全体では教育・研究施設などの設計や施工事業の大型案件減で減収。店舗・ネット販売事業と出版事業は経費削減により大幅な増益。
丸善CHIホールディングス株式会社(以下、丸善CHIホールディングス)は、2020年1月期第1四半期決算を6月14日(金)に発表した。当期連結経営成績は、売上高498億6200万円(前年同期比3.9%減)、営業利益23億8100万円(同11.2%減)、経常利益23億5900万円(同10.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益19億3400万円(同16.1%減)となった。
経営成績に関する説明
丸善CHIホールディングスグループは、「学びとともに生きる社会への取り組み」「地域創生への貢献」「新しい書店収益モデルの創造」を主な戦略テーマに、事業を取り組んでいる。
当第1四半期連結累計期間の業績については、教育・研究施設、図書館などの設計・施工事業の大型案件減少の影響で減収となり、利益面も売上高減の影響で減益となった。
以上の結果、売上高は498億6200万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は23億8100万円(同11.2%減)、経常利益は23億5900万円(同10.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億3400万円(同16.1%減)となった。
セグメント毎の業績は以下。
文教市場販売事業
図書館(公共図書館・学校図書館・大学図書館)に対する図書館用書籍の販売、汎用書誌データベース「TRC MARC」の作成・販売、図書装備(バーコードラベルやICタグ等の貼付等)や選書・検索ツール等の提供を行なっている。
当第1四半期連結累計期間の業績については、教育・研究施設、図書館などの設計・施工事業における大型案件の完工が減少したことで、減収減益となった。
上記の結果、売上高は190億1600万円(前年同期比13.6%減)、営業利益17億3500万円(同28.9%減)だった。
店舗・ネット販売事業
主に全国都市部を中心とした店舗網において和書や洋書などの書籍をメインに、文具、雑貨、洋品など、多岐にわたる商品の販売を行なっている。
当第1四半期連結累計期間の業績に関しては、「新しい書店収益モデルの創造」のため、店舗の改装や複合化を推進。それと共に、「hontoポイント」のポイントアップキャンペーンによる購買客数や購買単価の向上、店舗運営経費の削減に注力してきた。
上記の結果、売上高は192億5900万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は3億2900万円(同114.3%増)となった。
図書館サポート事業
図書館の業務効率化や利用者へのサービス向上の観点から、カウンター業務、目録作成、蔵書点検などといった業務の請負、地方自治法における指定管理者制度による図書館運営業務などを行なっている。
当第1四半期連結累計期間の業績については、図書館受託館数が学校図書館を中心に期初1365館から123館増加し、2019年4月末時点では1488館(公共図書館535館、大学図書館224館、学校図書館他729館)となり、順調に推移している。
上記の結果、売上高は67億9000万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は6億円(同18.9%増)となった。
出版事業
「理科年表」をはじめとする理工系分野を中心とした専門書や事典、便覧、大学テキストに加え、絵本・童話などの児童書、図書館向け書籍の刊行を行なっている。
当第1四半期連結累計期間は、専門分野として『35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか』『Dr.ヤンデルの病院選び~ヤムリエの作法~』『行動分析学事典』『スケールアップの化学工学 ものづくりの課題解決に向けて』など、合計新刊78点(前年71点)を刊行した。
利益については、経費削減に注力したことで増加した。
上記の結果、売上高は10億3300万円(前年同期比8.4%減)、営業利益は6600万円(同54.8%増)となった。
その他
書店やその他小売店舗を中心に企画や設計デザイン、建設工事、内装工事、店舗什器、看板、ディスプレーなどのトータルプランニング(店舗内装業)、図書館用図書の入出荷業務、Apple製品やパソコンの修理などを行なっている。
当第1四半期連結累計期間の業績については、各事業ともに堅調に推移した。特に店舗内装業の案件が増加したことで、増収増益となった。
上記の結果、売上高37億6300万円(前年同期比18.1%増)、営業利益は2億9700万円(同66.4%増)となった。