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東映、映画のヒットやVOD向けのコンテンツ販売の好調で営業利益220億円 2020年3月期決算

東映

海外で「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権販売が好調。ビデオ事業では「仮面ライダー」シリーズの販売が売上に貢献。

東映株式会社(以下、東映)は、2020年3月期決算(連結)を5月15日(金)に発表した。当期連結経営は、売上高1413億7600万円(前期比3.2%増)、営業利益220億300万円(同4.2%減)、経常利益253億6000万円(同2.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益113億5700万円(同5.0%増)だった。

経営成績に関する説明

映像関連事業
映画事業は提携製作作品など41本を配給した。

「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」が大ヒットを収め、「劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」「犬鳴村」などの作品がヒットした。

ビデオ事業は、セル並びにレンタル市場ともに厳しい状況が続いているが、劇場用映画のDVDとブルーレイディスク作品を主力として販売促進につとめ、当期は342作品を発売した。その結果、劇場用映画「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」「ドラゴンボール超 ブロリー」に加え、「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」をはじめとした「仮面ライダー」シリーズの販売が売上に寄与した。

テレビ事業は、各局間の激しい視聴率競争により番組編成の多様化が進むなか、受注市場は厳しい状況だったが、作品内容の充実と受注本数の確保につとめ、当期は60分もの「相棒」「科捜研の女」など82本、30分もの「仮面ライダージオウ」「ワンピース」「スター☆トゥインクルプリキュア」など269本、ワイド・スペシャルもの「日曜プライム 西村京太郎トラベルミステリー」など34本の計385本を製作し、高率のシェアを維持した。また「騎士竜戦隊リュウソウジャー」「仮面ライダージオウ」「仮面ライダーゼロワン」などキャラクターの商品化権営業も堅調に推移した。

コンテンツ事業は、劇場用映画やテレビ映画などの放映権及びビデオ化権の販売に加え、スマートフォンやタブレット端末向け配信サービスに映像ソフトの供給を行なったことで、旧作テレビ時代劇の放映権販売、劇場用映画「ドラゴンボール超 ブロリー」などのビデオ化権販売、Amazonプライム・ビデオをはじめとしたVOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売が好調だった。さらに「東映特撮ファンクラブ」の会員数増加が売上に貢献した。

アニメ関連では、ゲーム化権が販売好調だった前期の勢いはなかったが、海外での「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権販売が好稼働した。

上記の結果、売上高は938億4300万円(前期比0.0%増)、営業利益は192億5000万円(同2.1%減)となった。

興行関連事業
株式会社ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働し、東映直営劇場4スクリーンを含む205スクリーン体制で展開している。

上記の結果、売上高は215億4700万円(前期比0.5%増)、営業利益は18億100万円(同4.0%減)となった。

催事関連事業
当期は、文化催事の「不思議の国のアリス展」をはじめ、様々なジャンルの展示型イベントやライブイベント、舞台演劇、人気キャラクターショーなど各種イベントを提供するとともに、映画関連商品の販売など、積極的な営業活動を展開した。

東映太秦映画村に関しては、引き続き堅調に推移した。

上記の結果、売上高は81億8200万円(前期比0.2%増)、営業利益は10億5000万円(同10.3%減)となった。

観光不動産事業
不動産賃貸業は、賃料水準が上昇線を描く状況には至らず、商業施設の賃貸業においては、全体的に厳しい市場環境が続いている。当期は、引き続き「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」などの賃貸施設が稼働した。

ホテル業はインバウンドの需要拡大に伴い、マーケットは好調を維持していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、業界環境は非常に厳しい状況となっている。当期は、2019年7月に湯沢東映ホテルにおいて温浴施設を、11月に新潟東映ホテルにおいてステーキハウスをリニューアルするなど、収益の確保に向けて積極的な営業活動を展開した。

上記の結果、売上高は64億7600万円(前期比0.6%減)、営業利益は27億2700万円(同6.0%減)となった。

建築内装事業
建築内装事業では、民間設備投資は高水準の企業収益を背景に緩やかに増加し、公共投資は底堅く推移することが見込まれていることから、受注環境は良好な状況となった。しかしながら、技術労働者不足や建築資材価格の高止まりなど、依然として厳しい経営環境が続いている。

そのなかで従来の顧客の確保及び新規顧客の獲得に懸命の営業活動を行なった。

上記の結果売上高は113億2600万円(前期比59.1%増)、営業利益は1億2400万円(同60.3%減)となった。

関連サイト

東映株式会社公式サイト
2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)

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