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松竹、映像関連事業の大幅な増益で営業利益33億円 2020年2月期第2四半期決算

松竹

アニメ映画「あした世界が終わるとしても」の欧米向けの販売が好調に推移。不動産事業では各ビルが満室稼働したことで安定収入に貢献。

松竹株式会社(以下、松竹)は、2020年2月期第2四半期決算を10月15日(火)に発表した。当期連結累計経営成績について、売上高は502億7800万円(前年同期比13.5%)、営業利益は33億2600万円(同35.7%増)、経常利益は31億7500万円(同51.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億4700万円(同50.5%増)だった。

経営成績に関する説明

映像関連事業
配給は、邦画6本、洋画1本、アニメ8本、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマとバラエティに富んだ作品を公開した。

興行は、株式会社松竹マルチプレックスシアターズにおいて、4月に最先端の映像技術「Dolby Vision(ドルビービジョン)」、立体音響技術の「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」と、最適化されたシアターデザインの技術が一体となったドルビーシネマをMOVIXIさいたまに導入して、他社との差別化をはかり、好評を博した。

テレビ制作については、地上波で連続ドラマ「きのう何食べた?」や2時間ドラマ「嫉妬」、BS放送で「無用庵隠居修行3」「立花登 青春手控えスペシャル」、情報番組「寅さんと50年」を受注制作した。

映像ソフトは「人魚の眠る家」「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」が映画のヒットに続き好調に推移した。

テレビ放映権販売は、地上波にて「ナミヤ雑貨店の奇蹟」がゴールデンタイムに放送され、BS放送ではBSテレビ東京での「釣りバカ日誌」シリーズ放送に続いて「男はつらいよ」シリーズを放送し、収益に貢献した。海外向けの作品販売については、「旅猫リポート」のアジア向け販売、アニメ映画「あした世界が終わるとしても」の欧米向けの販売が好調に推移した。

CS放送事業等は、松竹ブロードキャスティング株式会社は、競合となるインターネット動画配信サービスにより、多チャンネル市場は厳しい状況が続いているが、コスト削減等により利益の確保に努めた。

上記の結果、売上高は290億7400万円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は19億4500万円(同337.3%増)となった。

演劇事業
歌舞伎座では「三月大歌舞伎」は古典の名作を上演し充実した公演となり、新橋演舞場においては多彩な出演者による「トリッパー遊園地」およびOSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」を上演した。

大阪松竹座は恒例の関西ジャニーズJr.公演が大盛況で、南座においては、新開場記念の公演が続き、「京都ミライマツリ2019」は革新をテーマにした新時代のお祭りを創出し、話題となった。6月には新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」および8月の「八月南座超歌舞伎」では、幅広い層の人が来場した。

上記の結果、売上高は132億3500万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は3億8300万円(同65.1%減)となった。

不動産事業
不動産賃貸は、歌舞伎座タワー、築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)、東劇ビル、新宿松竹会館(新宿ピカデリー)、有楽町センタービル(マリオン)、松竹倶楽部ビル等の満室が続き、2018年秋に竣工の京都松竹阪井座ビルに関しても満室稼働となり、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献した。

また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し、利益を確保する結果となった。

上記の結果、売上高は53億7400万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は24億5300万円(同6.4%増)となった。

その他
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラム及びキャラクター商品で「えいがのおそ松さん」「映画 少年たち」が収益に貢献した。

映画作品以外の取り組みとしては、「トムとジェリー」と歌舞伎のコラボ商品展開や「超歌舞伎」関連商品の新たな展開等を積極的に行なったことで、好調に推移した。

イベント事業においては、ナガシマスパーランドでイベント「恐竜島の大冒険」、玉川高島屋S・Cで「たまがわキッズスポーツフェスタ」を開催し、ファミリー層を中心に人気であった。また、東京タワーでVR技術を利用したお化け屋敷「老婆の呪面」は、海外からの利用者にも人気のイベントになった。

キャラクター「かぶきにゃんたろう」プロジェクトにおいては、関連商品の販売が積極的に行なわれ、他社へのライセンス活動も積極的に展開した。

貸衣裳事業、清掃事業、舞台大道具製作事業は堅調な成績となった。

上記の結果、売上高は25億9300万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は9200万円(同13.9%増)となった。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間は、売上高502億7800万円(前年同期比13.5%)、営業利益33億2600万円(同35.7%増)、経常利益31億7500万円(同51.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益20億4700万円(同50.5%増)となった。

関連サイト

松竹株式会社公式サイト
2020年2月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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