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ソニー、ゲーム分野の不調で減収減益 営業利益8454億円 2020年3月期決算

ソニー

前期の人気ゲームタイトル発売による反動でゲーム分野は減収減益。新型コロナウイルス感染症の影響は音楽と映画分野などで発生。

ソニー株式会社は、2020年3月期決算(連結)を5月13日(水)に発表した。当期連結経営成績は、売上高8兆2598億8500万円(前期比4.7%減)、営業利益は8454億5900万円(同5.5%減)、税引前四半期純利益7994億5000万円(同21.0%減)、株主に帰属する四半期純利益5821億9100万円(同36.5%減)だった。

経営成績に関する説明

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の売上高は、主にプレイステーション4(以下、PS4)のハードウェア、PS4向けゲームソフトの減収や為替の悪影響により、1兆9776億円(前期比14%減)となった。

営業利益では、プレイステーション プラスなどのネットワークサービスの増収や、コスト削減の効果があったが、前期の『ゴッド・オブ・ウォー』や『Marvel’s Spider-Man』といった人気タイトル発売の反動によるゲームソフトの減収や為替の悪影響により、2384億円(前期比23.3%減)となった。

この分野における新型コロナウイルス感染症の影響については、PS4ハードウェアで一部部品の生産がサプライチェーン上の問題で若干の影響が発生しているが、足元の需要には在庫で対応し、販売は堅調に推移している。

3月以降はプレイステーションネットワークでのゲームプレイ時間がクリスマスシーズンの1.5倍になるなど、ネットワークサービスが大きく伸び、ソフトウェアのダウンロード販売や会員数が大幅に増加している。

新作ハードウェアであるプレイステーション5の立ち上げについては、社員の在宅勤務や海外渡航制限などにより、一部の検証作業や生産ラインの確認などに制約がでているが、必要な対応策を講じており、2020年の年末商戦期の発売に向けて準備を進めているとのこと。

音楽分野に関しては、モバイル向けゲームアプリ『Fate/Grand Order』などの減収があったが、主にEMI Music Publishingを連結子会社化したことによる音楽出版での増収や、音楽制作のストリーミング売上が増加したことにより、売上高は8499億円(前年度比5%増)となった。

営業利益は、前年度において主にEMI連結子会社化に伴う再評価益を計上していたことで、1423億円(前期比38.7%減)となった。また、音楽分野の営業利益に対する、モバイル向けゲームアプリからの利益貢献は1割半ばとのこと。

新型コロナウイルス感染症の音楽分野への影響については、楽曲のレコーディングや音楽ビデオの制作に影響が出ており、新曲のリリースに遅れがでている。それに加え、2月から5月末までにおいて400件を超えるイベントの延期や中止がある日本などで、ライブ興行や物販、映像ビデオの制作や販売が減少している。

映画分野について、主に映画製作やテレビ番組制作での増収により、売上高は1兆119億円(前期比3%増)となった。

営業利益では、テレビ番組制作において、番組開発や新規番組リリースによる費用の増加があったが、前年度実施したメディアネットワークでのチャンネルポートフォリオ見直しの効果や、映画製作におけるカタログ作品の収益改善などにより、682億円(前期比24.9%増)という結果になった。

映画分野での新型コロナウイルス感染症の影響は、全世界で映画館の閉鎖などが起こり、映画興行ビジネス全体に大きな影響がでている。そのため『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』など、製作が完了している作品がリリースできない状況となっている。また、外出制限により、アメリカをはじめとした世界各国で、新作映画やテレビ番組作品の制作スケジュールに大幅な遅れなどが出ている。

その他の分野については、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野が売上高1兆9913億円(前期比14%減)、営業利益873億円(同14.1%増)、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野が売上高1兆706億円(同22%増)、営業利益2356億円(同63.7%増)、金融分野が金融ビジネス収入1兆3077億円(同2%増)、営業利益1296億円(同19.7%減)、その他の分野が売上高2514億円(同27.2%減)、営業利益162億円(前期は111億円の営業損失)だった。

関連サイト

ソニー株式会社公式サイト
2020年3月期決算短信〔米国基準〕(連結)
2020年3月期決算説明資料

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