度比で減少。
売上原価や販売費、一般管理費についても、DeNAトラベルが連結の範囲外になった影響や、ゲーム内課金の決済などに関する支払手数料の減少、販売促進費、広告宣伝費など各種費用の適正化に努めた結果、前連結会計年度比で減少した。
以上の結果、グループの売上収益は1241億1600万円（前期比11％減）、営業利益は135億1200万円（同50.9％減）、税引前当期利益は180億6900万円（同40.5％減）、親会社の所有者に帰属する当期利益は127億900万円（同44.7％減）となった。
ゲーム事業
ユーザー消費額が前期比で減少したが、費用面では販売促進費や広告宣伝費、業務委託費などを中心に強化したほか、固定費の最適化を継続的に行ない、健全な収益性確保に向けた取り組みを推進している。
上記の結果、売上収益は835億5600万円（前期比14.7％減）、セグメント利益は182億7300万円（同27.2％減）となった。
EC事業
DeNAトラベルが連結の範囲外になったことで、売上収益や売上原価、販売費、一般管理費が減少した。また、前期には、同社において判明した2017年3月期以前における一部取引に係る原価計上漏れ等の修正の影響があった。
上記の結果、売上収益は122億5600万円（前期比23.6％減）、セグメント利益は12億9900万円（同168.2％増）となった。
スポーツ事業
前期比では、Bリーグ「川崎ブレイブサンダース」の承継などで利益面に影響があったが、株式会社横浜DeNAベイスターズの主催試合の平均観客動員数が好調に推移したことに加え、入場料以外の収入も順調に推移したことで、売上が増加した。
上記の結果、売上収益は181億200万円（前期比7.2％増）、セグメント利益は14億5400万円（同20.2％減）となった。
オートモーティブ事業
当期は、次世代タクシー配車アプリ「MOV（モブ）」の立ち上げや、提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に、投資を積極的に行なってきた。
上記の結果、売上収益は1億9700万円（前期比33.7％増）、セグメント損失は36億1000万円（前期は18億7000万円の損失）となった。
ヘルスケア事業
売上収益は、一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE（マイコード）」「歩いておトク」をはじめ、既存の提供サービスにおいて堅調に推移した。
一方、ヘルスケア型保険の実現に向けた取り組みや、株式会社Preferred Networksと子会社の株式会社PFDeNAの、深層学習技術を活用し、少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムの研究開発など、将来の事業に向けた先行投資を行なった。
上記の結果、売上収益は22億3300万円（前期比5.1％増）、セグメント損失は12億4000万円（前期は9億2600万円の損失）となった。
新規事業・その他
ソーシャルLIVEサービスをはじめ、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みを含む事業を展開。
売上収益は85億6800万円（前連結会計年度比19.9％増）、セグメント損失は24億3900万円（前連結会計年度は26億8800万円の損失）となった。