新作ゲームがリリース直後から収益に寄与。イグニスから譲受した『ぼくとドラゴン』と『猫とドラゴン』を提供開始。
株式会社ドリコム（以下、ドリコム）は、2020年3月期決算（連結）を5月14日（木）に発表した。当期の売上高は101億5016万円（前期比5.3%減）、営業利益は6億1707万円（前期は営業損失5億7745万円）、経常利益は6億3589万円（前期は経常損失13億4936万円）、親会社株主に帰属する当期純利益は7億1146万円（前期は親会社株主に帰属する純損失17億1270万円）だった。
経営成績に関する説明
当期においては、運用中のIPゲームタイトルが順調に推移したことに加え、2019年8月及び11月に新作ゲームをリリースした。特に2019年11月から開発運用に関与しているタイトルは垂直的な立ち上がりになり、想定を上回る寄与となった。
また、2020年3月には人気IPタイトル『ぼくとドラゴン』と『猫とドラゴン』を運営する株式会社イグニスの子会社を、株式譲受により完全子会社化し、ドリコムグループのもとで同タイトルの提供を開始した。
しかしながら、当期は前期に比べて開発本数が少なく売上高が前期より減少した。
費用については「enza」や新規事業開発に向けた投資を継続したが、「enza」が拡大フェーズに転じたことや、既存ゲーム事業で不採算タイトルへの対応が完了したこと、運用コストが最適化されたことにより、前期比で費用が減少した。
セグメント毎の業績は以下。
エンターテインメントサービス
他社IPゲームについては、主力タイトルを中心に引き続き安定的に推移した。2019年5月及び11月の周年イベントは引き続きファンの支持に支えられ、経年に抗う推移となった。また、2019年8月及び11月には新規タイトルをリリースし、特に2019年11月から運用に携わっているタイトルは、垂直的な立ち上がりをみせ、想定を上回る収益寄与となった。
オリジナルゲームでは、リリースから10年近く既存ユーザーの満足度維持と工場に焦点をあてたイベント施策を行なったことで、売上水準を維持し、底堅く推移した。
しかしながら、当期は前期比で開発本数が少なく、前期において計上されていた開発売上が減少したことで、売上高は前期比で減少した。利益については、前期に比べて不採算タイトルが減少したことと、過去一年間を通じて運用費の最適化行なったことにより費用が減少したことで、前期の営業損失から営業利益に転ずることになった。
上記の結果、売上高は97億1804万円（前期比1.6％減）、営業利益は8億7107万円（前期は営業損失3億5581万円）となった。
広告メディアサービス
広告代理業務のほか、次世代の主力事業創出を目的とした取り組みの一環である「DRIP（Drecom Invention Project）」のもと、2018年8月に発表した位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム「AROW」など、インターネットサービスの知見をいかした新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねてきた。
しかしながら、広告代理業務の売上高の減少と、新規サービスが事業開発段階にあることから費用先行が続いた。
上記の結果、売上高は4億3212万円（前期比48.6％減）、セグメント損失は2億5399万円（前期はセグメント損失2億2164万円）となった。
