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テレビ東京、アニメ関連が好調も地上波放送事業の苦戦で減収減益 営業利益51億円 2020年3月期決算

テレビ東京HD

広告関連売上やライツ売上の健闘でエー・ティー・エックスの売上高が増加。アニメなどの海外向けコンテンツと配信が放送外収益の柱に。

株式会社テレビ東京ホールディングス(以下、テレビ東京HD)は、2020年3月期決算(連結)を5月14日(木)に発表した。当期連結経営成績は、売上高1451億7300万円(前期比2.7%減)、営業利益51億2800万円(同13.8%減)、経常利益51億6100万円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億9000万円(同19.9%減)だった。

経営成績に関する説明

当期のテレビ東京グループは、アニメが海外を中心に好調を維持したが、タイム・スポット収入が市況低迷の影響を受けて減少した。

費用については、番組制作費などで経費コントロールを行なったが、減価償却費など4K放送に関する費用や、配信向けコンテンツを強化するための制作費が増加した。

これにより、営業利益は地上波の放送収入のマイナス分を、最高益を記録したアニメ事業の利益と制作費など費用のコントロールでカバーしたが、前期比で減少となった。

今後も引き続き、放送事業の利益確保につとめつつ、アニメやコンテンツ、イベント、通販など、放送外事業を伸ばす構造転換を進めていく。

セグメント毎の業績は以下。

地上波放送事業
放送収入のうちタイム収入は、ネット・ローカル部門ともにPTセールス(番組時間内に設定されたCMの枠)が順調に推移したが、10月改編セールスでのベースダウンの影響を受けた。特番部門においては、前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会などの反動に加え、「世界卓球2020韓国」の延期をはじめとした、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う各種イベントの中止が響いたことで減収となった。

スポット収入は、広告費のデジタルシフトやインバウンドの終了、消費税増税などにより市況が悪化し、商品量の不足もあったことで減収となった。

番組販売収入は、「ラグビーワールドカップ」や「台風19号」などで各局での番販番組の休止が多発したほか、各局の編成事情によるレギュラー番販枠の減少が響いた。番組別では「昼めし旅~あなたのご飯見せてください~」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」が引き続き好調だったが、「二代目 和風総本家」「モヤモヤさまぁ~ず2」などの売上が苦戦した。

ソフトライツ収入については、ドラマ「きのう何食べた?」や「孤独のグルメ」シリーズ、その他配信会社との連動ドラマが堅調に推移した一方で、中国向け番販の減少やビデオグラム市場の縮小、新規案件が伸び悩んだ。

映画では前年度公開の「日日是好日」が堅調だったが、「泣くな赤鬼」などが目標を下回った。

アニメ事業は、国内の商品化やビデオグラムの取り扱いが減少したが、中国をはじめとした海外で「NARUTO」の配信とゲームが引き続き堅調に推移し、それに加えて、「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばした。

イベント収入は、フィギュアスケート「ジャパンオープン2019」「カーニバル・オン・アイス2019」「ICE EXPLOSION2020」、舞台「美しく青く」「ゴッドタンマジ歌ライブ2020」が好調で、イベント収入全体では増収となった。

上記の結果、売上高は1113億9400万円(前期比4.3%減)、営業利益は49億9500万円(同21.3%減)だった。

放送周辺事業
通信販売関連は、オリジナルゴルフクラブ「DANGEN7シリーズ」が大ヒット商品に成長するなど、テレビ・EC通販の好調が続いた。お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」についても、頒布会が人気を集め、順調に売上を伸ばしたことで株式会社テレビ東京ダイレクトの売上が3期連続で過去最高売上を更新した。

CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者減少幅を想定の範囲内にとどめたほか、広告関連売上やライツ売上が健闘し、放送外売上を前年よりも大きく伸ばした。これにより、株式会社エー・ティー・エックスの売上高が前期比で増加した。

音楽出版関連は、年間を通して、アニメ楽曲の二次利用を中心とした印税収入が順調に推移した。「Re:ゼロから始める異世界生活」「新世紀エヴァンゲリオン」に加え、「FAIRY TAIL」など海外からの印税収入も貢献したことで、株式会社テレビ東京ミュージックの売上高が増加した。

上記の結果、売上高は419億9500万円(前期比2.6%増)、営業利益は25億1700万円(同2.4%増)となった。

BS放送事業
放送収入のうちタイム収入では「人生100年時代!利回りのみかた」や「レモンサワーでごちそうさま!」などのミニ枠セールスが好調で、レギュラーセールスについては前年実績を上回った。特別番組セールスに関しても「世界卓球2019ハンガリー」「バスケットボール日本代表国際試合 日本VSアルゼンチン」などのスポーツコンテンツや「経済スペシャル 令和×渋沢栄一~日本型経営の源流」などの経済コンテンツも好調だった。

一方、スポット収入に関しては前期に続いて通販スポンサーの出稿が大きく減少したことに伴い、前期の実績を下回る結果になった。

その他収入部門では、BSオリジナルドラマへの製作出資を中心に4K放送や配信、海外販売などのソフトライツ事業を積極的に展開し、前期を上回る収益を確保した。

また、他社事業への出資参画や通販事業、イベント事業も好調に推移したことで、部門全体の利益は前期比で大幅な伸びとなった。

上記の結果、売上高は163億8800万円(前期比0.4%増)、営業利益は12億8900万円(同10.6%増)となった。

コミュニケーション事業
動画関連事業が好調に推移したことで特に動画広告が売上を伸ばし、キャラクターのEC事業も堅調に推移した。

費用面については、既存事業の増強と新規事業開発を継続するための人材採用を継続的に行なったことで、人件費が増加した。

上記の結果、売上高は48億900万円(前期比6.3%増)、営業利益は3億400万円(同5.3%減)だった。

関連サイト

株式会社テレビ東京ホールディングス公式サイト
2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年3⽉期(2019年度)通期決算補⾜資料

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