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ネクソン、新作ゲームのリリースや韓国のモバイル事業の売上増で営業利益900億円 2019年12月期第3四半期決算

ネクソン

韓国では『TRAHA』と『Lyn:The Lightbringer』の影響でモバイル事業が増収。日本は『OVERHIT』『真・三國無双 斬』の減収で収益減。

株式会社ネクソン(以下、ネクソン)は、2019年12月期第3四半期決算を11月7日(木)に発表した。当期連結累計経営成績は、売上収益1992億9900万円(前年同期比4.0%減)、営業利益900億700万円(同4.7%減)、税引前四半期利益1265億1500万円(同13.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益1123億8900万円(同11.1%増)だった。

経営成績に関する説明

当第3四半期連結会計期間に関しては、韓国事業が好調に推移したが、前年同期比で主に中国事業の売上収益が減少したこと、主要通貨に対する円高の進行により為替レートのマイナス影響を受けた影響で、売上収益は前年同期比で減少した。

中国においては、当第3四半期連結会計期間に大型アップデートを実施したモバイルゲーム『KartRider Rush Plus』が増収となったが、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』の減収により、売上収益は前年同期比で減少となった。『アラド戦記』については、7月4日に夏季、9月24日に国慶節のアップデートを行なったが、ユーザーの評価が得られず、6月の11周年アップデート以降下落した指標を数四半期に渡って改善する計画であるため、当第3四半期連結会計期間に状況が好転することは見込んでいないが、季節のアップデートに加えて、主に課金ユーザー数の回復を狙ったゲーム内イベントを複数実施した。

しかしながら、期待していた効果が得られず、課金ユーザー数は想定よりも低い水準で推移。また、アップデートにおけるパッケージ販売に加えて、通常のアイテム販売も期待通りに進まず、ARPPU(課金ユーザー1人あたりの平均月間売上高)が四半期を通じて低調に推移したことで、売上収益が前年同期比で減少した。

韓国に関しては、『EA SPORTS FIFA ONLINE 4(以下、FIFA ONLINE 4)』がサービス移行直後の前年同期比で大きく成長したことで、PCオンライン事業の売上収益は前年同期比で増加した。モバイル事業では、『EA SPORTS FIFA ONLINE 4M(以下、FIFA ONLINE 4M)』や『メイプルストーリーM』が好調に推移し、第1四半期連結会計期間以降に配信した『TRAHA』と『Lyn:The Lightbringer』の増収で、モバイル事業の売上収益は前年同期比で増加した。

日本では、『メイプルストーリーM』や『メイプルストーリー2』『FAITH(AxE)』、当第3四半期連結会計期間に配信した『ArkResona』からの増収寄与があった。一方で、『OVERHIT』『真・三國無双 斬』及びモバイルブラウザゲームが前年同期比で減収した影響で、売上収益は前年同期比で減少した。

北米は、『Choices:Stories You Play(以下、Choices)』やサービス開始直後の四半期であった前第3四半期連結会計期間との比較により『メイプルストーリーM』及び『Darkness Rises』が前年同期比で減収したことで、売上収益が減少した。

欧州及びその他の地域に関しては、『天涯明月刀』『AxE』『OVERHIT』からの増収寄与があった一方で、『Choices』や北米同様に『メイプルストーリーM』『Darkness Rises』がサービス開始直後の四半期であった前第3四半期連結会計期間比で減収したことで、売上収益は前年同期比で減少した。

費用面では、主に『FIFA ONLINE 4』と『FIFA ONLINE 4M』などに係るロイヤリティ費用が増加。一方で、人件費の減少や円高の進行による為替レートの好影響を受けて売上原価は前年同期比で減少した。

販売費及び一般管理費は研究開発費が増加したが、新作タイトルの減少に伴う広告宣伝費の減少、ストック・オプション費用等の減少による人件費の減少、モバイル売上収益の減少に伴う支払手数料の減少により、前年同期比で減少した。

その他の収益については、当第3四半期連結会計期間においてEmbark Studios ABの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した影響で、前年同期比で大きく増加した。

その他の費用については、NAT GAMES Co., Ltd.におけるのれん及び無形資産に係る減損損失を計上した前第3四半期連結会計期間との比較になることから、前年同期比で大きく減少した。また、外貨建ての現金預金等について為替差益が発生した結果、金融収益は前年同期比で大きく増加した。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は1992億9900万円(前年同期比4.0%減)、営業利益は900億700万円(同4.7%減)、税引前四半期利益は1265億1500万円(同13.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1123億8900万円(同11.1%増)となった。

関連サイト

株式会社ネクソン公式IRサイト
2019年12月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
2019年度第3四半期決算説明資料

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